【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
前第2四半期
連結累計期間
(百万円)
当第2四半期
連結累計期間
(百万円)
増減額
(百万円)
増減率
(%)
売上収益
46,144
52,200
6,056
13.1
自動車部品事業
19,793
23,993
4,199
21.2
産業資材事業
17,163
18,586
1,423
8.3
高機能エラストマー製品事業
7,042
7,539
497
7.1
その他
2,581
2,449
△131
△5.1
調整額
△436
△368
68
-
コア営業利益(セグメント利益)(△は損失)
4,376
3,648
△727
△16.6
自動車部品事業
1,667
1,535
△132
△7.9
産業資材事業
1,954
1,898
△55
△2.9
高機能エラストマー製品事業
413
241
△172
△41.6
その他
147
△12
△160
-
調整額
192
△14
△206
-
営業利益
4,847
4,371
△475
△9.8
親会社の所有者に帰属する四半期利益
3,798
3,568
△230
△6.1
(注)コア営業利益(△は損失)は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
当第2四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が依然として残るなか、中国では、9月に活動制限が広範囲で発動され、景気は一時的に下振れいたしました。アジア地域においても、海外経済の減速などを背景に景気の回復ペースは鈍化いたしました。また、欧州では、エネルギー価格の高止まりや政策金利の引き上げが重石となり、景気が減速いたしました。一方、米国では、政策金利の大幅な引き上げがあったものの、良好な雇用・所得環境や輸出などが下支えとなり、景気は堅調に推移いたしました。日本においても、夏場に全国的な感染再拡大があり、個人消費を中心に回復ペースが鈍化したものの、景気は緩やかに持ち直しました。
当社グループの主要な市場である自動車分野におきましては、米国、中国およびアジア地域では、販売が落ち込んだ前年の反動もあり、自動車生産台数が前年度を上回る状況で推移いたしました。一方、欧州および日本では、半導体などの部品不足は改善傾向にあるものの、依然として自動車生産台数が前年度を下回る状況で推移いたしました。
このような状況のなか、当社グループは、中長期経営計画“Breakthroughs for the future”(未来への躍進)の第2ステージの5年目として、「新事業の創出」、「コア事業の拡大」、「ものづくりの深化と進化」、「個人と組織の働き方改革」の4つの指針を掲げ、グローバルで「際立つ」サプライヤーを目指して活動してまいりました。2050年までにCO2排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラル実現に向けて、クリーンエネルギーの活用などを推進する取り組みの一環として、インド子会社であるBando (India) Pvt. Ltd.に太陽光発電設備を導入いたしました。
これらの結果、当第2四半期連結累計期間は、売上収益は52,200百万円(前年同期比13.1%増)、コア営業利益は3,648百万円(前年同期比16.6%減)、営業利益は4,371百万円(前年同期比9.8%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は3,568百万円(前年同期比6.1%減)となりました。
《セグメント別の状況》
事業(セグメント)別の状況は、次のとおりであります。
[自動車部品事業]
国内においては、自動車生産台数は減少したものの、補機駆動用伝動ベルト(リブエース®など)および補機駆動用伝動システム製品(オートテンショナなど)の販売は前年並みとなりました。
海外においては、米国および中国において主要顧客の減産により、補機駆動用伝動ベルトなどの販売が減少いたしましたが、欧州地域において新規顧客の開拓による補修市場向け製品の販売が増加し、アジア地域においても補機駆動用伝動ベルト、補機駆動用伝動システム製品およびスクーター用変速ベルトなどの販売が増加いたしました。
これらの結果、当セグメントの売上収益は23,993百万円(前年同期比21.2%増)、原材料調達価格の高騰の影響もありセグメント利益は1,535百万円(前年同期比7.9%減)となりました。
[産業資材事業]
一般産業用伝動ベルトにつきましては、国内においては、民間設備投資の増加により産業機械用伝動ベルトの販売が増加したことに加え、農業機械用伝動ベルトの販売も増加いたしました。海外においては、中国において積極的な顧客開拓が奏功し、農業機械用伝動ベルトの販売が増加いたしました。また、アジア地域、米国および欧州地域においても産業機械用伝動ベルトの販売が増加いたしました。
運搬ベルトにつきましては、国内においてコンベヤベルトの販売は減少いたしましたが、樹脂コンベヤベルト(サンライン®ベルト)の販売が増加いたしました。
これらの結果、当セグメントの売上収益は18,586百万円(前年同期比8.3%増)、原材料調達価格の高騰の影響もありセグメント利益は1,898百万円(前年同期比2.9%減)となりました。
[高機能エラストマー製品事業]
機能フイルム製品につきましては、国内において非住宅関連の需要が回復したこともあり、建築資材用および工業用フイルムの販売が増加いたしました。
精密機能部品につきましては、主要顧客の生産回復もあり、精密ベルト、高機能ローラおよびブレードなどの販売が増加いたしました。
これらの結果、当セグメントの売上収益は7,539百万円(前年同期比7.1%増)、原材料調達価格の高騰の影響もありセグメント利益は241百万円(前年同期比41.6%減)となりました。
[その他事業]
その他の事業といたしましては、ロボット関連デバイス事業、電子資材事業および医療機器事業などを行っており、売上収益は2,449百万円(前年同期比5.1%減)、医療機器事業において主力製品の償還価格下落の影響もありセグメント損失は12百万円(前年同期はセグメント利益147百万円)となりました。
上記の各セグメント別売上収益およびセグメント利益は、セグメント間取引消去前の金額で記載しております。
(2)財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ1,615百万円増加し、117,996百万円となりました。これは主に、現金及び現金同等物が減少した一方、営業債権及びその他の債権および棚卸資産が増加したことなどによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ3,561百万円減少し、40,390百万円となりました。これは主に、社債及び借入金の減少などによるものです。
資本は、前連結会計年度末に比べ5,176百万円増加し、77,605百万円となりました。これは主に、その他の資本の構成要素の増加などによるものです。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末の62.0%から65.5%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、期首残高に比べ2,625百万円減少し、16,211百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその主な増減要因は、以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期と比べ1,244百万円収入が減少し、2,825百万円の収入超過となりました。これは主に、法人所得税の支払額の増加によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期と比べ1,028百万円支出が増加し、2,198百万円の支出超過となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出の増加および資本性金融商品の売却による収入の減少によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期と比べ488百万円支出が減少し、4,036百万円の支出超過となりました。これは主に、有利子負債の削減額が減少した一方で、配当金の支払いなどの株主還元が増加したことによるものです。
(4)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の改良開発を含む研究開発活動の金額は2,073百万円であります。このうち、新規新製品の「研究開発費」の金額は519百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因はありません。
(7)資本の財源および資金の流動性
当第2四半期連結会計期間末現在における現金及び現金同等物は16,211百万円(前連結会計年度末比13.9%減)、有利子負債(社債及び借入金)は11,887百万円(前連結会計年度末比14.1%減)となりました。
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物の減少は、主に、手元流動性の水準を見直し、借入金の返済を進めたことによるものです。