【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
前第3四半期
連結累計期間
(百万円)
当第3四半期
連結累計期間
(百万円)
増減額
(百万円)
増減率
(%)
売上収益
69,646
78,301
8,655
12.4
自動車部品事業
30,590
36,680
6,089
19.9
産業資材事業
25,195
27,147
1,951
7.7
高機能エラストマー製品事業
10,523
11,304
780
7.4
その他
3,917
3,720
△197
△5.0
調整額
△581
△550
31
-
コア営業利益(セグメント利益)(△は損失)
6,291
5,759
△531
△8.5
自動車部品事業
2,429
2,628
199
8.2
産業資材事業
2,738
2,656
△81
△3.0
高機能エラストマー製品事業
536
376
△160
△30.0
その他
280
33
△247
△88.0
調整額
305
64
△241
△78.9
営業利益
7,018
6,724
△294
△4.2
親会社の所有者に帰属する四半期利益
5,523
4,605
△917
△16.6
(注)コア営業利益(△は損失)は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が依然として残るなか、中国では、活動制限の強化により内外需ともに低迷し、景気は悪化いたしました。欧州においても、高インフレやエネルギー価格の高止まりが重石となり、景気は後退局面に入りました。アジア地域では、世界経済の減速や物価・金利の上昇などが影響し、景気の回復ペースが鈍化いたしました。一方、日本では、インバウンド需要の急回復や個人消費の持ち直しにより、景気は緩やかに持ち直しました。また、米国においても、個人消費や雇用環境が底堅く推移し、景気は堅調に推移いたしました。
当社グループの主要な市場である自動車分野におきましては、米国、中国、アジア地域および日本では、半導体不足の緩和が生産を後押ししたことなどもあり、自動車生産台数が前年度を上回る状況で推移いたしました。また、欧州では、サプライチェーンの混乱が解消しつつあり、自動車生産台数は前年水準で推移いたしました。
このような状況のなか、当社グループは、中長期経営計画“Breakthroughs for the future”(未来への躍進)の第2ステージの5年目として、「新事業の創出」、「コア事業の拡大」、「ものづくりの深化と進化」、「個人と組織の働き方改革」の4つの指針を掲げ、グローバルで「際立つ」サプライヤーを目指して活動してまいりました。当社独自の撥水技術を活用し省資源化を狙ったコンクリート型枠用撥水・透水シート「ウィルティア™ シート」の開発を完了し、2022年11月からテスト販売を開始したほか、歯付ベルトCeptor®シリーズの新たなラインアップとして、従来品と比べ、伝動容量や弾性率を向上させ、高伝動や高負荷対応、高いレスポンス性能を実現する歯付ベルト「Ceptor®-Ⅹ S3M/S5M」を開発いたしました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間は、売上収益は78,301百万円(前年同期比12.4%増)、コア営業利益は5,759百万円(前年同期比8.5%減)、営業利益は6,724百万円(前年同期比4.2%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は4,605百万円(前年同期比16.6%減)となりました。
《セグメント別の状況》
事業(セグメント)別の状況は、次のとおりであります。
[自動車部品事業]
国内においては、自動車生産台数の回復にともない、補機駆動用伝動ベルト(リブエース®など)の販売が増加いたしました。
海外においては、米国および中国において主要顧客の減産により、補機駆動用伝動ベルトなどの販売が減少いたしましたが、欧州地域において新規顧客の開拓による補修市場向け製品の販売が増加し、アジア地域においても四輪・二輪車メーカーの生産が回復し補機駆動用伝動ベルト、補機駆動用伝動システム製品およびスクーター用変速ベルトなどの販売が増加いたしました。
これらの結果、当セグメントの売上収益は36,680百万円(前年同期比19.9%増)、セグメント利益は2,628百万円(前年同期比8.2%増)となりました。
[産業資材事業]
一般産業用伝動ベルトにつきましては、国内においては、民間設備投資の増加により産業機械用伝動ベルトの販売が増加いたしました。海外においては、積極的な顧客開拓が奏功し、各国・地域において産業機械用伝動ベルトの販売が増加いたしました。
運搬ベルトにつきましては、国内において樹脂コンベヤベルト(サンライン®ベルト)の販売は増加いたしましたが、コンベヤベルトの販売は減少いたしました。
これらの結果、当セグメントの売上収益は27,147百万円(前年同期比7.7%増)、原材料調達価格の高騰の影響もありセグメント利益は2,656百万円(前年同期比3.0%減)となりました。
[高機能エラストマー製品事業]
機能フイルム製品につきましては、国内において非住宅関連の需要が回復したこともあり、建築資材用および工業用フイルムの販売が増加いたしました。
精密機能部品につきましては、主要顧客の生産回復もあり、精密ベルト、高機能ローラおよびブレードなどの販売が増加いたしました。
これらの結果、当セグメントの売上収益は11,304百万円(前年同期比7.4%増)、原材料調達価格の高騰の影響もありセグメント利益は376百万円(前年同期比30.0%減)となりました。
[その他事業]
その他の事業といたしましては、ロボット関連デバイス事業、電子資材事業および医療機器事業などを行っており、売上収益は3,720百万円(前年同期比5.0%減)、医療機器事業において主力製品の償還価格下落の影響もありセグメント利益は33百万円(前年同期比88.0%減)となりました。
上記の各セグメント別売上収益およびセグメント利益は、セグメント間取引消去前の金額で記載しております。
(2)財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ2,260百万円増加し、118,641百万円となりました。これは主に、現金及び現金同等物が減少した一方、営業債権及びその他の債権および棚卸資産が増加したことなどによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ1,573百万円減少し、42,378百万円となりました。これは主に、営業債務及びその他の債務が増加した一方、社債及び借入金および未払法人所得税が減少したことなどによるものです。
資本は、前連結会計年度末に比べ3,833百万円増加し、76,262百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加などによるものです。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末の62.0%から64.0%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、期首残高に比べ2,049百万円減少し、16,787百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその主な増減要因は、以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期と比べ1,062百万円収入が減少し、5,334百万円の収入超過となりました。これは主に、法人所得税の支払額の増加によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期と比べ3,227百万円支出が増加し、2,807百万円の支出超過となりました。これは主に、資本性金融商品の売却による収入の減少によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期と比べ2,535百万円支出が減少し、5,054百万円の支出超過となりました。これは主に、有利子負債の削減額が減少した一方で、配当金の支払いなどの株主還元が増加したことによるものです。
(4)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の改良開発を含む研究開発活動の金額は3,100百万円であります。このうち、新規新製品の「研究開発費」の金額は767百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因はありません。
(7)資本の財源および資金の流動性
当第3四半期連結会計期間末現在における現金及び現金同等物は16,787百万円(前連結会計年度末比10.9%減)、有利子負債(社債及び借入金)は12,414百万円(前連結会計年度末比10.2%減)となりました。
当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物の減少は、主に、手元流動性の水準を見直し、借入金の返済を進めたことによるものです。