【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2023年1~9月)は、社会経済活動の正常化により、国内景気は緩やかに回復が進む一方で、国際的な情勢不安の長期化や物価上昇、金融資本市場の変動などの影響により、依然として先行き不透明な状況が続きました。
こうした中、第3四半期(7~9月)のマスク関連事業については、製造業の業績及び設備投資の回復に伴い産業用マスクの販売が引き続き堅調に推移したものの、感染対策用マスクの販売は2020年より拡大したコロナ感染対策による需要がほぼ収束し、予想通り平時の水準近くまで戻っています。また、環境関連事業においては、半導体分野の生産調整等の影響を受け、オープンクリーンシステム「KOACH」の大型機種の受注・納品の先送りが第3四半期も同様に続きました。
これらにより当累計期間における全事業の売上高は、ほぼ前年並みの73億93百万円(前年同四半期比0.4%増)となりました。
利益については、原材料価格や物流コスト等の上昇に対して全社を挙げた経費節減と生産性の向上に注力し、6月からは製品価格の一部改定を実施しましたが、コストアップによる減益分をカバーできず、営業利益6億31百万円(同14.7%減)、経常利益6億10百万円(同16.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益4億44百万円(同14.9%減)という結果に留まりました。
セグメント別の業績は以下の通りです。
なお、当社グループは報告セグメントを「マスク関連事業」と「その他事業(環境関連事業等を含む)」として開示してまいりましたが、前連結会計年度末より「環境関連事業」を独立して開示しております。以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
(マスク関連事業)
産業用マスクの販売は、産業活動の改善に伴いベース売上がコロナ禍前の水準近くまで回復していることに加え、新たな溶接規制に対応する事業現場へのサポート営業(情報提供、フィットテスト、最適マスクの紹介など)の効果が出始めています。一方、感染対策用マスクの販売数は、コロナ第8波の受注残分を5月に完納後、平常時の水準近くまで減少しましたが、第9波の発生で一時的に増加しました。
以上から当事業の売上高は65億21百万円(前年同四半期比2.3%増)となりました。
(環境関連事業)
オープンクリーンシステム「KOACH」は、半導体産業の停滞の影響を受け、大型機種の受注・納品の先送りが続きました。各方面への認知活動は着実に進み、研究施設が主要顧客である小型機種の販売台数は前年同期実績の5割増となるなど、一定の成果は得られておりますが、「KOACH」大型機種の減収分をカバーするには至らず、当事業全体としての売上高は5億96百万円(前年同四半期比21.9%減)に留まりました。
半導体産業は2024年には需要の回復が期待され、また各国政府が再投資を後押しすることも予想されており、半導体関連企業からの大型機種の投資検討、相談案件数は高い水準で維持できていることから、次年度以降については売上高増を見込んでおります。こうした中、当社グループは、2023年9月に半導体関連の企業進出が目覚ましい熊本県に「KOACH熊本ショールーム」を開設しました。今後も需要を掘り起こす対策型の提案営業に注力してまいります。
(その他事業)
内視鏡洗浄消毒装置「鏡内侍ⅡG」は徐々に販売数を増やし、当事業の売上高は2億75百万円(前年同四半期比21.7%増)となりました。
(2)財政状態の状況
(資産)
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、206億72百万円(前連結会計年度末205億68百万円)となり1億4百万円増加いたしました。これは主に、流動資産が現金及び預金の増加と受取手形及び売掛金の減少等により3億50百万円増加したことと、固定資産が建物及び構築物の減少と機械装置及び運搬具の減少等により2億45百万円減少したこと等によるものです。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、85億74百万円(前連結会計年度末87億49百万円)となり1億74百万円減少いたしました。これは主に、流動負債が未払法人税等の減少等により2億99百万円減少したことと、固定負債が長期借入金の増加等により1億24百万円増加したこと等によるものです。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、120億97百万円(前連結会計年度末118億18百万円)となり、自己資本比率は58.5%(前連結会計年度末57.5%)となりました。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分
析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はあ
りません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要
な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は5億58百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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