【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
前第2四半期
連結累計期間
(百万円)
当第2四半期
連結累計期間
(百万円)
増減額
(百万円)
増減率
(%)
売上収益
52,200
53,927
1,726
3.3
自動車部品事業
23,993
26,270
2,277
9.5
産業資材事業
18,586
18,518
△68
△0.4
高機能エラストマー製品事業
7,539
6,932
△607
△8.1
その他
2,449
2,634
185
7.6
調整額
△368
△427
△59
-
コア営業利益(セグメント利益)(△は損失)
3,648
3,758
109
3.0
自動車部品事業
1,535
1,820
285
18.6
産業資材事業
1,898
1,896
△2
△0.1
高機能エラストマー製品事業
241
△76
△317
-
その他
△12
△47
△34
-
調整額
△14
164
178
-
営業利益
4,371
4,515
144
3.3
親会社の所有者に帰属する四半期利益
3,568
3,671
102
2.9
(注)コア営業利益(△は損失)は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
当第2四半期連結累計期間における世界経済は、中国においては、内外需要がともに低迷し、景気が引き続き減速いたしました。欧州でも、エネルギー価格の高騰による原材料価格の上昇や外需の不調を受けて、景気の低迷が継続いたしました。また、アジア地域においても、海外需要の回復の鈍さを受け、外需依存度の高い国を中心に、景気の減速が続きました。一方、米国においては、個人消費や輸出の増加などから、景気は堅調に推移いたしました。日本でも、飲食などのサービス分野のリバウンド需要に加え、所得環境の改善に支えられた個人消費の回復がけん引する形で、景気は緩やかな回復が継続いたしました。
当社グループの主要な市場である自動車分野におきましては、半導体不足に伴う供給制約の緩和が継続したことなどもあり、各国の自動車生産台数が総じて前年度を上回る状況で推移いたしました。
このような状況のなか、当社グループは、中長期経営計画“Creating New Value for the Future”の第1ステージの1年目として、「価値創造」、「スマートものづくり創造」、「未来に向けた組織能力の進化」の3つの指針を掲げ、人と社会を支え、今と未来をつなぐBEST PARTNERであり続けるために活動してまいりました。当社は、グローバルインデックスプロバイダーであるFTSE Russellにより構築された環境、社会、ガバナンス(ESG)の対応に優れた日本企業で構成されるインデックス「FTSE Blossom Japan Index」の構成銘柄に初めて選定されました。
これらの結果、当第2四半期連結累計期間は、売上収益は53,927百万円(前年同期比3.3%増)、コア営業利益は3,758百万円(前年同期比3.0%増)、営業利益は4,515百万円(前年同期比3.3%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は3,671百万円(前年同期比2.9%増)となりました。
事業(セグメント)別の状況は、次のとおりであります。
[自動車部品事業]
国内においては、自動車生産台数の回復にともない、補機駆動用伝動ベルト(リブエース®など)の販売が増加いたしましたが、当社製品採用車種の減少により補機駆動用伝動システム製品(オートテンショナなど)の販売が減少しました。
海外においては、中国で景気減速の影響は受けつつも、自動車生産台数は前年度を上回る状況で推移し、補機駆動用伝動ベルトなどの販売が増加し、欧米においても補修市場向け製品の販売が増加しました。また、アジア地域においても、四輪・二輪車メーカーの生産は総じて回復傾向にあり、補機駆動用伝動ベルト、補機駆動用伝動システム製品およびスクーター用変速ベルトなどの販売が増加いたしました。
これらの結果、当セグメントの売上収益は26,270百万円(前年同期比9.5%増)、セグメント利益は1,820百万円(前年同期比18.6%増)となりました。
[産業資材事業]
一般産業用伝動ベルトにつきましては、国内においては、民間設備投資の減少により産業機械用伝動ベルトの販売が減少いたしました。海外においては、欧米において産業機械用伝動ベルトの販売が増加いたしましたが、中国・アジアにおいて農業機械用伝動ベルトの販売が減少しました。
運搬ベルトにつきましては、国内においてコンベヤベルトおよび樹脂コンベヤベルト(サンライン®ベルト)の販売が増加いたしました。
これらの結果、当セグメントの売上収益は18,518百万円(前年同期比0.4%減)、セグメント利益は1,896百万円(前年同期比0.1%減)となりました。
[高機能エラストマー製品事業]
機能フイルム製品につきましては、国内において非住宅関連の需要が停滞したこともあり、建築資材用および工業用フイルムの販売が減少いたしました。
精密機能部品につきましては、高機能ローラおよびブレードなどの販売が減少いたしました。
これらの結果、当セグメントの売上収益は6,932百万円(前年同期比8.1%減)、原材料調達価格の高騰の影響もありセグメント損失は76百万円(前年同期はセグメント利益241百万円)となりました。
[その他事業]
その他の事業といたしましては、ロボット関連デバイス事業、電子資材事業および医療機器事業などを行っており、売上収益は2,634百万円(前年同期比7.6%増)、セグメント損失は47百万円(前年同期はセグメント損失12百万円)となりました。
上記の各セグメント別売上収益およびセグメント利益または損失は、セグメント間取引消去前の金額で記載しております。
(2)財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ4,407百万円増加し、123,379百万円となりました。これは主に、営業債権及びその他の債権および有形固定資産が増加したことなどによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ1,635百万円減少し、39,323百万円となりました。これは主に、社債及び借入金が減少したことなどによるものです。
資本は、前連結会計年度末に比べ6,042百万円増加し、84,055百万円となりました。これは主に、その他の資本の構成要素が増加したことなどによるものです。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末の65.3%から67.9%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、期首残高に比べ6百万円減少し、16,763
百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその主な増減要因は、以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期と比べ4,193百万円収入が増加し、7,019百万円の収入超過となりました。これは主に、棚卸資産などの運転資本の増加額および法人所得税の支払額が減少したことに加え、法人所得税の還付額が増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期と比べ55百万円支出が減少し、2,142百万円の支出超過となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期と比べ1,497百万円支出が増加し、5,533百万円の支出超過となりました。これは主に、有利子負債の削減額が増加したことによるものです。
(4)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の改良開発を含む研究開発活動の金額は2,014百万円であります。このうち、新規新製品の「研究開発費」の金額は522百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因はありません。
(7)資本の財源および資金の流動性
当第2四半期連結会計期間末現在における現金及び現金同等物は16,763百万円(前連結会計年度末比0.0%減)、有利子負債(社債及び借入金)は8,001百万円(前連結会計年度末比30.8%減)となりました。
これは主に、営業活動によるキャッシュ・フローが増加したことから、借入金の返済を進めたことによるものです。