【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、急激な円安やエネルギーコストの上昇による物価高が進み、景気の先行きが懸念される状況が続きました。新型コロナウイルスは、第8波において感染者数は増加したものの、重症化率の低下により「ウィズコロナ」の意識が高まり、経済活動の正常化が見られました。
2023年に入って以降は、アメリカの金利動向、中国の経済回復状況などが世界経済に大きな影響を及ぼす予測困難な情勢が継続すると想定しております。
このような環境下、当社グループは生産効率の向上とGHG削減に向けたサステナブル経営の推進を追求して参りました。
その結果として売上高は販売価格改定効果もあり、前年同期比8.6%増収の211億56百万円となりましたが、原料コストや固定費の上昇が利益を圧縮し、営業利益9億33百万円(前年同期比39.2%減)、経常利益13億94百万円(前年同期比29.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益9億63百万円(前年同期比30.3%減)となりました。
当社グループは、塗料等製造販売の単一セグメントであるため、製品分野別の業績は次の通りであります。
①車両用塗料分野
水性塗料シリーズと環境配慮型塗料で自動車補修用塗料市場及び大型車両や産業機械等のシェア拡大に努め、
売上高は前年同期を上回りました。
②建築用塗料分野
改修・リニューアル市場に重点を置き、高付加価値製品の拡販や塗替需要喚起に努めた営業活動を実施した結果、高付加価値製品を中心とした塗料の採用が増加し、売上高は前年同期を上回りました。
③工業用塗料分野
工業塗料は積極的な営業活動により環境配慮製品である粉体塗料を中心に拡販に努めました。ラミネート接着剤は食品包装向け及びリチウムイオン電池等の産業資材向けが堅調に推移しました。これらの結果、売上高は前年同期を上回りました。
④家庭用塗料分野
主力エアゾール製品は企業関連への出荷が回復基調にありますが、小売店市場の需要減の影響が大きく、前年同期を下回りました。
(2) 財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、501億81百万円(前連結会計年度末は493億40百万円)となりました。また、負債の合計は、95億33百万円(前連結会計年度末は94億64百万円)となり、純資産は、406億47百万円(前連結会計年度末は398億75百万円)となりました。
この結果、自己資本比率は、81.0%(前連結会計年度末は80.8%)となりました。
(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は、6億75百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。