【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当グループが判断したものであります。
(1)経営成績の状況当第2四半期連結累計期間における当グループの事業領域では、中国の景気減速に加えて、欧州のエネルギー危機やサプライチェーン混乱の長期化等により世界の粗鋼生産量は前年同期を下回りました。このような状況において、鉄スクラップ価格(東京製鐵田原海上特級価格)は、当期首から下落傾向で推移しました。8月後半からは荷動きの悪さによる需給の引き締まりや、急激な円安の進展により価格は上昇しました。その後は様々な要因により上昇と下降を繰り返す展開が続いており、当第2四半期連結会計期間末では1トン当たり49,000円となりました。これらの結果、当第2四半期連結累計期間の鉄スクラップ平均価格は47,315円と、前年同期の52,266円を下回りました。一方、リチウムイオン電池の主原料であるコバルト、ニッケル、銅の平均価格については、需給の引き締まりや、円安の影響により、いずれも前年同期を上回りました。このような環境の中で、当第2四半期連結累計期間においては「持続可能社会実現の一翼を担う」のミッションステートメントのもと、「サーキュラーエコノミーの具体的事例の実現」を戦略コンセプトに事業を推進しました。加えて、今後の成長を根底から支えるための企業理念共有レベルの向上、攻めの姿勢を貫くための環境整備や安全管理、及び人的資本への積極的投資等による内部体制強化の取り組みを進めてまいりました。以上の結果、売上高は23,582百万円(前年同期比13.4%減)、営業利益は870百万円(前年同期比41.8%減)、経常利益は1,014百万円(前年同期比42.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は709百万円(前年同期比44.1%減)となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりであり、売上高についてはセグメント間の内部売上高又は振替高を含めた売上高で表示しております。
セグメント別業績の概要 ≪売上高≫ (単位:百万円)
前第2四半期連結累計期間
当第2四半期連結累計期間
増減比
資源循環事業
9,891
8,529
△13.8%
グローバルトレーディング事業
20,233
16,831
△16.8%
リチウムイオン電池リサイクル事業
376
775
106.1%
その他
243
222
△8.9%
調整額
△3,503
△2,775
-
合 計
27,242
23,582
△13.4%
≪セグメント利益≫
(単位:百万円)
前第2四半期連結累計期間
当第2四半期連結累計期間
増減比
資源循環事業
1,405
748
△46.8%
グローバルトレーディング事業
371
113
△69.4%
リチウムイオン電池リサイクル事業
92
288
211.1%
その他
81
50
△38.2%
調整額
△191
△185
-
合 計
1,759
1,014
△42.3%
(注)セグメント利益は四半期連結損益計算書の経常利益と調整を行っております。
①資源循環事業廃自動車の発生台数等の減少に加えて、第1四半期連結会計期間において一時的な設備の故障等により稼働率が低下したことで取扱量は減少しました。また、2022年7月の金属スクラップ価格の急落による在庫販売分の利幅の縮小、エネルギー価格上昇による電力費の増加、加えて、待遇改善等による人件費の増加により、減収減益となりました。以上の結果、資源循環事業の売上高は8,529百万円(前年同期比13.8%減)、セグメント利益は748百万円(前年同期比46.8%減)となりました。2022年9月に静岡県富士市の新工場が竣工し、2023年2月稼働に向けて設備建設工事が進捗しております。
②グローバルトレーディング事業コンテナ等の海上運賃の急落により中古自動車関連商品や金属スクラップ等の輸送環境は改善しました。一方で、鉄スクラップの海外需要の減少に対し、国内電炉の粗鋼生産が安定して推移したことで、国内高海外安の展開となりました。内外価格差が縮小したことで収益性が低下し、取扱量も減少しました。加えて、当第2四半期連結会計期間後半における急激な円高に伴う為替差損発生の影響もあり、減収減益となりました。以上の結果、グローバルトレーディング事業の売上高は16,831百万円(前年同期比16.8%減)、セグメント利益は113百万円(前年同期比69.4%減)となりました。
③リチウムイオン電池リサイクル事業電池材料の需要が引き続き堅調に推移する中、円安も相まって、コバルト、ニッケル、銅価格は前年同期を上回って推移しました。加えて、電池に含まれるリチウム価格が上昇したことで収益性が向上しました。また、設備稼働率の改善により生産性が向上したことで取扱量が増加し、増収増益となりました。以上の結果、リチウムイオン電池リサイクル事業の売上高は775百万円(前年同期比106.1%増)、セグメント利益は288百万円(前年同期比211.1%増)となりました。引き続き、電池処理能力の拡張及び湿式製錬技術の開発を進めてまいります。
④その他環境経営コンサルティング事業は、CDP評価向上支援、TCFD対応支援等のカーボンニュートラル及びサーキュラーエコノミー関連コンサルティングの需要が増加する中、一部受託業務の検収時期が翌四半期にずれ込んだことに加え、体制強化による人件費の増加等により、減収減益となりました。障がい福祉サービス事業は、長野エリアに新たな事業所を開設し、農福連携による野菜栽培等の新たなサービスを開始しましたが、延利用者数の減少等により、減収減益となりました。以上の結果、その他事業の売上高は222百万円(前年同期比8.9%減)、セグメント利益は50百万円(前年同期比38.2%減)となりました。
(2) 財政状態の状況当第2四半期連結会計期間末における総資産は27,364百万円(前連結会計年度末比1,599百万円の減少、5.5%減)となりました。流動資産は15,762百万円(前連結会計年度末比2,686百万円の減少、14.6%減)となりました。これは、その他流動資産が530百万円、商品及び製品が127百万円増加したものの、現金及び預金が1,638百万円、受取手形及び売掛金が1,610百万円減少したこと等によります。固定資産は11,602百万円(前連結会計年度末比1,087百万円の増加、10.3%増)となりました。これは、建設仮勘定が559百万円、その他投資その他の資産が44百万円減少したものの、建物及び構築物が878百万円、機械装置及び運搬具が568百万円、投資有価証券が199百万円増加したこと等によります。当第2四半期連結会計期間末における負債合計は11,137百万円(前連結会計年度末比1,606百万円の減少、12.6%減)となりました。流動負債は7,628百万円(前連結会計年度末比2,339百万円の減少、23.5%減)となりました。これは、1年内返済予定の長期借入金が24百万円増加したものの、短期借入金が1,810百万円、未払法人税等が443百万円、支払手形及び買掛金が74百万円減少したこと等によります。固定負債は3,509百万円(前連結会計年度末比733百万円の増加、26.4%増)となりました。これは、長期借入金が678百万円増加したこと等によります。当第2四半期連結会計期間末における純資産は16,226百万円(前連結会計年度末比6百万円の増加、0.0%増)となりました。これは、利益剰余金が31百万円減少したものの、資本剰余金が20百万円、非支配株主持分が15百万円増加したこと等によります。
(3)キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,637百万円減少し、7,275百万円(前連結会計年度末比18.4%減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払額707百万円、未払金の増減額280百万円、その他資産負債の増減額406百万円等の支出があったものの、売上債権の増減額1,610百万円、税金等調整前四半期純利益1,036百万円、減価償却費400百万円等の収入があった事により、1,361百万円の収入(前年同四半期は38百万円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却による収入が39百万円あったものの、有形固定資産の取得による支出が988百万円あった事等により、921百万円の支出(前年同四半期は380百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入が1,100百万円あったものの、短期借入金の純減少額1,810百万円、配当金の支払額741百万円、長期借入金の返済による支出396百万円等の支出があった事により、2,015百万円の支出(前年同四半期は364百万円の支出)となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題については、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、25百万円であります。主な活動の内容はリチウムイオン電池等のレアメタルを含んだ廃棄物からの効率的な分離精製技術の開発であります。
(6)生産、受注及び販売の実績当第2四半期連結累計期間において、取扱量の落ち込みによる販売実績の減少がありました。詳細につきましては、「第2〔事業の状況〕2〔経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析〕(1)経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(7)主要な設備該当事項はありません。