【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、社会経済活動を維持しながら感染拡大を防止する「ウィズコロナ」への段階的な移行が進み、景気回復への期待が高まる一方で、ウクライナ情勢をはじめとした国際情勢の緊迫化やエネルギー価格・原材料価格の高騰、さらには、世界的な金融引締めに伴う急激な円安の進行などにより、国内経済の先行きは不透明な状況にあります。
また、当社グループが関連する上水道・下水道業界及び住宅機器関連業界につきましては、政府による住宅取得支援策や低金利の継続が住宅購入層の購買意欲を支えている状況にありますが、住宅資材価格高騰や将来的な住宅ローン金利の上昇懸念などから、当社の業績に大きな影響を及ぼす戸建て住宅の新設住宅着工戸数は減少傾向にあり、厳しい状況にあります。
このような状況の中、当社グループは、急速に変化する市場環境に柔軟に対応しつつ、中期経営計画「Look Forward 2023」で掲げた3つの施策「成長ドライバーの創出」「事業基盤整備」「ESGを意識した取り組み」を推進してまいりました。主な成果としましては、「成長ドライバーの創出」の一環として、管工事を中心に各種公共工事に強みをもつ、常陽水道工業株式会社を2022年10月31日付で子会社化いたしました。当社の「水・環境エンジニアリング」セグメントにおいて、お互いの技術・ノウハウの融合や、それぞれが得意とする公共事業・民間事業への取り組みを進めることで、事業基盤の強化と収益力の向上に努めてまいります。また、当社は、中長期的なビジョンとして、当分野を「第2の柱となる事業」へ成長させることを視野に入れ、「水のマエザワ」ブランドの強化をはかってまいります。
当第3四半期連結累計期間における業績につきましては、ナフサ価格の高騰に伴い塩ビ樹脂をはじめとした各種原材料価格の値上げの影響は受けたものの、製品価格への転嫁を進めたことや製造部門において製造原価上昇を軽減すべく対策を講じたことなどにより、全般的には堅調に推移いたしました。
この結果、売上高は174億91百万円(前年同期比7.9%増)、営業利益14億48百万円(同47.9%増)、経常利益16億77百万円(同38.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益10億72百万円(同33.9%増)となりました。
各セグメントの経営成績は、以下のとおりであります。
なお、当第3四半期連結会計期間より報告セグメントの変更を行っております。詳細は、「第4 経理の状況1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載しております。
①管工機材
管工機材事業につきましては、主要原材料である塩ビ樹脂価格をはじめとした各種原材料価格が高止まりしていることに加え、電力費高騰の影響も受けている状況にはありますが、これらの原価上昇の影響額を軽減するため、製品価格への転嫁を進めたことなどにより、売上高は前期を上回りました。
また、利益面につきましても売上の増加に加え、原材料価格の動向を踏まえた生産、在庫の積み増しを戦略的に行うなど、製造部門においても製造原価上昇に対する対策を講じた他、全社で経費の抑制に努めたことなどにより前期を上回る結果となりました。
以上により、売上高は159億30百万円(前年同期比9.9%増)、セグメント利益15億65百万円(同49.3%増)となりました。
②水・環境エンジニアリング
水・環境エンジニアリング事業につきましては、民間事業を中心として、お客様の水処理における「業務の効率化」「環境保護」を目的とした多様な水処理システムの提案・施工を行うとともに、主に公共事業に関連した給排水衛生設備・ポンププラントなど、各種工事の施工を行ってまいりました。公共工事については、ポンププラントを中心に安定した受注が獲得できておりますが、水処理システムの工事案件の受注が低迷した影響により、売上高は前期を下回る結果となりました。
以上により、売上高は7億82百万円(前年同期比8.1%減)、セグメント損失47百万円(前年同期は48百万円のセグメント損失)となりました。
③各種プラスチック成形
各種プラスチック成形事業につきましては、コロナ禍による規制緩和に伴い一時は回復の兆しも見受けられましたが、受注の戻りはまだまだ鈍く売上高は低調に推移いたしました。
一方、利益面につきましては、電力費の高騰などにより経営環境は引き続き厳しい状況にはあるものの、収益基盤の見直しのため前期末に実施した固定資産の減損処理によって償却費負担が減少したことや徹底した生産の合理化、経費の削減に努めたことで黒字転換いたしました。
以上により、売上高は9億3百万円(前年同期比1.0%増)、セグメント利益18百万円(前年同期は31百万円のセグメント損失)となりました。
当第3四半期連結会計期間末の資産は、前連結会計年度末と比べ5億89百万円増加し、458億60百万円となりました。これは主として、売上債権及び棚卸資産の増加等によるものであります。
負債は、前連結会計年度末と比べ1億72百万円増加し、79億21百万円となりました。これは主として、仕入債務の増加等によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末と比べ4億17百万円増加し、379億39百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する四半期純利益を計上したこと等によるものであります。
(2) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループで優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に、重要な変更又は新たに発生した事項はありません。
(5) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発費の総額は、2億24百万円であり、2022年12月31日現在における国内外の産業財産権の総数は、223件であります。なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況において重要な変更はありません。