【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績の概況
当第1四半期連結累計期間の世界の経済情勢は、各国中央銀行の政策金利の高止まりや根強いインフレが景気下押し圧力となり、経済成長率の鈍化が見られました。米国では、底堅い個人消費と良好な雇用情勢が継続しましたが、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締め姿勢の維持や一部金融機関の経営破綻による信用収縮の懸念から、景気後退リスクが高まっています。欧州では、欧州中央銀行(ECB)などが金融引き締めを継続する中、高インフレによる消費低迷が景気回復の重しとなっています。中国では、ゼロコロナ政策の解除によりサービス消費の回復傾向は続いていますが、内外需の弱さによる製造業の不振で景気の回復が鈍化しています。日本では、インバウンド需要の回復が見られる一方、外需低迷による輸出の伸び悩みで緩やかな景気回復となっています。
当社グループが属するエレクトロニクス市場の部品需要は、半導体不足の緩和による自動車生産台数の増加もありモビリティ向けは増加しましたが、民生用電子機器の購買意欲に力強さが見られず、スマートフォンやPC向けを中心に、全体として減少しました。
そのような中、当第1四半期連結累計期間の売上収益は、積層セラミックコンデンサがコンピュータや基地局向けを中心に幅広い用途で減少したことに加え、コネクティビティモジュールや高周波モジュールがスマートフォン向けで減少しました。その結果、為替変動(前年同四半期連結累計期間比7円80銭の円安)の影響はありましたが、前年同四半期連結累計期間比15.8%減の367,694百万円となりました。
利益につきましては、円安や固定費の減少などの増益要因はありましたが、操業度損や製品価格の値下がりといった減益要因により、営業利益は前年同四半期連結累計期間比44.8%減の50,111百万円、税引前四半期利益は同39.2%減の62,768百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は同34.1%減の50,098百万円となりました。
事業別セグメントについては、コンポーネントは売上収益が210,488百万円(前年同四半期連結累計期間比16.5%減)で営業利益が52,499百万円(同40.4%減)、デバイス・モジュールは売上収益が156,847百万円(同15.0%減)で営業損失199百万円(前年同四半期連結累計期間は営業利益2,449百万円)、その他は売上収益が15,238百万円(同24.5%減)で営業損失2,189百万円(前年同四半期連結累計期間は営業利益247百万円)となりました。
当第1四半期連結累計期間の事業別セグメントの売上収益を前年同四半期連結累計期間と比較した概況は、以下のとおりであります。
〔コンデンサ〕
この区分には、積層セラミックコンデンサなどが含まれます。
当第1四半期連結累計期間は、積層セラミックコンデンサがモビリティ向けで増加しましたが、コンピュータや基地局向けを中心に幅広い用途で減少しました。
その結果、コンデンサの売上収益は前年同四半期連結累計期間に比べ16.2%減の169,470百万円となりました。
〔インダクタ・EMIフィルタ〕
この区分には、インダクタ、EMI除去フィルタが含まれます。
当第1四半期連結累計期間は、EMI除去フィルタやインダクタがモビリティ向けで増加しましたが、インダクタがコンピュータやスマートフォン向けで減少しました。
その結果、インダクタ・EMIフィルタの売上収益は前年同四半期連結累計期間に比べ17.1%減の38,872百万円となりました。
〔高周波・通信〕
この区分には、コネクティビティモジュール、樹脂多層基板、高周波モジュール、表面波フィルタなどが含まれます。
当第1四半期連結累計期間は、樹脂多層基板や表面波フィルタがスマートフォン向けで増加しましたが、コネクティビティモジュールや高周波モジュールがスマートフォン向けで減少しました。
その結果、高周波・通信の売上収益は前年同四半期連結累計期間に比べ18.9%減の87,922百万円となりました。
〔エナジー・パワー〕
この区分には、リチウムイオン二次電池、電源モジュールが含まれます。
当第1四半期連結累計期間は、リチウムイオン二次電池がパワーツール向けで減少しました。
その結果、エナジー・パワーの売上収益は前年同四半期連結累計期間に比べ6.4%減の48,015百万円となりました。
〔機能デバイス〕
この区分には、センサ、タイミングデバイスなどが含まれます。
当第1四半期連結累計期間は、センサがモビリティ向けで増加しましたが、センサやタイミングデバイスがコンピュータやスマートフォン向けで減少しました。
その結果、機能デバイスの売上収益は前年同四半期連結累計期間に比べ15.7%減の20,906百万円となりました。
当第1四半期連結累計期間の用途別の売上収益を前年同四半期連結累計期間と比較した概況は、以下のとおりであります。
〔通信〕
当第1四半期連結累計期間は、スマートフォン向けでコネクティビティモジュール、高周波モジュール、積層セラミックコンデンサが減少したことに加え、基地局向けで積層セラミックコンデンサが減少しました。
その結果、通信用途の売上収益は前年同四半期連結累計期間に比べ20.7%減の134,081百万円となりました。
〔モビリティ〕
当第1四半期連結累計期間は、円安による増収効果や自動車生産台数の回復もあり、積層セラミックコンデンサやEMI除去フィルタの売上が増加しました。
その結果、モビリティ用途の売上収益は前年同四半期連結累計期間に比べ8.4%増の99,603百万円となりました。
〔コンピュータ〕
当第1四半期連結累計期間は、PC向けで積層セラミックコンデンサやインダクタ、コネクティビティモジュールが減少しました。
その結果、コンピュータ用途の売上収益は前年同四半期連結累計期間に比べ33.7%減の45,211百万円となりました。
〔家電〕
当第1四半期連結累計期間は、パワーツール向けでリチウムイオン二次電池が減少しました。
その結果、家電用途の売上収益は前年同四半期連結累計期間に比べ18.1%減の42,034百万円となりました。
〔産業・その他〕
当第1四半期連結累計期間は、代理店や産業機器向けで積層セラミックコンデンサが減少しました。
その結果、産業・その他用途の売上収益は前年同四半期連結累計期間に比べ16.6%減の46,765百万円となりました。
(2)財政状態の状況
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、現金及び現金同等物は減少しましたが、有形固定資産やその他流動資産が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ58,590百万円増加し、2,916,893百万円となりました。負債合計は、主にその他の流動負債の減少により前連結会計年度末に比べ3,340百万円減少し、495,021百万円となりました。資本合計は、主にその他の資本の構成要素や利益剰余金の増加により、前連結会計年度末に比べ61,930百万円増加し、2,421,872百万円となりました。親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末に比べ0.4ポイント上昇の83.0%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
当第1四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、キャッシュ・フローの源泉となる四半期利益が49,942百万円、減価償却費及び償却費が42,064百万円となったことなどにより、59,374百万円のキャッシュ・インとなりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは前年同四半期連結累計期間に比べ26,584百万円の増加となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
当第1四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、投資の売却及び償還による収入が7,100百万円となりましたが、生産能力増強や生産棟の建設を中心とした有形固定資産の取得による支出が72,192百万円となったことなどにより、75,682百万円のキャッシュ・アウトとなりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは前年同四半期連結累計期間に比べ39,665百万円の減少となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
当第1四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いが47,229百万円となったことなどにより、49,688百万円のキャッシュ・アウトとなりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは前年同四半期連結累計期間に比べ41,426百万円の増加となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)資本の財源及び資金の流動性
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の財務戦略と経営資源の配分に関する考え方及び資金調達と手許流動性の状況について重要な変更はありません。
(6)重要性がある会計方針及び見積り
当社グループでは、当連結会計年度の第1四半期連結会計期間からIFRSを初めて適用しております。当第1四半期連結累計期間において、当社グループにおいて重要性があると認識している会計方針及び見積りは、要約四半期連結財務諸表注記の「3.重要性がある会計方針」および「4.重要な会計上の見積もり及び判断」に記載しております。
(7)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における研究開発活動に要した費用は、32,731百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間における研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(8)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当第1四半期連結累計期間のセグメント別の生産実績は、下表のとおりであります。
生産実績
(2023年4月1日~2023年6月30日)
金額(百万円)
構成比(%)
前年同四半期連結
累計期間比(%)
コンデンサ
165,341
45.7
△28.4
インダクタ・EMIフィルタ
39,023
10.8
△24.7
コンポーネント
204,364
56.5
△27.7
高周波・通信
89,856
24.9
△33.0
エナジー・パワー
40,926
11.3
△37.6
機能デバイス
23,348
6.5
△12.8
デバイス・モジュール
154,130
42.7
△31.9
その他
2,997
0.8
101.3
計
361,491
100.0
△29.2
(注)1.金額は、販売価格で表示しております。
2.コネクティビティモジュールや高周波モジュールについてスマートフォン向けの販売が減少したことにより、高周波・通信の「生産実績」が前年同四半期連結累計期間比で大幅な減少となりました。
3.バッテリーについてパワーツール向けの販売が減少したことにより、エナジー・パワーの「生産実績」が前年同四半期連結累計期間比で大幅な減少となりました。
②受注実績
当第1四半期連結累計期間のセグメント別の受注高及び受注残高は、下表のとおりであります。
受注高
(2023年4月1日~2023年6月30日)
受注残高
(2023年6月30日現在)
金額
(百万円)
構成比
(%)
前年同四半期連結累計期間比
(%)
金額
(百万円)
構成比
(%)
前連結会計年度末比
(%)
コンデンサ
164,314
45.5
△16.8
130,712
39.3
△3.8
インダクタ・EMIフィルタ
38,957
10.8
△12.7
29,008
8.7
0.3
コンポーネント
203,271
56.3
△16.0
159,720
48.0
△3.1
高周波・通信
93,136
25.8
△11.9
75,419
22.6
7.4
エナジー・パワー
42,784
11.9
△16.4
72,157
21.7
△6.8
機能デバイス
19,244
5.3
△24.7
20,122
6.0
△7.6
デバイス・モジュール
155,164
43.0
△14.9
167,698
50.3
△1.0
その他
2,530
0.7
29.2
5,611
1.7
0.4
計
360,965
100.0
△15.4
333,029
100.0
△2.0
(注)金額は、販売価格で表示しております。
③販売実績
当第1四半期連結累計期間のセグメント別の販売実績は、下表のとおりであります。
販売実績
(2023年4月1日~2023年6月30日)
金額(百万円)
構成比(%)
前年同四半期連結
累計期間比(%)
コンデンサ
169,470
46.1
△16.2
インダクタ・EMIフィルタ
38,872
10.6
△17.1
コンポーネント
208,342
56.7
△16.3
高周波・通信
87,922
23.9
△18.9
エナジー・パワー
48,015
13.0
△6.4
機能デバイス
20,906
5.7
△15.7
デバイス・モジュール
156,843
42.6
△15.0
その他
2,509
0.7
△20.3
計
367,694
100.0
△15.8
当第1四半期連結累計期間の用途別の販売実績は、下表のとおりであります。
販売実績
(2023年4月1日~2023年6月30日)
金額(百万円)
構成比(%)
前年同四半期連結
累計期間比(%)
通信
134,081
36.5
△20.7
モビリティ
99,603
27.1
8.4
コンピュータ
45,211
12.3
△33.7
家電
42,034
11.4
△18.1
産業・その他
46,765
12.7
△16.6
計
367,694
100.0
△15.8
(注)1.当社推計値に基づいております。
2.PC向けでコンデンサ、インダクタ、コネクティビティモジュールの販売が減少したことにより、コンピュータの「販売実績」が前年同四半期連結累計期間比で大幅な減少となりました。
