【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 事業全般の概況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、一部に弱さがみられるものの、個人消費は緩やかに持ち直しています。コロナ禍での行動制限が大きく緩和され、ウィズコロナの下で景気が持ち直していくことが期待されています。また、中国をはじめとした世界経済も緩やかな持ち直しが続いた一方で、世界的な金融引締め等による影響や、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響など、その先行きについては不透明な状況にあります。
このような状況の中、当社グループは、2023年2月に「第8次中期経営計画(2023年12月期~2025年12月期)」を発表しました。グローバルで急速に変化し続ける事業環境に柔軟に対応し、サステナブルな成長を確かなものとするため、3つの基本戦略(ブランド戦略、基幹商品戦略、地域戦略)の実行による既存事業領域での持続的な成長に加え、自社の知見が活用できる新たな成長領域の探索・育成にも注力することで、事業構造の再構築を積極的に行ってまいります。そして、当社の存在意義である「赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にします」の実現に向けて、各施策の実行に取り組んでまいります。
当第1四半期連結累計期間においては、売上高は中国事業およびランシノ事業が牽引したことに加え、円安の影響等もあり236億13百万円(前年同期比8.7%増)となりました。利益面においても、増収による利益増に加え、売上総利益率が前期比で0.4ポイント改善したことなどもあり、営業利益は34億4百万円(同13.7%増)、経常利益は37億91百万円(同4.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は24億38百万円(同6.9%減)となりました。
なお、当第1四半期連結累計期間の海外連結子会社等の財務諸表項目(収益及び費用)の主な為替換算レートは次のとおりです。
・米ドル:132.39円(116.35円)
・中国元: 19.33円( 18.32円)
注:( )内は前年同期の為替換算レート
② セグメント別の概況
当社グループの報告セグメントは、「日本事業」、「中国事業」、「シンガポール事業」、及び「ランシノ事業」の計4セグメントとなっております。各セグメントにおける概況は以下のとおりです。
<日本事業>
当事業は、「ベビーケア」、「子育て支援」、「ヘルスケア・介護」等で構成されております。当事業全体の売上高は88億73百万円(前年同期比0.3%増)、セグメント利益は4億39百万円(同19.1%減)となりました。
ベビーケア(育児及び女性向け用品)の売上高は、ベビーフードや飲料、おしりふき等の一部の消耗品は好調に推移した一方で、基幹商品である哺乳器は、昨年2月に行った哺乳びんシリーズ「母乳実感®」のリニューアルによる初回出荷の反動もあり前年同期を下回りましたが、国内の哺乳器の金額市場シェアは80%以上と圧倒的な地位を維持しています。ベビーケアにおいては、2月より、妊娠中から産後にデリケートゾーンのお悩みを抱える女性向けに開発した新シリーズ「ME. by Pigeon(ミーバイピジョン)」全5品を当社オンラインショップ等にて発売した他、哺乳びんの洗浄・除菌が一度にできる「洗える除菌料 ミルクポン W」などの新商品を発売しました。なお、2023年2月より、哺乳器・乳首を含むベビー関連用品の一部商品において価格改定を実施しました。(ベビーカーなどは3月より価格改定を実施)
また、ダイレクト・コミュニケーションの一環として、当社商品の特徴をお客様と直接やり取りしながら分かりやすく紹介するための「インスタライブ」を不定期で開催し、アーカイブ視聴を含め合計15,000人以上の方にご視聴いただいたほか、「ピジョンインフォ(ウェブサイト)」においては、子育てのお困りごとや不安を解消するための情報発信や商品紹介などのコンテンツ拡充を継続的に行っていく事で、お客様とのエンゲージメント強化に取り組んでいます。
ヘルスケア・介護用品については、2月より、トイレットペーパーを流せるおしりふきに変えるスプレー「ラクラクおしりキレイミスト」を全国の介護用品専門店、ドラッグストア、オンラインストアにて発売しました。また、ヘルスケア・介護関連商品の一部商品においても、2023年2月より価格改定を実施しました。
子育て支援については、当第1四半期連結累計期間において事業所内保育施設等63箇所にてサービスを展開しており、今後もサービス内容の質的向上を図りながら事業を展開していきます。
<中国事業>
当事業の売上高は86億円(前年同期比9.0%増)、セグメント利益は26億69百万円(同5.4%増)となりました。
中国本土においては、2022年12月の「ゼロコロナ政策」解除後、12月~1月上旬にかけて各地で感染者が爆発的に増加したことにより、顧客の消費行動や当社の事業活動も引き続き影響を受けましたが、その後の回復等もあり、現地通貨の売上高は前年同期並みとなりました。商品群では基幹商品である哺乳器・乳首、スキンケアを中心に売上高が伸長しており、哺乳器においては主力モデルである「自然実感」シリーズの追加モデルを発売した他、スキンケアでは2022年下期より発売した3歳以上のお子様を対象としたキッズ向け商品が堅調に推移しました。また、SNSやライブ配信等のデジタルマーケティングを積極的に活用する事に加え、実店舗での店頭販売促進や病産院活動等の強化も引き続き実施し、安定的な事業拡大に向けた取り組みを進めています。
また、当事業が管轄する韓国においては、当期より国内の流通体制を見直し、現地販売子会社を起点とした新規顧客の獲得および既存顧客のさらなる深耕による販売力・マーケティング力強化に取り組んでいます。
<シンガポール事業>
当事業の売上高は34億91百万円(前年同期比13.8%増)、セグメント利益は6億6百万円(同17.8%増)となりました。
当事業が管轄するASEAN地域及びインドでは、売上高は一部で前年の高伸長から一服感が見られたものの、シンガポールからの輸出を中心とした出荷遅延の解消や為替影響等もあり、前年同期を上回りました。引き続き、上位中間層以上のお客様をターゲットとした商品の開発・投入を推進するとともに、当社ブランドの市場浸透を目指して積極的な営業・マーケティング活動を展開していきます。
<ランシノ事業>
当事業の売上高は45億38百万円(前年同期比27.8%増)、セグメント利益は3億47百万円(同106.6%増)となりました。
主力市場である北米における現地通貨の売上高は、前年から引き続き堅調に推移しております。商品群では主要取引先からの受注タイミングの影響等で、乳首クリームやさく乳器が前年同期を下回った一方、米国内での粉ミルクの供給不足の影響等もあり母乳保存バッグの売上高が前年同期比で伸長したほか、産前・産後ケア商品も前年を上回る進捗で推移しました。
利益においては、増収の影響や商品ミックスの変化による総利益率の改善などもあり、前年同期を上回りました。足元の海上輸送費は値下がり傾向にあるものの、過年度からの在庫消化もあったため、当四半期への寄与は限定的となっています。
引き続き、主力商品である母乳育児関連商品の拡充に加え、「産前・産後ケア商品」などの新規カテゴリを含め、Eコマース強化やブランド強化等の取り組みを進めていきます。
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における資産の残高は1,010億34百万円となり、前連結会計年度末と比べ6億99百万円の減少となりました。流動資産は25億62百万円の減少、固定資産は18億62百万円の増加となりました。
流動資産の減少の主な要因は、商品及び製品が17億44百万円、受取手形及び売掛金が13億63百万円増加したものの、現金及び預金が62億41百万円減少したことによるものです。
固定資産の増加の主な要因は、有形固定資産のその他が19億10百万円、投資その他の資産が3億9百万円増加したことによるものです。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における負債の残高は224億25百万円となり、前連結会計年度末と比べ6億44百万円の増加となりました。流動負債は11億58百万円の増加、固定負債は5億14百万円の減少となりました。
流動負債の増加の主な要因は、その他流動負債が3億97百万円減少したものの、未払法人税等が5億86百万円、支払手形及び買掛金が4億79百万円増加したことによるものです。
固定負債の減少の主な要因は、その他固定負債が5億8百万円減少したことによるものです。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産の残高は786億8百万円となり、前連結会計年度末と比べ13億43百万円の減少となりました。
純資産の減少の主な要因は、為替換算調整勘定が6億69百万円増加したものの、利益剰余金が21億37百万円減少したことによるものです。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
① 経営方針
当社グループでは、社員一人ひとりが大切にする企業理念として「Pigeon DNA・Pigeon Way」を設定しております。「Pigeon DNA」は経営理念と社是で構成され、ピジョンの核であり、この先も貫いていくものです。「Pigeon Way」は、存在意義、基本となる価値観、行動原則で構成されており、私たちの“心”と“行動”の拠り所であり、すべての活動の基本となる考え方です。
私たちピジョングループは、Pigeon Wayの軸である存在意義(赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にします)の実現に向けて、5つの重要課題(マテリアリティ)を設定し、事業活動を行うすべての国・地域において、環境負荷を減らし、赤ちゃんとご家族を取り巻く社会課題の解決をすること、さらに新しいビジネスにも挑戦することで、社会になくてはならない存在として持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。
② 事業環境
当社グループを取り巻く事業環境は、コロナ禍を経て大きく変化しております。人々の生活様式や価値観の変化はもちろん、人々の将来に対する不安が増大し、世界各地で一時的な出生数の急減が見られました。また、赤ちゃんやそのご家族を取り巻く子育て環境も大きく変化したことで、育児用品に対するニーズや購買行動も急速に変化しております。
一方、当社グループにおける主要市場の一角を担う中国は、経済力や出生数規模からも依然巨大市場であり、ブランド力向上や顧客ニーズへの柔軟な対応等による事業伸長余地が大きく、またアジア各国やその他新興国においても、中長期的には経済成長に伴う消費の拡大、またEコマースの浸透・発達が見込まれること等により、成長が十分期待できるものと考えております。
③ 経営戦略
このような環境の中、当社グループは2023年2月より「第8次中期経営計画(2023年12月期~2025年12月期)」を発表し、グローバルで急速に変化し続ける事業環境に柔軟に対応し、サステナブルな成長を確かなものとするため、下記に示す3つの基本戦略を着実に実行してまいります。また既存事業領域での持続的な成長はもとより、自社の知見が活用できる新たな成長領域の探索・育成にも注力することで、事業構造の再構築を積極的に行ってまいります。
1.ブランド戦略:
存在意義を企業活動の軸とし、商品を通じたブランド力向上に注力する。
2.商品戦略:
ものづくりを強化し、自社の優位性を活かせる哺乳器・乳首、ベビースキンケアへの集中と新規領域の探索を行う。
3.地域戦略:
各事業での自己完結体制を強化し、市場特性に合わせた生産・販売体制の革新による効率化や収益性改善、サプライチェーンの安定化、新規市場への拡大準備を積極的に行う。
既存事業領域においては、自社の優位性・競争力を活かせる基幹商品として、特に哺乳器・乳首、ベビースキンケアカテゴリをさらに強化するべく、ライフスタイル提案、新素材の検討、環境やローカルニーズへの対応など、ポストコロナの社会変化に沿った製品・サービスの充実を図ります。合わせて、各事業における各種商品・販売戦略の抜本的な見直しやサプライチェーン改善等の構造改革の実行によって、持続的な成長を目指してまいります。
一方、当社グループが未参入、かつ自社優位性の応用が期待できる領域として、顧客ターゲットの拡張につながるキッズ向け商品(エイジアップ)や、顧客親和性の高い女性ケア商品などをはじめとする新規商品カテゴリの創出・育成や、アフリカ地域をはじめとした新規市場への参入なども積極的に検討することで、次世代の成長を担う新規領域の探索・育成にも注力してまいります。
加えて、当社グループ全体を統括するグローバルヘッドオフィス(GHO)の機能は引き続き強化するとともに、事業の運営と成長を担う4つの事業部門(日本事業、中国事業、シンガポール事業およびランシノ事業)の役割と責任を明確にし、相互に連携することで、事業の永続的な成長およびコーポレートガバナンス等の経営基盤の強化を図ってまいります。
なお、当社グループにおける事業継続計画につきましては、既に構築されておりますグローバルリスクマネジメント体制をより一層充実させてまいります。また、当社では、Pigeon ESG/SDGs基本方針を設定し、環境(E)、社会(S)およびガバナンス(G)の観点から持続可能なオペレーションを追求するとともに、製品やサービスの提供による新たな価値の創造により、SDGsに代表される社会課題の解決に貢献すべく事業活動を展開してまいります。
(4)優先的に対応すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はなく、また、新たな発生もありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は、8億71百万円です。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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