【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営成績の分析当第2四半期連結累計期間の売上高は1兆2,264億円(前年同期比1,575億円・14.7%増加)、営業利益は1,428億円(同403億円・39.4%増加)、経常利益は1,448億円(同294億円・25.4%増加)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,053億円(同223億円・26.9%増加)となりました。第2四半期連結累計期間に純利益が1,000億円を超えたのは初めてです。なお、当第2四半期連結累計期間の為替換算レートは、米ドル135円(前年同期比12円の円安)、ユーロ146円(同12円の円安)でした。当期の市場環境は、アウトドアレジャー需要が落ち着き、中国経済回復遅れなどもありましたが、大型船外機や二輪車需要は堅調に推移しました。売上高は、サプライチェーンの混乱が生じた前年に比べ供給量が改善したことで、増収となりました。営業利益は、販売台数の増加に加え、原材料などコスト高騰に対する価格転嫁の効果拡大により、増益となりました。円安によるプラスの効果もあり、第2四半期連結累計期間における売上高・各利益はともに過去最高となりました。当期は、現中期経営計画で掲げているポートフォリオ経営の取り組みが進みました。事業構造改革の進捗として、パワープロダクツ事業の事業譲渡契約締結(注)に加えて、スノーモビル事業及びプール事業からの撤退を決定しました。また、新規事業・成長事業の開発力強化のため、連結子会社ヤマハモーターエレクトロニクス株式会社との合併について検討を開始しました。(注)譲渡の実行は、競争法その他の法令上必要なクリアランス・許認可等の取得を前提とします。
セグメント別の概況
〔ランドモビリティ〕売上高7,950億円(前年同期比1,063億円・15.4%増加)、営業利益694億円(同327億円・88.9%増加)となりました。二輪車事業では、欧米において需要が引き続き堅調に推移しました。新興国では経済回復が進み、アジアを中心に多くの国で需要が増加しました。当社の売上高は、インドネシア・ブラジル・フィリピンなどで販売台数が増加したことで増収となりました。営業利益は、販売台数増加に加え、価格転嫁の効果拡大や円安によるプラス効果により、増益となりました。
RV事業(四輪バギー、レクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル(ROV)、スノーモビル)では、アウトドアレジャーブームにより急増した需要の落ち着きに伴い、出荷が減少しました。一方、前年に新型コロナウイルス感染症拡大で悪化した米国工場の生産効率改善に加え、円安によるプラス効果もあり、増収・増益となりました。SPV事業(電動アシスト自転車、e-Kit、電動車いす)では、市場で在庫調整が継続しており、当社も生産調整を行いました。一方、上海ロックダウンの影響を大きく受けた前年と比較するとe-Kitの販売台数が増加し、増収・増益となりました。
〔マリン〕売上高2,998億円(前年同期比438億円・17.1%増加)、営業利益684億円(同188億円・38.0%増加)となりました。欧米の中小型船外機の需要に落ち着きが見られましたが、大型船外機の需要は引き続き堅調に推移しました。東南アジアや中国では、漁業・観光市場の回復により好調な需要が継続しました。当社は、北米で大型船外機の販売が増加した一方、欧州での販売が減少した影響で、船外機全体の販売台数が減少しました。ウォータービークルでは、強い需要が継続したことに加え、米国工場の生産効率が改善し、販売台数が増加しました。円安によるプラス効果もあり、マリン事業全体で増収・増益となりました。
〔ロボティクス〕売上高460億円(前年同期比118億円・20.4%減少)、営業利益4億円(同78億円・95.3%減少)となりました。サーフェスマウンターは、先進国で車載・産業機器向けの需要が堅調に推移しました。当社は、中国経済の回復遅れ、スマートフォンやパソコンなどの民生機器向け需要減少の影響を受け、中国・台湾・韓国で販売が減少しました。半導体後工程装置も、民生機器需要が依然低迷している影響を受け、販売が減少しました。その結果、ロボティクス事業全体で減収・減益となりました。
〔金融サービス〕売上高385億円(前年同期比105億円・37.4%増加)、営業利益43億円(同50億円・54.2%減少)となりました。販売台数の増加に伴い、全地域で販売金融債権が増加し、増収となりました。一方、急激な金利上昇の資金調達コストへの影響に加え、債権増加に伴う貸倒引当費用の増加、ブラジルなどでの金利スワップ評価損の発生により、減益となりました。
〔その他〕売上高472億円(前年同期比87億円・22.6%増加)、営業利益3億円(前年同期:営業損失14億円)となりました。米国工場の生産効率改善によりゴルフカーの販売台数が増加し、増収・増益となりました。
なお、各セグメントの主要な製品及びサービスは以下のとおりです。
セグメント
主要な製品及びサービス
ランドモビリティ
二輪車、中間部品、海外生産用部品、四輪バギー、レクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル、スノーモビル、電動アシスト自転車、電動アシスト自転車ドライブユニット(e-Kit)、電動車いす、自動車用エンジン、自動車用コンポーネント
マリン
船外機、ウォータービークル、ボート、プール、漁船・和船
ロボティクス
サーフェスマウンター、半導体製造装置、産業用ロボット、産業用無人ヘリコプター
金融サービス
当社製品に関わる販売金融及びリース
その他
ゴルフカー、発電機、汎用エンジン、除雪機
(2) 財政状態の分析当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前期末比2,930億円増加し、2兆4,763億円となりました。流動資産は、二輪車等の販売シーズンを迎え販売金融債権や売掛金などが増加したことなどにより、同1,936億円増加しました。固定資産は、販売金融債権の増加などにより同994億円の増加となりました。負債合計は、運転資金の増加等による有利子負債の増加などにより同1,567億円増加し、1兆2,857億円となりました。純資産合計は、配当金の支払228億円、親会社株主に帰属する四半期純利益1,053億円、為替換算調整勘定の増加642億円などにより同1,363億円増加し、1兆1,906億円となりました。これらの結果、自己資本比率は45.9%(前期末:45.9%)、D/Eレシオ(ネット)は0.36倍(同:0.31倍)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕税金等調整前四半期純利益1,437億円(前年同期:1,203億円)や減価償却費306億円(同:287億円)、棚卸資産の減少48億円(同:228億円の増加)などの収入に対して、販売金融債権の増加809億円(同:251億円の増加)、法人税等の支払額470億円(同:316億円)、売上債権の増加136億円(同:269億円の増加)などの支出により、全体では482億円の収入(同:434億円の収入)となりました。
〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕固定資産の取得による支出487億円(前年同期:371億円の支出)、投資有価証券の取得による支出81億円(同:75億円の支出)などにより、529億円の支出(同:196億円の支出)となりました。
〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕配当金の支払や自己株式の取得などによる支出がありましたが、有利子負債の増加などにより163億円の収入(前年同期:203億円の収入)となりました。
これらの結果、当第2四半期連結累計期間のフリー・キャッシュ・フローは47億円のマイナス(前年同期:238億円のプラス)、現金及び現金同等物の四半期末残高は3,199億円(前期末比:231億円の増加)となりました。当第2四半期連結会計期間末の有利子負債は7,287億円(同:1,260億円の増加)となりました。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費は、519億円となりました。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 生産、受注及び販売の実績当第2四半期連結累計期間において、金融サービスセグメントにおける収益が著しく増加しました。詳細は、「(1)経営成績の分析」をご参照ください。
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