【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、景気が持ち直し傾向にあるものの、新型コロナウイルス感染症、半導体の需給逼迫及び各種資材の価格高騰や為替変動による影響、ロシアのウクライナ侵攻等により、先行き不透明な状況が続いております。
当社グループの主要な事業分野であります自動車関連市場においては、国内の自動車生産台数は5,660千台で前年同期比1.0%の増加となりました。また、北米(米国・カナダ)においては8,659千台で前年同期比12.0%増加、中国では19,881千台で前年同期比6.7%の増加、タイでは1,345千台で前年同期比11.4%の増加となりました(いずれも台数は各拠点の決算期に応じた集計)。
もう一方の主要な事業分野であります情報通信関連市場においては、HDD(ハードディスクドライブ)の世界生産台数が前年同期比で減少し、当社の主力製品でありますサスペンションの総需要は減少となりました。
以上のような経営環境のもと、売上高は511,332百万円(前年同期比19.5%増)、営業利益は24,754百万円(前年同期比51.6%増)、経常利益は34,677百万円(前年同期比56.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は23,681百万円(前年同期比66.8%増)となりました。
セグメントの状況は以下のとおりです。
[懸架ばね事業]
懸架ばね事業は、半導体供給不足等による自動車メーカーの生産調整の影響を受けたものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響からの持ち直し、原材料価格高騰等の販売価格への反映及び円安による在外子会社の円換算額の増加等により、売上高は106,326百万円(前年同期比29.7%増)となりました。一方で、原材料や物流、動力光熱費等の価格高騰により、営業損失は3,315百万円(前年同期は営業損失3,535百万円)となりました。
[シート事業]
シート事業は、半導体供給不足等による自動車メーカーの生産調整、原材料や物流、動力光熱費等の価格高騰の影響を受けたものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響からの持ち直し、円安による在外子会社の円換算額の増加等により、売上高は196,128百万円(前年同期比29.8%増)、営業利益は4,341百万円(前年同期は営業損失2,751百万円)となりました。
[精密部品事業]
精密部品事業は、自動車関連製品において、半導体供給不足等による自動車メーカーの生産調整、原材料や物流、動力光熱費等の価格高騰の影響を受けました。また、情報通信関連製品においては、HDDメーカーの生産調整により数量が減少しました。
売上高においては、円安による在外子会社の為替換算影響を受け、123,531百万円(前年同期比3.6%増)、営業利益は13,496百万円(前年同期比6.8%減)となりました。
[産業機器ほか事業]
産業機器ほか事業は、自動車関連事業において新型コロナウイルス感染症拡大の影響から持ち直しの動きが見られていることや、半導体プロセス部品の受注が好調に推移したこと、また為替が円安に推移した影響により、売上高は85,346百万円(前年同期比13.1%増)、営業利益は10,231百万円(前年同期比26.0%増)となりました。
(2)財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の総資産については、配当金の支払及び法人税の支払等により現金及び預金が減少しました。一方で売上高の増加により売上債権が増加したほか、為替が円安に推移したことにより、特に在外子会社の棚卸資産や有形固定資産の円換算額が押し上げられました。その結果、総資産は前連結会計年度末に比べ、34,493百万円増加し、622,584百万円となりました。
負債については、仕入高が増加したほか、為替が円安に推移したことにより、特に在外子会社の仕入債務等の円換算額が押し上げられました。その結果、負債は前連結会計年度末に比べ4,997百万円増加し、254,242百万円となりました。
純資産については、為替換算調整勘定及び親会社株主に帰属する四半期純利益による利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ29,495百万円増加し、368,342百万円となりました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、13,298百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。