【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)及び(セグメント情報等) セグメント情報 2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法」に記載のとおりであります。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績2022年2月14日発表の「報告セグメント変更に関するお知らせ」にてお知らせしましたとおり、第1四半期連結会計期間からCROセグメントは廃止となり、国内ITと海外ITの2セグメントとなっています。
当連結会計年度(2022年1月1日~2022年12月31日)の売上高は、CRO事業子会社の連結除外が影響したものの、国内IT事業が既存事業を中心に堅調に推移したことや、円安の影響により海外IT事業の増収幅が拡大したこと等から前年度比0.1%増加の479億71百万円となりました。営業利益については、連結除外が大きく影響したこと、当連結会計年度より開始した中期経営計画に基づき新規事業創出のための投資を行ったこと等から、同13.8%減少の31億87百万円、経常利益は同13.9%減少の31億58百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同15.4%減少の20億93百万円となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりです。売上高につきましては、外部顧客への売上高を表示しています。
<国内IT> 中核子会社である株式会社シーエーシーを中心に、全業種において案件が堅調に推移したため、売上高は364億6百万円(前年度比8.4%増)となりました。セグメント利益については、中期経営計画に基づいた人員の増強や新規事業への投資、全社費用の配賦負担増等により24億76百万円(同4.1%減)となりました。
<海外IT> 売上高は、円安の影響やインドネシア子会社を中心に伸長したこと等から、115億65百万円(前年度比21.6%増)となりました。セグメント利益については、増収に加えインド子会社の利益回復等から7億11百万円(同134.5%増)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりです。a. 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称
当連結会計年度(自
2022年1月1日至
2022年12月31日)
前年度比(%)
国内IT(百万円)
28,061
9.2
海外IT(百万円)
8,308
17.5
合計(百万円)
36,370
0.9
(注) 金額は売上原価で表示しております。
b. 受注実績当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称
当連結会計年度(自
2022年1月1日至
2022年12月31日)
受注高
前年度比(%)
受注残高
前年度比(%)
国内IT(百万円)
37,540
8.7
9,435
12.1
海外IT(百万円)
11,971
20.4
3,836
11.8
合計(百万円)
49,512
△7.8
13,272
12.0
c. 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称
当連結会計年度(自
2022年1月1日至
2022年12月31日)
前年度比(%)
国内IT(百万円)
36,406
8.4
海外IT(百万円)
11,565
21.6
合計(百万円)
47,971
0.1
(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
相手先
前連結会計年度(自
2021年1月1日至
2021年12月31日)
当連結会計年度(自
2022年1月1日至
2022年12月31日)
金額(百万円)
割合(%)
金額(百万円)
割合(%)
アステラス製薬株式会社
5,918
12.3
5,993
12.5
② 財政状態(資産)当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて30億48百万円減少して、442億13百万円となりました。流動資産は29億54百万円増加して、247億58百万円となりました。主な変動要因は、現金及び預金が19億58百万円増加、受取手形、売掛金及び契約資産(前連結会計年度末は受取手形及び売掛金)が7億19百万円増加、有価証券が2億円増加したこと等によるものです。固定資産は60億2百万円減少して、194億54百万円となりました。主な変動要因は、のれんが2億41百万円増加した一方、保有資産の売却及び時価の減少により投資有価証券が60億80百万円減少、差入保証金が1億87百万円減少したこと等によるものです。
セグメント別の資産の状況は次のとおりです。<国内IT>セグメント資産は、事業収益に伴う現金及び預金の増加の影響等により、158億96百万円(前年度比4億16百万円増加)となりました。<海外IT>セグメント資産は、インドネシア子会社を中心に伸長した事業収益に伴う現金及び預金の増加や、売掛金の増加の影響等により、110億1百万円(前年度比19億79百万円増加)となりました。<全社資産>各報告セグメントに配分していない全社資産は、主に当社が有する資産であります。全社資産は、保有資産の売却及び時価の減少に伴う投資有価証券の減少の影響等により、173億15百万円(前年度比54億44百万円減少)となりました。
(負債)当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて9億49百万円減少して、149億12百万円となりました。流動負債は3億19百万円増加して、91億99百万円となりました。主な変動要因は、未払費用が1億2百万円増加、資産除去債務が2億97百万円増加した一方、賞与引当金が95百万円減少したこと等によるものです。固定負債は12億69百万円減少して、57億13百万円となりました。主な変動要因は、退職給付に係る負債が3億27百万円増加、資産除去債務が2億27百万円増加した一方、関係会社事業損失引当金が4億14百万円減少、繰延税金負債が13億99百万円減少したこと等によるものです。
(純資産)当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて20億98百万円減少して、293億円となりました。主な変動要因は、利益剰余金が、親会社株主に帰属する当期純利益により20億93百万円増加、剰余金の配当により10億14百万円減少したこと等により、10億90百万円増加、為替換算調整勘定が3億77百万円増加した一方、その他有価証券評価差額金が34億67百万円減少したこと等によるものです。
③ キャッシュ・フロー当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、26億25百万円の収入となりました(前連結会計年度比2億76百万円の収入減)。これは主に、税金等調整前当期純利益が36億6百万円、減価償却費が5億80百万円あった一方、関係会社事業損失引当金の減少額が3億94百万円、法人税等の支払額が12億94百万円あったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、5億91百万円の支出となりました(前連結会計年度は5億32百万円の収入)。これは主に、投資有価証券の売却による収入が15億26百万円あった一方、定期預金の増加額が13億70百万円、有価証券の増加額が2億円、投資有価証券の取得による支出が3億85百万円あったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、17億11百万円の支出となりました(前連結会計年度比12億19百万円の支出減)。これは主に、短期借入金の減少額が1億77百万円、配当金の支払額が10億20百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式等の取得による支出が3億48百万円あったこと等によるものです。 以上の結果、当連結会計年度末においては、現金及び現金同等物は前連結会計年度末比5億11百万円増加し、108億79百万円となりました。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成しております。その作成にあたっては、決算日における財政状態及び経営成績に影響を与える見積り、判断が必要になります。当社グループは、過去の実績又は現在の状況下で合理的と考えられる前提等に基づいて一貫した見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性が含まれるため、実際の結果が異なる場合があります。なお、新型コロナウイルス感染症は、収束時期等の見通しが不透明な状況であるものの、現時点では、それらが当社グループの連結財務諸表に与える影響について重要性は乏しいと仮定しております。当社グループが連結財務諸表の作成において採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。連結財務諸表等の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 経営成績の分析経営成績の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績」に記載のとおりであります。
③ 財政状態の分析財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態」に記載のとおりであります。
④ キャッシュ・フローの分析キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性当社グループは「世界をフィールドに先進のICTをもって新しい価値を創造する」ことで、持続的に成長し続ける企業グループとなることを目指しています。CAC Vision 2030の実現に向け、2022年度~2025年度までのフェーズ1においては、国内外における既存受託事業での安定した収益の確保と2026年度~2030年度までのフェーズ2に向けて継続的にデジタルプロダクト&サービスを生み出す仕組みの構築を行います。これらに必要な資金につきましては、基本的には営業活動によるキャッシュ・フローを源泉とする自己資金にて対応することを考えていますが、必要に応じ、資金調達(金融機関からの借入や各種社債の発行等)することも含めて対応してまいります。
⑥ 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、2022年度から始まるフェーズ1での中期経営計画の最終年度となる2025年度の数値目標を、売上高580億円、営業利益50億円、営業利益率8%以上、ROE10%以上としておりましたが、より内外資金を効率的に活用し成長するため、エクイティスプレッド2.5%以上、DOE5%を追加いたしました。
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