【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第1四半期連結累計期間(2023年4月1日から6月30日まで)において、世界株式市場は、ロシア問題などいくつかの問題点が残っているものの、株式市場はおおむね堅調な動きとなりました。米国株式市場は、一部の大手テクノロジー銘柄が大きく上昇し、相場全体を牽引する展開となりました。国内株式市場は、金融緩和政策の継続、日本企業のガバナンス改革への期待、円安の進展や米著名投資家による日本株への追加投資意向の報道等により、海外投資家の買いが続き大幅に続伸しました。3ヶ月間の日経平均株価の上昇率は18%(TOPIXは14%)を超え、バブル崩壊後の高値を更新しました。一方で、新型コロナウイルス感染症が5月に感染症法上の位置づけが「5類感染症」に移行したこともあり、外食や宿泊などのインバウンド需要が回復しています。また消費者物価指数も前年同月比で9ヶ月連続で3%超上昇し、インフレが進行しています。アジア株式市場は、米国と欧州中銀の利上げ継続に伴うアジア通貨安と各国の輸出減少を背景に株価軟調の状況が続きました。その中で、中国は昨年実施したゼロコロナ政策の反動で主要経済指標が持ち直しましたが、不動産市況や国内消費が依然軟調で景気弱含みの展開が続いています。また、ASEANでは各国のインフレ率の伸びが軒並み鈍化し、金融引き締めを見直す局面に来ているものの、その一方で輸出が減少するなど景気減速懸念が出始めています。インドネシアとタイ、フィリピンなど主要国の株式市場は軟調に推移し、ベトナムは他国に先んじて連続利下げを実施し、VN指数は3ヶ月間で5.2%上昇しました。
このような状況のもと、当社グループは、「より多くの人に証券投資を通じ より豊かな生活を提供する」という経営理念の下、資産形成ビジネスの確立に向けて取り組んでおります。当社グループにおきましては、新型コロナウイルス感染症の5類移行を機にお客様の要望に応じた対面でのコミュニケーション活動を再開しています。今期で2期目となる中期経営計画「Define Next 100~もっとお客様のために~」は、引き続き、投資初心者層や年齢の若い資産形成層をターゲットにし、また、IFA(金融商品仲介業者)との協働活動により当社グループの顧客基盤を徐々に広げながら、より積極的なコミュニケーション活動を展開しております。当社グループの子会社においては、証券事業を営むアイザワ証券株式会社が4月に青森山田高等学校(青森県青森市)と包括連携協定を締結しました。同校とは金融教育や起業家教育等の人材育成にとどまらず、地域経済活性化をはじめとした地方創生に取り組んでまいります。また、6月には第二種金融商品取引業務を開始しました。これにより当社グループ子会社のあいざわアセットマネジメント株式会社が組成する金融商品の取扱いが可能となり、多様化する投資家の運用ニーズに応えてまいります。包括的業務提携先である株式会社西京銀行とは、アイザワ証券株式会社において4月に会社分割(簡易吸収分割)契約を締結しました。これによりアイザワ証券株式会社は株式会社西京銀行の登録金融機関業務にかかる顧客の証券口座に関する権利義務を同行より承継(効力発生日:2023年11月22日予定)します。また、5月には銀証共同店舗の6店舗目となる岩国支店を開設しました。同行とは、引き続き徹底的なお客様目線でお客様の資産形成を支援してまいります。金融商品仲介事業を営むライフデザインパートナーズ株式会社は、6月にアイザワ証券株式会社と共にMS&ADインシュアランス グループのあいおいニッセイ同和損害保険株式会社、三井住友海上あいおい生命保険株式会社と金融ワンストップサービスの提供による顧客提供価値向上に向けた協業を開始しました。アイザワ証券株式会社の証券総合口座保有者向けに生命・損害保険の案内を行い、証券や保険商品を活用した複合的な資産形成の提案を行い、更なる顧客提供価値向上を目指してまいります。これからも当社グループは、各グループ子会社がそれぞれの強みを発揮し、連携した活動により総合金融サービスグループを目指してまいります。
当第1四半期連結累計期間における業績の内訳は次のとおりです。
①経営成績の状況(受入手数料) 株式委託取引の増加等により、受入手数料は29億83百万円(前年同期比48.4%増)となりました。(トレーディング損益) 外国株式国内店頭取引の増加等により、トレーディング損益は12億67百万円(同126.2%増)となりました。(金融収支) 金融収益は1億27百万円(同36.0%増)、金融費用は24百万円(同39.0%増)となり、差引金融収支は1億2百万円(同35.3%増)となりました。(その他の営業収益・その他の営業費用)営業投資有価証券売上高の増加等により、その他の営業収益は2億9百万円(同158.0%増)となりました。営業投資有価証券売上原価の減少等により、その他の営業費用は41百万円(同19.7%減)となりました。(販売費・一般管理費) 取引関係費及び人件費の増加等により、販売費・一般管理費は39億58百万円(同6.8%増)となりました。(営業外損益) 営業外収益は受取配当金2億18百万円等により2億79百万円、営業外費用は支払利息9百万円等により13百万円となりました。これにより営業外損益は2億65百万円(同3.2%減)の利益となりました。(特別損益) 特別利益は投資有価証券売却益1億55百万円等により1億56百万円、特別損失は減損損失14百万円等により15百万円となりました。これにより特別損益は1億40百万円の利益となりました。
以上により、当第1四半期連結累計期間の営業収益は45億88百万円(同67.1%増)、営業利益は5億64百万円、経常利益は8億30百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は7億34百万円となりました。
②セグメントごとの経営成績の状況(証券事業)当第1四半期連結累計期間における証券事業は株式委託取引及び外国株国内店頭取引の増加等により、受入手数料及びトレーディング損益が増加し、営業収益は43億26百万円(前年同期比65.6%増)、セグメント利益は4億39百万円となりました。(運用事業)当第1四半期連結累計期間における運用事業は運用報酬の増加により、営業収益は56百万円(同1.9%増)、一方で不動産関係費等の販売費・一般管理費の増加により、セグメント損失は57百万円となりました。(投資事業)当第1四半期連結累計期間における投資事業は営業投資有価証券売上高の増加により、営業収益は2億17百万円(同144.6%増)となり、セグメント利益は1億32百万円となりました。
なお、上記のセグメント別営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高が含まれております。
③財政状態の状況
(資産の状況)
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は1,126億46百万円と、前連結会計年度末に比べ138億10百万円の増加となりました。主な要因は、現金・預金82億14百万円の増加、預託金42億52百万円の増加によるものです。
(負債の状況)
当第1四半期連結会計期間末の負債合計は568億93百万円と、前連結会計年度末に比べ120億88百万円の増加となりました。主な要因は、預り金93億16百万円の増加、受入保証金10億40百万円の増加によるものです。
(純資産の状況)
当第1四半期連結会計期間末の純資産合計は557億53百万円と前連結会計年度末に比べ17億22百万円の増加となりました。主な要因は、その他有価証券評価差額金14億6百万円の増加によるものです。
(2) 経営方針・経営戦略等当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し当社グループの中核事業が金融商品取引業であることから、営業収益は国内外の金融商品取引市場の変動に大きく影響を受けます。このため、当社グループの経営成績は金融商品取引市場の環境により大きく変動する可能性があります。
#C8708JP #アイザワ証券グループ #証券商品先物取引業セクター