【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
第9期(2022年3月期)において行われた企業結合に係る暫定的な会計処理が前第3四半期連結会計期間に確定しております。当該暫定的な会計処理の確定に伴い、当第1四半期連結累計期間の要約四半期連結財務諸表に含まれる比較情報(前第1四半期連結累計期間)においても、取得原価の当初配分額の見直しが反映されており、前年同期との比較・分析にあたっては、当該見直しが反映された後の確定額に基づく金額を使用しております。
(1)経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、企業物価指数、消費者物価指数の上昇ペースは鈍化したものの依然として高止まりしており、実質賃金は低下傾向にあります。また、ウクライナ情勢は長期化していることから、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
当不動産業界におきましては、分譲戸建の新設住宅着工戸数は堅調に推移しているものの、物件価格が比較的低いエリアを中心として物件の割高感が増したことから、住宅需要に影響が出始めており、エリアによっては市中在庫に過剰感があります。また、住宅ローン変動金利は低水準を維持しているものの、今後の動向には注視していく必要があります。
このような状況のもと、当社グループは、第3次中期経営計画の最終年度として、引き続き基本戦略である「コア事業の競争力強化」と「事業ポートフォリオの拡大」に基づき事業を推進してまいりましたが、足元では事業環境の急激な変化への対応を優先し、エリアによる特性や保有在庫状況のバランスを注視しながら、土地仕入や販売価格対応を柔軟に行う等のきめ細かいエリア戦略の徹底を実施しております。
その結果、当第1四半期連結累計期間の売上収益は3,169億35百万円(前年同期比2.6%減)、営業利益は178億77百万円(前年同期比42.7%減)、税引前四半期利益は183億49百万円(前年同期比42.6%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は124億78百万円(前年同期比46.0%減)となりました。
セグメント別の業績は、以下のとおりであります。
セグメントの名称
件数
売上収益(百万円)
前年同期比(%)
一建設グループ
(区分)戸建分譲事業
2,174
65,307
△4.5
マンション分譲事業
71
2,622
△77.7
請負工事事業
352
8,727
6.8
その他
-
5,886
66.4
小計
2,597
82,545
△10.1
飯田産業グループ
(区分)戸建分譲事業
1,412
50,786
△1.0
マンション分譲事業
211
11,863
898.4
請負工事事業
43
1,356
△22.3
その他
-
2,447
△13.4
小計
1,666
66,454
16.5
東栄住宅グループ
(区分)戸建分譲事業
1,119
41,101
△12.4
マンション分譲事業
19
224
-
請負工事事業
37
3,481
44.3
その他
-
571
11.4
小計
1,175
45,379
△8.9
セグメントの名称
件数
売上収益(百万円)
前年同期比(%)
タクトホームグループ
(区分)戸建分譲事業
785
25,793
△14.3
マンション分譲事業
-
-
-
請負工事事業
10
376
53.0
その他
-
730
106.4
小計
795
26,900
△12.3
アーネストワングループ
(区分)戸建分譲事業
2,407
59,486
△5.1
マンション分譲事業
105
3,770
3.8
請負工事事業
72
2,313
4.5
その他
-
122
33.3
小計
2,584
65,692
△4.3
アイディホーム
(区分)戸建分譲事業
838
22,013
15.6
マンション分譲事業
-
-
-
請負工事事業
9
100
△68.2
その他
-
107
11.9
小計
847
22,221
14.2
その他(注)4
(区分)戸建分譲事業
1
9
△96.7
マンション分譲事業
3
86
△7.9
請負工事事業
-
101
1,975.2
その他
-
7,543
0.9
小計
4
7,741
△1.6
(区分計)戸建分譲事業
8,736
264,498
△5.1
マンション分譲事業
409
18,568
11.4
請負工事事業
523
16,457
8.9
その他
-
17,409
16.9
総合計
9,668
316,935
△2.6
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.戸建分譲事業には、戸建住宅のほか、宅地等が含まれます。マンション分譲事業には、分譲マンション(JV持分含む)のほか、マンション用地等が含まれます。請負工事事業には、注文住宅のほか、リフォームやオプション工事等が含まれます。
3.請負工事事業等の売上収益は、一定期間にわたり履行義務が充足されることに伴って認識される収益ですが、件数はいずれの区分も資産の引渡し件数を記載しております。
4.「その他」のセグメントは、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、ファーストウッドグループ及びRFPグループの木材製造事業等、ホームトレードセンター㈱及び当社の事業に係るもの等であります。
(2)財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は1兆7,636億30百万円となり、前連結会計年度末比で12億87百万円の減少となりました。これは主に、現金及び預金の減少485億68百万円、棚卸資産の増加536億35百万円及び営業貸付金及び営業未収入金の減少60億48百万円等によるものであります。
当第1四半期連結会計期間末の負債合計は8,013億29百万円となり、前連結会計年度末比で41億43百万円の増加となりました。これは主に、社債及び借入金の増加275億28百万円、営業債務及びその他の債務の減少99億33百万円、その他の金融負債の減少58億43百万円及び未払法人所得税等の減少68億27百万円等によるものであります。
当第1四半期連結会計期間末の資本合計は9,623億円となり、前連結会計年度末比で54億31百万円の減少となりました。これは主に、剰余金の配当126億99百万円に対し、四半期利益123億7百万円を計上したこと等によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は3,914億30百万円となり、前連結会計年度末比で484億58百万円の減少となりました。
当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は532億70百万円(前年同期は724億61百万円の使用)となりました。
これは主に、税引前四半期利益183億49百万円、棚卸資産の増加額553億29百万円及び法人所得税の支払額181億86百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は58億25百万円(前年同期は107億97百万円の使用)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出54億39百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は105億96百万円(前年同期は1億19百万円の使用)となりました。
これは主に、借入金の増加279億70百万円、自己株式の取得による支出46億2百万円及び配当金の支払額126億20百万円があったことによるものであります。
(4)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間のグループ全体の研究開発費は124百万円であります。
研究開発の主な内容は以下のとおりであり、主に報告セグメントに帰属しない当社において発生した研究開発費であります。
研究開発の機能強化を図り、飯田グループの将来に向けた技術開発及び海外向け工法開発等を担う次世代技術開発室と、飯田グループの戸建住宅の品質向上や人生100年時代に向けた70年住宅の開発等を担うテクノロジーセンターで役割を分担しております。
① 次世代技術開発室
(ⅰ)IGパーフェクトエコハウスの研究開発
当社は「水素社会」実現に向け、独自の人工光合成技術により、二酸化炭素と水、または二酸化炭素由来の有機物から蟻酸を生成・貯蔵し、更にこの蟻酸から生成した水素により発電した電気で家庭の電力を賄う住宅「IGパーフェクトエコハウス」の研究開発を行っております。
先般、沖縄県宮古島市のシーウッドホテル敷地内に建設した「IGパーフェクトエコハウス」研究棟に試験機器等を導入し、実証実験の開始を予定しております。
2024年の技術確立を目指し、大阪公立大学との共同研究を推進、現在、蟻酸及び水素生成効率の向上や、発電機構の構築、装置の耐久性向上等に取り組んでおります。
(ⅱ)海外向け独自工法の開発と活用
日本とは異なる高温多湿な地域での住宅建築向けに開発した「IGストロングCB工法」のインドネシアでの活用を開始し、現在、ブロックのスリム化や建築工程の削減等、インドネシア住宅建築への適合性向上を目的とした改善活動を行っております。
本工法に関する特許が日本、米国、ロシア、フィリピン、インドネシア、タイ、マレーシアにて登録されました。
(ⅲ)ウエルネス・スマートハウス研究
当社は当社グループの飯田産業に委託して、大阪公立大学と、未来型住宅:ウエルネス・スマートハウスの実現を目指し、『スマートライフサイエンスラボ』を開設し、共同研究を実施しております。共同研究部門は、大阪公立大学健康科学イノベーションセンター(グランフロント大阪内)に設置。共同研究ラボ『スマートライフサイエンスラボ』は、阿倍野キャンパス医学部内に開設し、共同研究を行っております。
ウエルネス・スマートハウスとは、AIウエルネスドクターが生活空間で個人の健康データを収集し、AIなどで解析することにより適切な健康アドバイスを行ない、AIウエルネストレーナーがAIウエルネスドクターの指示のもと、オーダーメイドの運動プログラム等を作成して未病の改善につなげる、また、AIバトラー(執事)が、日々の生活・食事のアドバイスだけでなく、住まい手が必要な時に適切な情報を提供するなど、ライフステージやライフスタイルに応じ、健康に豊かに暮らすことのできる未来の住空間です。
また、本研究は企業の健康経営にも寄与します。
そして、本研究の成果は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)にパビリオン出展する『飯田グループ HD × 大阪公立大学共同出展館』で発表をする予定です。
なお、本研究に関して1件の特許を取得いたしました。加えて4件の特許を出願しております。
② テクノロジーセンター
(ⅰ)建物技術開発
a.独自工法の開発
グループ全体の生産力向上を目的として、住宅の骨格となる構造躯体を部材単位(柱、梁等)から合理化・簡素化・統一化を図ることによる構造躯体の共通化に取り組んでおります。
また、LVL材(単板積層材)を活用することによるウッドショック問題対応や、環境負荷軽減への取り組みを考慮した新たな在来工法の基準となる工法開発を検討しております。
b.環境負荷軽減技術の開発と活用(ESG対応)
再生エネルギー活用方法の検討や建物断熱性能の見直しなどにより、住宅の省エネルギー化を図ります。また、災害時のライフライン確保や住宅の生涯にわたりCO2の発生を抑える仕組みを構築することによる環境負荷軽減への取り組みを検討しております。
(ⅱ)70年住宅の確立
人生100年時代に適応した良質な高耐久住宅を実現するため、建物性能(耐震・耐風・省エネ)の研究開発に加え、建物のランニングコストを抑える試みとして、長寿命資材の導入によるメンテナンス期間の長期化など、住宅の長期保証(70年)を実現するメンテナンス体制の構築を検討しております。
