【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものである。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が5類へ移行したことに伴い、経済活動の正常化が進んだ。
当社グループを取り巻くエネルギー業界においては、旅行などを中心とした個人消費やインバウンド需要の持ち直しにより航空燃料などに需要の回復がみられた。その一方で、物価上昇などによる家計消費の落ち込みが懸念されている。
こうしたなかで、当第2四半期連結累計期間における財政状態及び経営成績の状況は以下のとおりとなった。
① 財政状態
当第2四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ64億7百万円増加し、2,076億52百万円となった。これは主に、投資有価証券の時価が上昇したことによるものである。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ35億61百万円増加し、873億81百万円となった。これは主に、支払手形及び買掛金が増加したことによるものである。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ28億46百万円増加し、1,202億70百万円となった。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものである。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の55.5%から55.1%となった。
② 経営成績
当社グループは、中期経営計画「変貌する未来への挑戦 Challenge2030」のもと、低炭素・循環型社会に対応した事業ポートフォリオの構築に向けて人材育成の強化や新規事業の開発に取り組んだ。
当第2四半期連結累計期間における当社グループの売上高は、石油製品の販売価格の上昇により前年同期比3.2%増の3,180億66百万円となった。営業利益は、航空関連事業の業績が好調に推移したことにより前年同期比30.1%増の86億66百万円、経常利益は前年同期比28.5%増の91億21百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比23.4%増の56億40百万円となった。
セグメントごとの経営成績は次のとおりである。
イ.石油関連事業
<石油製品販売業>
石油製品販売業においては、販売数量は前年同期並みとなったが、売上高は販売価格が上昇したことにより前年同期を上回った。各部門の状況は以下のとおりである。
石油小売部門では、直営SSでの販売は低調に推移し、販売数量、利益ともに前年同期を下回った。石油卸売部門では、在庫評価による利益が増加したことにより、利益は前年同期を上回った。産業用燃料油販売部門では、新規取引先の獲得に努めたものの、既存取引先への販売数量が減少し、販売数量、利益ともに前年同期を下回った。産業用潤滑油販売部門では、ガスエンジンのメンテナンスや風力発電の内視鏡検査などによる手数料収入が増加したことにより、利益は前年同期を上回った。
以上の結果、石油関連事業における売上高は、販売価格の上昇により前年同期比3.8%増の2,758億77百万円となった。セグメント利益は、石油卸売部門の在庫評価による利益が増加したことにより前年同期比1.5%増の51億46百万円となった。
ロ.化学品関連事業
<化学品製造販売業>
化学品製造販売業においては、販売数量は製品ごとに増減はあるものの概ね前年同期並みで推移した。製品別の状況は以下のとおりである。
自動車関連商品では、自社製品である撥水コート剤の販売が好調だったことから、利益は前年同期を上回った。防腐・防かび剤では、部品供給不足に伴う自動車関連工場の稼働率低下により、金属加工油用途等への販売数量が減少したものの、利幅の回復により利益は前年同期を上回った。粘着付与剤では、接着剤や梱包テープ用途の販売数量が減少したことにより、利益は前年同期を下回った。なお、石油系溶剤では、販売数量、利益とも前年同期並みで推移している。
以上の結果、化学品関連事業における売上高は前年同期比0.3%減の59億37百万円となった。セグメント利益は、粘着付与剤の利益が減少したことにより前年同期比23.9%減の4億14百万円となった。
ハ.ガス関連事業
<LPガス販売業>
LPガス販売業においては、販売数量は概ね減少傾向となった。各部門の状況は以下のとおりである。
小売部門では、夏場の猛暑などによって家庭用を中心に単位消費量の減少が見られたものの、新規顧客の獲得と小売営業権買収による顧客軒数の増加や利幅の改善等により、利益は前年同期を上回った。卸売部門では、在庫評価の影響により、利益は前年同期を大きく下回った。
なお、2021年から世界的な電子部品の供給不足により、給湯器をはじめとした住宅設備機器の納期遅延が発生していたが、当事業年度に入り解消されている。
<天然ガス販売業>
天然ガス販売業においては、家庭用の需要は減少したものの、業務用・工業用は新規需要家の獲得により、販売数量は前年同期を上回った。しかしながら、調達先のコスト増加による仕入価格の上昇により、利益は前年同期を下回った。
以上の結果、ガス関連事業における売上高は、LPガスの販売価格の下落により前年同期比12.0%減の243億56百万円となった。セグメント利益は、卸売部門の在庫評価の影響によって利益が減少したことにより前年同期比64.8%減の2億70百万円となった。
ニ.航空関連事業
<航空燃料取扱業>
航空燃料取扱業においては、新型コロナウイルス感染症が5類へ移行したことや海外からの入国者に対する水際対策が緩和されたことに伴い、航空需要は好調に推移した。
羽田空港における航空需要は、国内線ではコロナ禍前の2019年度と概ね同水準で推移し、国際線では訪日外国人の増加により大幅に増加した。これにより、国内線と国際線を合わせた燃料取扱数量は、コロナ禍前の2019年度比で約15%の増加となった。
以上の結果、航空関連事業における売上高は、羽田空港における燃料取扱数量の増加により前年同期比61.5%増の94億60百万円となった。セグメント利益は43億56百万円(前年同期は11億30百万円のセグメント利益)となった。
ホ.その他事業
<その他>
その他事業においては、金属製品等の洗浄・表面処理業では、半導体市場の縮小に伴う半導体メーカーの生産調整等により、精密洗浄処理の受注が低調に推移し、売上高は前年同期を下回った。また、大型物件の受注が低調であったことから建設工事業の売上高も前年同期を下回った。
以上の結果、その他事業における売上高は、金属製品等の洗浄・表面処理業が低調に推移したことにより前年同期比18.6%減の24億34百万円となり、セグメント利益は前年同期比53.3%減の2億92百万円となった。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3億18百万円減少し464億29百万円となった。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は110億38百万円となった。これは主に、税金等調整前四半期純利益の計上によるものである。なお、獲得した資金は前年同期比54億95百万円増加している。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は45億95百万円となった。これは主に、有形固定資産の取得によるものである。なお、使用した資金は前年同期比18億16百万円増加している。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は67億60百万円となった。これは主に、配当金の支払いおよび自己株式の取得によるものである。なお、使用した資金は前年同期比35億43百万円増加している。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はない。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はない。
(5)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第2四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はない。
(6)研究開発活動
該当事項なし。