【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(経営成績等の状況の概要)当事業年度における日本経済は、終盤に新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限が緩和され、経済活動の回復傾向が進み緩やかな持ち直しの動きが見られたものの、物価高の進行、為替変動や地政学リスク等の懸念もあり、先行き不透明な状況が続きました。CM(コンストラクション・マネジメント=発注者支援事業)業界に影響を与える建設投資、設備投資については、公共投資および民間投資は一定の水準で推移しているものの、景気の先行きが不透明な中で慎重な姿勢が続く状況となりました。当社は、「フェアネス」と「透明性」の経営理念に基づき、顧客側に立つプロとして、顧客の建設プロジェクトの目標達成を支援しております。当期のCM(コンストラクション・マネジメント)は、プロジェクトの早期立ち上げ支援や、数多くのプロジェクトで品質の適正化・スケジュール短縮・コスト縮減に加え、脱炭素化やSDGs関連(環境共生・BCP・長寿命化等)について支援する他、働き方の可視化や施設の維持保全等に関るDX(デジタルトランスフォーメーション)化を推進することで、発注者へより高い「CMの価値」を提供しております。
当事業年度は、発注者における課題解決に必要な専門性と対応力が益々高度化する中で、発注者からの当社に対する期待が高まり、当事業年度における受注粗利益(※1)は過去最高を記録しました。当社はメーカーや資本系列に一切とらわれることなく独立・中立性を保ち、一層高まる顧客要求水準を満たす最適なCM手法で、今後も発注者に、より高い「CMの価値」を提供してまいります。これらの結果、当事業年度の売上高は4,761百万円(前年同期比11.8%増)、売上総利益は2,533百万円(同11.0%増)、営業利益は958百万円(同10.8%増)、経常利益は960百万円(同11.0%増)、当期純利益は651百万円(同7.4%増)となり、建設投資の実行に関する様々な課題の難度が高まる中で、発注者を支援する当社への期待が更に高まり、過去最高を記録しました。
事業のセグメントの業績は次のとおりです。当社では、次の4つのセグメントを設けておりますが、プロジェクト管理システム等の自社開発システムの活用によって、顧客の期待に応えられる人材が所属セグメントに縛られることなくマルチにプロジェクトに対応することで、サービス品質の向上と、セグメント間の負荷の調整を両立させ、全体としての業務効率向上を行っています。
① オフィス事業当社のCM手法によるプロジェクト立ち上げ支援及び、PM(プロジェクト・マネジメント)サービスは、オフィス移転の可否や働き方改革の方向性を検討する構想段階およびビルの選定から引越しまで高度な専門性を有し、ワンストップで支援することが可能であります。企業がアフターコロナへの働き方を模索する中で、働き方改革及びDX(デジタルトランスフォーメーション)に自ら取り組む先進企業として当社の認知度が高まり、大企業のグループ統合や中央官庁における働き方改革支援及び執務環境整備プロジェクトの引き合いが増加しました。当事業年度は、経済産業省のデジタル行政に対応した本省庁舎執務環境整備(働き方改革)に関する業務について4年連続で公募にて選定された他、外務省のオフィス改革に関するコンサルティング業務を公募にて選定される等、公共分野の支援が増加しております。当事業年度のオフィス事業の売上高は、926百万円(前年同期比0.7%減)、セグメント利益75百万円(前年同期比15.0%増)となりました。
② CM事業数多くの地方自治体庁舎や国立大学を始めとする公共施設において当社のCMサービスが評価されました。民間企業においては、グローバル企業の国内拠点となる大型研究施設、生産施設、商業施設及び私立学校法人施設の再構築や、日本最大の鉄道会社による大規模商業施設や各地方拠点施設、大手IT会社等の保有施設の電気・空調・衛生設備更新等の実績を重ね、既存顧客から継続的に引き合いを頂くと共に、新規顧客からの引き合いも増加しております。同時に所有施設全体の脱炭素化に向けた環境施策も強く求められるようになり、脱炭素化ロードマップ策定を支援すると共にZEBやLEEDなど基本計画段階から当社内の専門技術者チームが顧客の高い環境要求水準に対応しています。当事業年度は、国土交通省の2022年度入札契約改善推進事業の支援業務について9年連続で公募にて選定された他、渋谷区(東京都)、仙台市(宮城県)、千葉市(千葉県)、入間市(埼玉県)、和泉市(大阪府)等における庁舎や施設建設、国立大学法人の東京大学や大阪大学、筑波大学のプロポーザルに当社が応募し、発注者支援事業者として選定されました。また、一般社団法人日本コンストラクション・マネジメント協会が主催する「CM選奨2023」において当社がCM業務を行った「千葉商科大学付属高等学校 新校舎整備計画CM業務」「森永製菓株式会社 鶴見サイト再構築 CM業務」「株式会社プラニック プラスチックリサイクル工場建設プロジェクト」の3件で受賞し、7年連続の受賞となりました。当事業年度のCM事業の売上高は、2,880百万円(前年同期比17.1%増)、セグメント利益703百万円(前年同期比25.3%増)となりました。
③ CREM事業顧客保有資産の最適化をサポートするCREM(コーポレート・リアルエステート・マネジメント)事業は、当社技術者集団による透明なプロセス(CM手法)とデジタル活用による情報の可視化やデータベース活用によって、多拠点施設同時進行の新築・改修・移転や基幹設備のLCC、脱炭素化のための機能最適化更新支援等を行っております。当事業年度も新規顧客を含む大企業や自治体、金融機関向けを中心に、個別プロジェクト毎の進捗状況を可視化し、工事コストやスケジュール管理及び保有資産のデータベース化による資産情報の一元管理とデータ活用によって効率的なプロジェクト管理を提供しました。発注者支援事業として顧客の多拠点施設整備を効率化し、「CMの価値提供」が評価されました。当事業年度のCREM事業の売上高は、774百万円(前年同期比5.8%増)、セグメント利益137百万円(前年同期比29.1%減)となりました。
④ DX(デジタルトランスフォーメーション)支援事業当社が自社開発し、10年以上の運用実績がある独自システムを活用して、顧客の働き方や施設の維持保全等に関るDX化を推進するDX支援事業を前事業年度より開始しました。DX化による働き方改革に取り組む企業や団体が増えている中、働く人が自らのアクティビティを可視化して生産性向上につなげるシステムMeihoAMS(※2)、建設プロジェクトや施設の維持保全業務を可視化・一元管理することでDX化を支援するシステムMPS(※3)への関心が高まっております。当事業年度は、独自システムの更なる機能追加のシステム開発等を行い、また、2023年1月より、新たな組織として「DX推進部」を設置することで更なる顧客のDX化への支援を推進しております。DXサービス事業開始2期目となる当事業年度のDX支援事業は、多くの引き合いを頂き、売上高は、180百万円(前年同期比33.9%増)、セグメント利益41百万円(前年同期比5.2%減)となりました。
※1 粗利益は、顧客との契約金額から外注費を控除したもの。※2 MeihoAMS(Meiho Activity Management System)は、個人のアクティビティの可視化・定量化・気づきの確認、そして社員一人ひとり及び全社員の生産性や働き方向上を目的とするマンアワーシステム。※3 MPS(Meiho Project Management System)は、新設プロジェクト管理情報や施設の維持保全に関する情報を可視化・データベース化することで、効率的なプロジェクトの推進や計画的な維持保全及び「過去からの学び」を目的とする、情報の一元管理システム。
・社会事業としてのCMによる脱炭素の推進について世界的に脱炭素の推進が広がる中、日本国内でも2030年までの温室効果ガスの削減目標の大幅な引き上げ、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル宣言」により、企業・自治体の気候変動に対する取り組みが活発化しており、今後の動きも更に加速すると考えています。このように脱炭素へ関心が高まる中で、当社では脱炭素化支援CMを社会事業として位置づけ、全社員が一丸となって取り組んでおります。当社は15年前に「環境CM方針」を定め、顧客側に立つ社内の建築や設備のプロがオフィスやビルの環境負荷の低減や環境に配慮した技術の導入・運用等に関する支援を行い、我が国初のZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)やオフグリッドシステム(電力会社などの送電網につながっていない、独立型電力システム)を実現し、顧客の脱炭素化の実現に貢献して参りました。このような取り組みの中で、2023年4月より、新たに「脱炭素CM部」を設置し、全社員が脱炭素に取り組む中、CM(発注者支援事業)としての脱炭素化支援を、DXを活用した革新的なアウトプットを開発する等、サービスレベルを更に高めております。
(生産、受注及び販売の状況)
(1)生産実績当社における生産状況は、施工管理、施工技術、機械力、資金力及び資材調達力等の総合によるものであり、工事内容が多様化しており、また当社自体で生産している割合が低いことから具体的に表示することが困難であるため、記載を省略しております。
(2)受注実績当事業年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当事業年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日)
金額(千円)
前年同期比(%)
オフィス事業
1,055,629
126.2
CM事業
3,304,783
120.8
CREM事業
970,419
109.9
DX支援事業
141,996
187.7
合計
5,472,828
120.8
(3)販売実績当事業年度の販売状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当事業年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日)
金額(千円)
前年同期比(%)
オフィス事業
926,893
△0.7
CM事業
2,880,991
17.1
CREM事業
774,066
5.8
DX支援事業
180,004
33.9
合計
4,761,955
11.8
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)文中における将来に関する事項は、当事業年度末(2023年3月31日)現在において当社が判断したものであります。(1)重要な会計方針及び見積り当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、財政状態及び経営成績に関する以下の分析が行われております。当社経営陣は、財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければなりません。経営陣は、収益の認識、対応する原価の計上、貸倒損失、税効果、偶発事象や訴訟等に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判断しにくい資産・負債の簿価及び収入・費用の報告数字についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5経理の状況 2財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(2)財政状態の分析当社の当事業年度の財政状態は、以下の通りであります。①資産の部流動資産は、前事業年度末に比べて、691百万円増加し、5,472百万円となりました。これは、契約資産が946百万円増加したことなどによります。固定資産は、前事業年度末に比べて、209百万円増加し、1,148百万円となりました。この結果、総資産は、前事業年度末に比べ901百万円増加し、6,620百万円となりました。②負債の部流動負債は、前事業年度末に比べて、512百万円増加し、1,263百万円となりました。これは、賞与引当金が202百万円増加したことなどによります。固定負債は、前事業年度末に比べて、48百万円増加し、733百万円となりました。 この結果、負債合計は、前事業年度末に比べ561百万円増加し、1,996百万円となりました。③純資産の部純資産合計は、前事業年度末に比べて、340百万円増加し、4,624百万円となりました。これは、利益剰余金が314百万円増加したことなどによります。
(3)経営成績の分析当社の当事業年度の経営成績は、建設投資の実行に関する様々な課題の難度が高まる中で、発注者を支援する当社への期待が更に高まり、売上総利益、営業利益、経常利益、当期純利益ともに過去最高を記録しました。
区分ごとの主な内容は、以下の通りであります。①売上高当事業年度の売上高は4,761百万円となりました。②売上原価当事業年度の売上原価は2,228百万円であり、前期に比べ249百万円増加しました。③販売費及び一般管理費当事業年度の販売費及び一般管理費は1,574百万円であり、前期に比べ158百万円増加しました。これは主として、賞与引当金繰入額の増加81百万円であります。④営業利益当事業年度の営業利益は958百万円であり、前期に比べ93百万円増加しました。⑤営業外収益・費用当事業年度の営業外収益は2百万円であり、主として未払配当金除斥益850千円であります。営業外費用は16千円であり、主として固定資産除却損15千円であります。⑥経常利益当事業年度の経常利益は960百万円であり、前期に比べ95百万円増加しました。当事業年度の経常利益目標920百万円(実績960百万円)を上回りました。
(4)流動性及び資金の源泉①キャッシュ・フロー当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前事業年度末に比べ336百万円減少し、1,598百万円となりました。当事業年度末の各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果取得した資金は、210百万円となりました(前事業年度は971百万円の取得)。 取得の主な内訳は、税引前当期純利益の増加960百万円であります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果支出した資金は、210百万円となりました(前事業年度は166百万円の支出)。 支出の主な内訳は、投資有価証券の取得による支出100百万円であります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果支出した資金は、336百万円となりました(前事業年度は308百万円の支出)。 支出の主な内訳は、配当金の支払額336百万円であります。②資金需要当社の運転資金需要のうち主なものは、顧客の要望に基づきアットリスクCM方式にて対応することになる一時的な資金負担部分であります。当該部分について支払と回収のタイムラグを回避する工夫を行う等、運転資金需要を抑制するようにしております。
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