【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による社会経済活動への制限が緩和され、持ち直しの兆しが見られました。しかしながら、7月以降における第7波の急拡大に加えて、ロシアのウクライナ侵攻等によるエネルギー価格や原材料価格の高騰、為替市場での急激な円安の進行、世界的な半導体不足や中国上海市のロックダウンにより部品調達が困難となるなど、景気の先行きは不透明な状況となっております。
断続的に感染拡大が続く新型コロナウイルス感染症に対しては、当社グループでは社員および家族の健康と安全に配慮しつつ、顧客への製品やサービスの提供に影響を及ぼすことがないよう、感染予防と事業継続に取り組んでおります。
当社グループが事業活動を展開する国内の印刷市場におきましては、デジタル化の進展による紙媒体の縮小、競争の激化、価格の低迷という構図が長期にわたり継続していることに加えまして、エネルギー価格や原材料価格の高騰も重なり、大変厳しい状況が続いております。社会経済活動の正常化が進み、顧客における社内広報活動および販売促進活動は回復傾向にありますが、度重なる印刷用紙の値上げが広告宣伝媒体のデジタル化(紙離れ)を一層加速させ、社内報、カタログ、チラシ等の商業印刷物が減少し、以前の水準に回復することは困難な状況です。
このような状況において、当社はコア事業における競争力の強化、新事業開発の強化、事業活動を支える経営基盤の強化という3つの改革を掲げ、事業構造改革を進めております。
その実現に向けて、顧客第一の基本方針のもと健全な危機感を持ち、印刷物の提供により、顧客の広告宣伝活動を支援する従来型のビジネスモデルから領域を広げ、印刷物に限らない多種多様なソリューションを複合的且つ効果的に組み合わせたワンストップソリューションの提供により、顧客の課題解決を総合的に支援するビジネスパートナーへ、ビジネスモデルの転換を図っております。この取り組みを強力に推進し、当社グループは顧客にとっての価値(顧客価値)を創造し、その価値に見合った収益に結びつけることで業績向上に努めております。
エネルギー価格や原材料価格の高騰には、代替品の購入、生産性向上、経費削減等を行うと共に、顧客へは販売価格への転嫁だけではなく、品質を維持しつつコスト削減を実現するVA提案を積極的に行っております。
以上の結果、当社グループの当第2四半期連結累計期間における売上高は153億54百万円(前年同期比8.3%増)となりました。利益面では、営業利益3億46百万円(前年同期比111.5%増)、経常利益4億31百万円(前年同期比80.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3億62百万円(前年同期比26.2%増)となりました。
セグメント別の状況は、以下のとおりです。
(印刷)
印刷事業では大変厳しい市場環境の下、品質管理と情報セキュリティ管理を徹底した上で、紙媒体需要を着実に取り込むとともに、全体最適での生産設備の見直しによる低コスト生産体制の実現、ビジネスモデルにマッチした社内体制の再構築などの事業構造改革を進めております。
前述のビジネスモデルの転換を図るため、全社横断の事業強化プロジェクトを推進し、ワンストップソリューション提案を強化いたしました。具体的には、各種BPOやイベント等の受託、通販サイトの運営、ロジスティクスサービス、システム構築などのデジタル関連を強化いたしました。顧客におけるDXを支援する取り組みとしましては、受発注管理システムのプラットフォーム「TS-BASE」にて、受発注・通販・物流をシリーズ化し、物流の課題を解決するワンストップサービスを確立しました。また、これまでに培った社内報制作やデジタルマーケティングのノウハウを結集し、紙媒体の社内報のデザイン性をそのままに「見せる社内報」をコンセプトとするWeb社内報パッケージシステム「Yomikatsu!」の販売を開始しました。
なお、上海市のロックダウン期間中は、中国にて包装用印刷物の企画・販売を行う上海竹田包装印務技術有限公司の事業活動が停止となりましたが、解除後は速やかに稼働を再開いたしました。
半導体関連マスク事業では、当社、㈱プロセス・ラボ・ミクロン、東京プロセスサービス㈱の3社によるグループ全体最適とシナジーの最大化を図ると共に、海外事業を強化しております。
世界的な半導体不足や上海市のロックダウンの影響により、顧客における在庫調整が継続し、車載向けやスマートフォン向け等の一部製品において出荷減少がございましたが、第5世代移動通信システム(5G)やサーバー向け等の需要が堅調に推移したため、事業全体としては増収となりました。海外事業では、当社グループが拠点を構えるベトナムやタイにおいて、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が断続的に続き、営業活動の制限や顧客工場の稼働停止により、業績に若干の影響がございました。
今後も世界情勢や半導体市場の動向と共に、国内のみならず、中国および東南アジア地域における新型コロナウイルス感染症の感染状況にも注意を払い、事業拡大をめざしてまいります。
上記の結果、印刷セグメントの売上高は103億21百万円(前年同期比6.5%増)、営業利益は1億97百万円(前年同期比29.1%増)となりました。
(物販)
物販事業では、印刷事業と同様に厳しい市場環境にありますが、印刷関連総合商社のリーディングカンパニーとして、日本全国に展開する拠点を活用し、顧客ニーズの発掘ときめ細かなフォローの徹底によるシェア拡大を図っております。社会経済活動の正常化が進み、業況は回復傾向となりました。また、新規顧客の開拓や全国各地でのイベント出展による広告宣伝活動を積極的に行いました結果、資材販売と機械販売の両面にて増収となりました。
利益面では、増収効果や利益率の高い自社ブランド製品の販売が好調であったことに加えまして、仕入価格の高騰には顧客への丁寧な交渉により販売価格への転嫁を行うと共に、経費削減の徹底により利益確保に努めました。
上記の結果、物販セグメントの売上高は52億31百万円(前年同期比9.6%増)、営業利益は1億41百万円(前年同期は6百万円の営業利益)となりました。
(2)財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の資産の部は、受取手形及び売掛金、土地などが減少いたしましたが、現金及び預金、仕掛品などの増加により、前連結会計年度末に比べ20百万円増加し、289億90百万円となりました。
負債の部は、長期借入金などの減少により、前連結会計年度末に比べ3億88百万円減少し、136億49百万円となりました。
純資産の部は、利益剰余金、為替換算調整勘定などの増加により、前連結会計年度末に比べ4億8百万円増加し、153億41百万円となり、自己資本比率は52.5%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1億76百万円増加し、55億23百万円となりました。当第2四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産の増加1億78百万円や法人税等の支払額1億81百万円などに対し、税金等調整前四半期純利益5億3百万円や減価償却費4億16百万円などがあったため、6億14百万円の収入(前年同期は7億69百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の売却による収入2億50百万円などに対し、固定資産の取得による支出2億54百万円などがあったため、61百万円の支出(前年同期は68百万円の収入)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出1億53百万円やリース債務の返済による支出1億61百万円などがあったため、4億21百万円の支出(前年同期は8億18百万円の支出)となりました。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題についての重要な変更、または、新たに生じた優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、1億11百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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