【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 財政状態及び経営成績の状況
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が残るものの、持ち直しの動きがみられました。先行きについては、世界的な金融引締め等が続く中で、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっています。また、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
このような状況下において当社グループは、2030年に向けた経営ビジョン「Vision2030」を策定しました。
IT市場や技術、ESG等の環境変化を捉え、既存SIビジネスモデルの進化に加えてデジタル、ソリューションおよびサービスビジネスやそれらを実現する人材などへの積極的な投資により、新たな成長モデルを構築し、社会的価値・経済的価値の創出という両輪でさらなる企業価値の向上を目指します。
その実現に向け、「提案価値の向上」、「SI×デジタルのコンビネーション」、「新規領域・グローバルへの進出」、「ESGへの取り組み強化」、「自社経営基盤の改革」を重要課題に設定し、取り組みを進めていきます。
■「提案価値の向上」「SI×デジタルのコンビネーション」
提案価値の高度化に向けて現場と営業の連動性を高めるため、2022年4月、営業本部に集約していた営業推進機能を各事業本部等に移管しました。
2022年10月、「ServiceNow ビジネス推進担当」を設置し、ServiceNow®(サービスナウ)を活用したワークフローのデジタル化や連携していない複数システムの統合など、IT戦略立案から運用保守までトータルサポートするITサービスを開始しました。
また、データ活用に特化したソリューションの第1弾として、2022年5月、米社Snowflake Inc.よりSELECT(セレクト)パートナー認定を受け、同社製品である「Snowflake(スノーフレイク)」の販売を開始しました。
第2弾として、2022年7月、生産管理パッケージ「mcframe 7 SCM/PCM(エムシーフレーム)」(注1)の取り扱いを開始しました。データ活用のためのクラウドプラットフォームであるSnowflakeと既存の工場IoTソリューションを組み合わせることにより、連携していないデータの統合や共有を実現し、製造業の課題解決をサポートしていきます。
第3弾として、2022年11月、データ活用の高度化を実現するためのビジネス・インテリジェンスソリューション「Geminiot(ジェミニオ)」と製造業データ活用ソリューション「Pasteriot.mi(パステリオ エムアイ)」の販売を開始しました。
これらデータ活用ソリューションやこれまで培った業務ノウハウにより、顧客のビジネス課題解決や新たなビジネス機会の創出を可能とする「DTS DataManagement Solution」(DTS DMS)に発展させていきます。
「フォーカスビジネス」(注2)を、当社の成長領域として取り組みを強化していきます。なお、中期経営計画では、2025年3月期までに売上高に占めるフォーカスビジネス売上高の比率40%を目標として推進しています。当第3四半期連結累計期間のフォーカスビジネス売上高比率は39.1%となり順調に推移しています。
(注1)mcframe 7 SCM/PCM
mcframeは生産・販売・在庫・原価管理等の各種機能を提供し、組立加工からプロセス製造、個別受注生産まで対応可能な製造業向けSCM(サプライチェーンマネジメント)パッケージ。1996年の販売開始から世界17か国2,000サイト、1,000社以上の導入実績を誇る、製造業デジタルソリューション。
(注2)フォーカスビジネス
デジタルBiz・ソリューションBiz・サービスBizの3つの成長エンジンで構成される、今後注力していくビジネス領域。
■「新規領域・グローバルへの進出」
2022年11月、米国ITサービス企業Partners Information Technology 社とより強固な連携を図り、米国事業を強化するため、同社株式の51%を取得しました。
今後も主要な顧客である金融機関のみならず、様々な業界に向けてDXなどのソリューション系ビジネスを強化していきます。
■「ESGへの取り組み強化」
当社は、取締役の職務執行の監査等を担う監査等委員を取締役会の構成員とすることにより、取締役会の監督機能を強化し、さらなる監視体制の強化を通じてより一層のコーポレート・ガバナンスの充実を図るため、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行しました。
また、当社は第50回定時株主総会後、取締役13名のうち、独立社外取締役が7名となり過半数を占めるとともに、女性取締役は2名となりました。今後も取締役会の独立性およびダイバーシティの向上に努めていきます。
企業を取り巻く環境が大きく変化する中、持続可能な社会の実現と企業の持続的成長を両立していくことが重要な経営課題であるとの認識に立ち、当社グループの環境・社会への取り組みをより一層強化するため「サステナビリティ委員会」を新たに設置しました。さらに、ESG活動をより一層進めるとともに、全社横断的な活動の強化を図るため、ESG推進部を新設しました。
2022年8月、2022年度(2022年8月31日から2023年8月30日)の「JPX 日経インデックス400」(注1)の構成銘柄として選定されました。
2022年11月、健康企業宣言東京推進協議会より健康経営の取り組みにおいて一定の成果を上げた企業として「健康優良企業・金の認定」を3年連続で更新しました。
2022年12月、本社(エンパイヤビル)で使用する全ての電力を、100%再生可能エネルギー(以下:「再エネ」)化しました。
なお、再エネ電力の調達は、エンパイヤビルの運営・管理を行っている東京建物株式会社と連携して調達したトラッキング付非化石証書(注2)を活用しています。
(注1)JPX 日経インデックス400
資本の効率的活用に加えてコーポレート・ガバナンス強化の取り組みなど、グローバルな投資基準に求められる諸要件を満たした、「投資者にとって投資魅力の高い会社」で構成される株価指数。
(注2)トラッキング付非化石証書
非化石電源由来の電気が有する「非化石価値(環境価値)」が証書化され、発電所所在地などの属性情報(トラッキング情報)が付与されたもの。
■「自社経営基盤の改革」
監査等委員会設置会社移行に伴い、当社は、意思決定の迅速化を図るため、取締役会の委任範囲の変更などの取締役会規則および業務執行に関する権限などの組織関連規程を改定しました。
今後もスピード経営を実現するため、権限移譲や機構改革を推進していきます。
■「株主還元」
成長投資の機会、資本の状況および近時の株価を含む市場環境などを総合的に勘案し、資本効率の向上ならびに株主への一層の利益還元を図るため、2022年5月から9月に1,481,800株の自己株式を取得しました。また、2022年10月、上記で取得した自己株式全株を消却しました。
さらに、中間配当は、1株当たり50円(50周年記念配当20円を含む)としました。
■「譲渡制限付株式交付制度の導入」
中長期的な企業価値の向上を図るインセンティブとともに、社員のオーナーシップ意識醸成を目的として、譲渡制限付株式交付制度を導入しました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、755億35百万円(前年同期比12.9%増)となりました。
売上総利益は、売上高の増加により145億54百万円(前年同期比10.1%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、63億93百万円(前年同期比12.6%増)となりました。売上総利益が増加し、営業利益は、81億61百万円(前年同期比8.2%増)、経常利益は、82億91百万円(前年同期比8.3%増)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、経常利益の増加などにより、54億27百万円(前年同期4.1%増)となりました。
(単位:百万円)
連結
対前年同期増減率
売上高
75,535
12.9%
営業利益
8,161
8.2%
経常利益
8,291
8.3%
親会社株主に帰属する四半期純利益
5,427
4.1%
<売上高の内訳>
(単位:百万円)
連結
対前年同期増減率
業務&ソリューション
29,972
13.3%
テクノロジー&ソリューション
23,830
11.2%
プラットフォーム&サービス
21,732
14.1%
合計
75,535
12.9%
各セグメントにおける営業概況は、次のとおりです。
業務&ソリューションセグメント
金融業や情報通信業を中心にクラウド関連案件などが好調に推移し、売上高は299億72百万円(前年同期比13.3%増)となりました。
フォーカスビジネスへの取り組みでは、「クラウドアーキテクチャーベースでのAP開発力強化」、「アジャイル/ローコード開発への対応力強化」および「業界特化ソリューション・サービス拡大・さらなる創出」などに努めています。
業界特化ソリューション・サービスとして、国際基準に準拠したマネー・ローンダリング対策システム「AMLion(アムリオン)」の取引モニタリング機能に加え、金融商品スクリーニング機能の提供を開始しました。
また、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社様より、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策業務における経済制裁リスト・ネガティブニュース照合業務に「AMLion」を採用いただきました。
今後も金融のあらゆる業態のコンプライアンスチェック業務の高度化・効率化に貢献していきます。
テクノロジー&ソリューションセグメント
ERPなどのパッケージソリューションや組込み関連などが好調に推移し、売上高は238億30百万円(前年同期比11.2%増)となりました。
フォーカスビジネスへの取り組みでは、クラウドビジネス技術の強化およびビジネスモデルの変革、パッケージ販売拡大に向けた機能強化、ERPビジネス拡大強化およびエッジAIとサイバーセキュリティ技術の確立などに努めています。
2022年9月、住空間のVRを活用したオンライン商談の実現、意匠デザインの強化、および法改正に伴う設定変更に柔軟に対応できる機能を拡充した「Walk in home 2022」の販売を開始しました。また、「Walk in home」とのデータ連携や営業プロセスから施工、アフター管理までをサポート、現場監督の業務負担軽減などを実現した「Walk in home CUMOE(ウォークインホーム クモエ)」の販売を開始しました。
加えて、住宅関連業務のさまざまな機能を搭載し、情報の可視化を実現できる、住宅建設業界向け基幹システム「HOUSING CORE(ハウジング コア)」の提供を開始しました。
今後もハウジングソリューションを提供し、住宅・建設業のDX化に貢献していきます。
さらに、米国のインターネット・セキュリティ標準化団体が策定したセキュリティガイドラインに準拠したアマゾンウェブサービス(以下:AWS)のセキュリティ対策の導入や運用を実現するため、「AWS セキュリティマネージドサービス」の提供を開始しました。
プラットフォーム&サービスセグメント
プロダクト案件や運用基盤設計・構築案件の伸長などで、売上高は217億32百万円(前年同期比14.1%増)となりました。
フォーカスビジネスへの取り組みでは、当社のReSM/ReSMplusを中心とした運用サービスメニューの拡大、HybridCloud、Data Management等の強化・拡販、およびネットワークインテグレーションビジネスの推進などに努めます。
「ReSM plus」をとおして、中堅企業の生産性向上と企業全体でのワークスタイル変革に貢献するため、中堅企業の DX や業務支援に強みを持つ株式会社綜合キャリアオプションと「ReSM plus」の販売代理店契約を締結しました。
財政状態としては、当第3四半期連結会計期間末の総資産は756億89百万円となりました。のれんが11億73百万円、仕掛品が4億34百万円、流動資産のその他に含まれる未収入金が4億6百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が3億93百万円、商品及び製品が3億16百万円増加しましたが、現金及び預金が62億44百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ総資産が34億27百万円減少しました。
負債は157億51百万円となりました。流動負債のその他に含まれる未払金が7億22百万円、流動負債のその他に含まれる預り金が6億24百万円増加しましたが、未払法人税等が12億28百万円、賞与引当金が12億9百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ負債が12億31百万円減少しました。
純資産は599億37百万円となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益により54億27百万円、新規連結などにより非支配株主持分が10億51百万円増加した一方で、自己株式の取得50億円、剰余金の配当39億82百万円を行ったことなどにより、前連結会計年度末に比べ純資産が21億96百万円減少しました。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
[当社グループの対処すべき課題]
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(3) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の金額は、1億98百万円です。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4) 生産、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間において、プラットフォーム&サービス事業における受注高および受注残高が前年同期に比べ、著しく増加しました。これは、大型プロダクト案件や運用基盤設計・構築案件などが増加したことによるものです。
なお、第1四半期連結会計期間において、報告セグメントの区分を変更し、以下、対前年同期増減率については、変更後の区分方法に基づき作成した前年同期の数値を用いています。
詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」を参照ください。
① 生産実績
当第3四半期連結累計期間における生産実績は、以下のとおりです。
セグメントの名称
生産高(百万円)
対前年同期増減率(%)
業務&ソリューション
29,972
13.3
テクノロジー&ソリューション
23,830
11.2
プラットフォーム&サービス
21,732
14.1
合計
75,535
12.9
(注)セグメント間の取引は、相殺消去しています。
② 受注実績
当第3四半期連結累計期間における受注実績は、以下のとおりです。
セグメントの名称
受注高
(百万円)
対前年同期
増減率(%)
受注残高
(百万円)
対前年同期
増減率(%)
業務&ソリューション
28,388
9.2
8,781
7.8
テクノロジー&ソリューション
23,052
11.0
5,864
5.0
プラットフォーム&サービス
23,073
22.6
10,314
36.4
合計
74,515
13.6
24,960
17.2
(注)セグメント間の取引は、相殺消去しています。
③ 販売実績
当第3四半期連結累計期間における販売実績は、以下のとおりです。
セグメントの名称
販売高(百万円)
対前年同期増減率(%)
業務&ソリューション
29,972
13.3
テクノロジー&ソリューション
23,830
11.2
プラットフォーム&サービス
21,732
14.1
合計
75,535
12.9
(注)セグメント間の取引は、相殺消去しています。
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