【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況(経営成績の状況)当第3四半期連結累計期間における世界経済は、総じて景気回復の勢いが弱まることとなりました。米国では高いインフレが続く中、景気の減速感が強まっています。欧州においてもエネルギー価格が高騰し、企業収益や個人消費の下押し圧力となっています。中国ではゼロコロナ政策の大幅な緩和を受けて新型コロナウイルスの新規感染者が急増し、外需の低迷も相まって景況感が悪化することとなりました。一方、我が国においては新型コロナウイルスの第8波が拡大しているものの、行動制限の緩和を受けてサービス業の業況が改善しています。企業収益は総じて回復基調で推移していますが、エネルギー価格や原材料価格の上昇、海外経済の減速等により、先行きの不透明感は払拭できない状況となっています。当社グループが関わる情報通信・エレクトロニクス関連市場においては、スマートフォンの販売価格が高騰し、買い替えサイクルが長期化する傾向が強まっています。また、新型コロナウイルスに伴う巣ごもり消費が終焉に向かう中でIT関連市場の拡大にブレーキがかかり、米国においては一部の大手IT関連企業が雇用調整を実施する事態となりました。カーエレクトロニクス関連市場においては、引き続き電動化や自動運転の技術開発が進みました。一方、半導体不足の影響は根強く、自動車メーカーの生産台数は計画を下回る状況が続いています。
こうした中で当社グループは、当年度から取り組み始めた5ヶ年の中期経営計画『マスタープラン2022』に基づき、「顧客接点の活性化」、「新製品・新技術開発の加速」、「ものづくり力の強化」、「経営基盤の強化」の各施策の遂行に努めました。「顧客接点の活性化」に向けては、各種の成形品や金型、精密金属加工部品等を主力製品とする精機事業、光通信部品とその関連機器、レンズ、光伝送装置や光電界センサー等を主力製品とする光製品事業の両セグメントにおいて、展示会への出展やホームページの活用等を通じて新しい顧客と出会う機会を数多く作り、商談数を増やすことに注力しました。「新製品・新技術開発の加速」に向けては、より幅広い領域で社会の進歩発展に貢献できる企業グループとなるべく、引き続き技術力を研鑽するとともに、顧客や市場のニーズに対して最適なタイミングで市場にリリースできるよう、新製品や新技術の進捗を社内で共有し、開発状況の見える化を図りました。「ものづくり力の強化」に向けては、半導体関連部品の供給不足や中国におけるゼロコロナ政策の大幅な緩和等により不安定な環境にある中、継続的に安定した調達や物流を行えるよう、取引先との関係強化に努めました。「経営基盤の強化」に向けては、当社グループ全体のサステナビリティ活動を統括する「サステナビリティ推進室」を中心に、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けた温室効果ガスの排出削減活動や、ペーパーレス化やクラウドの活用等、有事の際にも事業活動を継続できる体制を構築するための活動に取り組みました。こうした施策と並行して、当第3四半期連結累計期間においては、引き続き当社グループの各拠点において、出勤時の検温、マスクの着用や手洗いの徹底、昼食時間の二部制による食堂の過密の回避といった新型コロナウイルスの感染予防対策を講じました。
こうした結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は12,905,767千円(前年同四半期比10.4%増)となり、第3四半期の累計売上高として創業以来最高となりました。売上高の増加に伴い、営業利益は1,151,687千円(前年同四半期比6.1%増)となりました。経常利益は為替差益や投資不動産賃貸料等の営業外収益を計上した結果1,331,842千円(前年同四半期比15.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は941,008千円(前年同四半期比23.4%増)となり、前年同四半期から増収増益となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
①
精機関連自動車関連市場においては半導体の供給不足が解消せず、自動車メーカー各社の生産台数は当初の計画を下回る状況が続いています。これにより、当第3四半期連結累計期間においては、自動車の各種センサー用のインサート成形品は売上が減少することとなりました。一方、電気自動車の販売台数は加速度的に増加しており、電気自動車向けのコンプレッサー用部品やインバーター用部品等の売上が伸長しています。スマートフォン向けの金属プレス成形品は、中国国内の消費低迷により中国製スマートフォンの販売不振が続いており、売上が減少することとなりました。また、飲料容器を成形するための金型部品や、感染症検査用のバイオチップ等の売上が伸長しました。これらの結果、当第3四半期連結累計期間の精機関連の売上高は6,397,864千円(前年同四半期比1.2%増)となりました。売上高の増加に伴い、営業利益は398,726千円(前年同四半期比20.8%増)となりました。
②
光製品関連5Gの本格稼動を見据えて世界で光通信インフラの増強が進んでおり、当第3四半期連結累計期間においては、光通信用部品や光コネクタ研磨機等の売上高が伸長しました。新型コロナウイルスの感染拡大を背景にテレワークやWEB会議システムの利用が常態化する中、足元では各国で規制が緩和され、人と人との接触がコロナ以前の状態を取り戻しつつあり、光通信用部品の需要に一服感が生じています。中国ではゼロコロナ政策の方針転換により感染者数が急増し、当社グループの中国の子会社にも感染者が出ましたが、生産への影響はほとんどありませんでした。一方、展示会への出展や国内外顧客への出張を増やしていることや、樹脂等の材料費、電気料金、運送費用等が上昇していることを受けて、営業費用が増加することとなりました。これらの結果、当第3四半期連結累計期間の光製品関連の売上高は6,507,902千円(前年同四半期比21.2%増)となりました。売上高は増加したものの営業費用が増加し、営業利益は752,960千円(前年同四半期比0.3%減)となりました。
(財政状態の状況)当第3四半期連結会計期間末の総資産は31,640,874千円となり、前連結会計年度末から1,301,773千円増加いたしました。流動資産は21,693,905千円となり、前連結会計年度末から1,058,269千円増加いたしました。その主な要因は、売上高の増加に伴い、現金及び預金、電子記録債権、仕掛品、原材料及び貯蔵品が増加したこと等に因ります。固定資産は9,946,968千円となり、前連結会計年度末から243,504千円増加いたしました。その主な要因は、連結子会社において建物及び構築物、土地が増加したこと等に因ります。当第3四半期連結会計期間末の負債合計は5,007,486千円となり、前連結会計年度末から162,745千円増加いたしました。その主な要因は、役員株式給付引当金や繰延税金負債が増加したこと等に因ります。当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は26,633,388千円となり、前連結会計年度末から1,139,028千円増加いたしました。その主な要因は、利益剰余金や為替換算調整勘定が増加したこと等に因ります。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動当社グループの研究開発活動の内容は、新しい事業領域に向けた新技術や新製品の開発と、既存事業のベースとなる精密金型技術や精密成形技術の開発、既存事業領域における製品改良、生産技術の改善に分類できます。新しい事業領域に向けた新技術や新製品の開発は、精機関連・光製品関連の両セグメントにおいて実施しており、当第3四半期連結累計期間において発生した研究開発費は110,060千円となりました。また、当第3四半期連結累計期間に、当社グループの精機関連・光製品関連の両セグメントのベースとなる精密金型技術や精密成形技術の開発に要した費用は79,084千円となり、既存事業領域における製品改良や生産技術の改善に要した費用は153,146千円となりました。これらにより、当第3四半期連結累計期間における研究開発活動費用の総額は342,290千円となりました。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
