【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間は、経済活動の正常化に向けた動きが加速する一方、原材料価格の高騰やエネルギー価格の高止まり、インフレ進行に伴う消費者の行動変容など、依然として先行き不透明な状況が継続しました。
当第1四半期連結累計期間の売上高は、国内外グループ各社の価格改定や米国キーストーンナチュラルホールディングス社の新規連結などもあり、増収となりました。営業利益は、海外食品事業および香辛・調味加工食品事業が減益となるなか、外食事業・その他食品関連事業・健康食品事業が好調に推移した結果、減益ながらも前年同期並みの利益水準を確保しました。経常利益は減益、親会社株主に帰属する四半期純利益は、当社連結子会社であるハウス食品㈱における退職給付制度の改定に伴う退職給付制度改定益を計上したことから、増益となりました。
なお、2022年9月30日付での米国キーストーンナチュラルホールディングス社との企業結合について、当第1四半期連結会計期間に同社取得原価の配分(PPA)が完了いたしました。前年同期との比較・分析にあたっては、PPAの内容を反映させた金額を用いております。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」をご参照ください。
これらの結果、当社グループの経営成績は以下のとおりとなりました。
2024年3月期 第1四半期
金額(百万円)
前年同期比(%)
売上高
70,453
106.2
営業利益
4,914
98.9
経常利益
5,252
93.9
親会社株主に帰属する四半期純利益
7,978
221.8
セグメント別の経営成績の概況(セグメント間取引消去前)は、次のとおりであります。
事業の種類別
セグメント
売上高
営業利益
(セグメント利益又は損失(△))
金額(百万円)
前年同期比(%)
金額(百万円)
前年同期比(%)
香辛・調味加工食品事業
29,594
104.5
1,794
79.7
健康食品事業
4,136
100.6
589
126.7
海外食品事業
13,441
124.5
1,175
67.3
外食事業
12,897
113.8
930
482.8
その他食品関連事業
12,858
92.4
532
146.9
小計
72,927
106.5
5,020
100.0
調整(消去)
△2,474
-
△106
-
合計
70,453
106.2
4,914
98.9
(注)1.調整(消去)の内容は、セグメントに配分していない損益およびセグメント間取引に係る相殺消去であります。
<香辛・調味加工食品事業>
家庭用事業は収益力の回復を最大のテーマとして取り組むなか、前期に引き続き本年6月以降、順次価格改定を実施しております。売上面は、前回を上回る改定前の需要発生やその反動などが見受けられましたが、カレー製品群を中心に堅調に推移しました。業務用事業は、本年4月よりハウス食品の業務用事業とギャバンを統合した新生ハウスギャバンとして活動をスタートしており、経済活動再開に伴う需要の回復を背景に売上高は底堅く推移しました。利益面は、前期実施した価格改定の効果もありましたが原材料価格高騰によるコスト増を吸収するには至らず、減益となりました。
以上の結果、香辛・調味加工食品事業の売上高は295億94百万円、前年同期比4.5%の増収、営業利益は17億94百万円、前年同期比20.3%の減益となりました。結果、売上高営業利益率は6.1%となり、前年同期より1.9pt減少いたしました。
<健康食品事業>
当事業セグメントは、国内事業の持続的な収益確保とグローバルでの機能性素材系バリューチェーンの構築に取り組んでおります。
当第1四半期連結累計期間は、「ウコンの力」や注力する「1日分のビタミンゼリー」が好調に推移した一方、「まるでスムージー」など一部製品群の販売苦戦もあり、前年同期と同水準の売上高となりました。利益面は、コストコントロールを徹底したことから増益となりました。
以上の結果、健康食品事業の売上高は41億36百万円、前年同期比0.6%の増収、営業利益は5億89百万円、前年同期比26.7%の増益となりました。結果、売上高営業利益率は14.2%となり、前年同期より2.9pt向上しております。
<海外食品事業>連結対象期間:主として2023年1月~3月
米国豆腐事業は、ハウスフーズアメリカ社が価格改定効果や為替影響などにより増収増益となったほか、キーストーンナチュラルホールディングス社も当初計画どおり黒字化を達成しましたが、事業全体では同社買収に伴うのれん等の償却負担もあり、増収減益となりました。
中国カレー事業は、ゼロコロナ政策解除後の感染再拡大の影響を受ける結果となりました。家庭用事業は、本年1月を中心とした内食需要の高まりや価格改定効果が寄与し増収増益となりました。業務用事業は、本年1月を底に2月以降回復基調に転じたものの、コロナ感染者急増に伴う受注減により減収減益となりました。結果、事業全体では増収減益となりました。
タイ機能性飲料事業は、コロナ後の都市部への人流回帰や政府支援策の終了等によるトラディショナルトレードの不振に加え、経済活動の再開に伴い飲料市場全体において急激な変化が生じていることから、前期第4四半期連結会計期間の販売促進により生じた流通在庫の適正化に時間を要し、大幅な減収減益となりました。
以上の結果、海外食品事業の売上高は134億41百万円、前年同期比24.5%の増収、営業利益は11億75百万円、前年同期比32.7%の減益となりました。結果、売上高営業利益率は8.7%となり、前年同期より7.4pt減少いたしました。
<外食事業>連結対象期間:㈱壱番屋は2023年3月~5月、海外子会社は2023年1月~3月
当事業セグメントは、国内店舗におけるマーケティング施策の強化および新業態の育成を推進しております。
㈱壱番屋は、前期に実施した価格改定により客単価は大きく上昇したほか、より多くのお客様の来店動機につなげるためのメニュー施策を実施したこともあり客数も前年同期の水準を上回りました。海外店舗は新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴う各種規制がなくなったことなどから、好調に推移しました。
以上の結果、外食事業の売上高は128億97百万円、前年同期比13.8%の増収、営業利益は9億30百万円、前年同期比382.8%の増益となりました。結果、売上高営業利益率は7.2%となり、前年同期より5.5pt向上いたしました。
<その他食品関連事業>
㈱デリカシェフは、総菜の販売に苦戦したものの、原材料費や労務費などの削減に取り組み増益を確保しました。
㈱ヴォークス・トレーディングは、前年同期に発生したMA米(ミニマム・アクセス米)落札増加の反動影響を受けましたが、外食需要の回復や輸出商材が好調に推移したことなどにより、減収増益となりました。
以上の結果、その他食品関連事業の売上高は128億58百万円、前年同期比7.6%の減収、営業利益は5億32百万円、前年同期比46.9%の増益となりました。結果、売上高営業利益率は4.1%となり、前年同期より1.5pt向上いたしました。
(2)財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の財政状態は以下のとおりであります。
総資産は、4,047億38百万円となり、前連結会計年度末に比べて78億28百万円の増加となりました。
流動資産は、商品及び製品が増加した一方で、受取手形及び売掛金や有価証券が減少したことなどから、27億7百万円減少の1,522億17百万円となりました。固定資産は、投資有価証券や退職給付に係る資産、建設仮勘定が増加したことや、㈱竹井の株式取得に伴いのれんが増加したことなどから、105億36百万円増加の2,525億22百万円となりました。
負債は、957億8百万円となり、前連結会計年度末に比べて1億33百万円の増加となりました。
流動負債は、未払金が減少したことなどから、27億59百万円減少の538億95百万円となりました。固定負債は、繰延税金負債が増加したことなどから、28億92百万円増加の418億13百万円となりました。
純資産は、退職給付に係る調整累計額が減少した一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益により利益剰余金が増加したほか、保有する投資有価証券の時価上昇によりその他有価証券評価差額金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べて76億95百万円増加の3,090億30百万円となりました。
この結果、当第1四半期連結会計期間末の自己資本比率は69.2%(前連結会計年度末は68.6%)、1株当たり純資産は2,872円17銭(前連結会計年度末は2,791円56銭)となりました。
なお、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定に伴い、前連結会計年度については、取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額を使用しております。詳細は「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」をご参照ください。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について、重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は10億75百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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