【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)財政状態及び経営成績の状況
(2024年3月期第2四半期連結累計期間におけるハイライト)
当社グループは、企業理念である「すべての「夢」の実現」に向けて、玩具事業の強化をさらに進め、強固な経営基盤を築くとともに、海外展開を推進し、真の国際優良企業(Outstanding Global Company)への変革に取り組んでおります。また、2024年3月期においては、2022年3月期よりスタートした中期経営計画の最終年度として、経済活動や消費者の行動変化へ柔軟に対応を行い、中期経営計画の各施策達成に向かって取り組んでまいります。
なお、当社を取り巻く経営環境については、新型コロナウイルス感染症による行動制限等が緩和され社会経済活動が回復するなか、世界的な地政学的リスクの高まりによる、原材料価格の高騰やインフレーション、そして為替の急激な変動など、不透明感の高い状況が依然として続きました。
(連結業績について)
・売上高
定番商品においては、子どもだけでなく大人に対しても魅力ある商品の企画開発と販売強化に引き続き努めました。「プラレール」においては、これまでの子ども向けに加え、大人向けに「飾る楽しみ」と「走らせる楽しみ」を両立した「プラレール リアルクラス」の展開を6月にスタートさせました。「リカちゃん」では、1980年代に誕生し人気を集めたファッションドール「ジェニー」を「#Licca(ハッシュタグ リカ)」シリーズのフレンドドールとして8月に復活させるなど、年齢軸の拡大に努めました。
また、テレビ・WebでのIP展開として、動かして遊べる動物フィギュア「アニア」初のテレビアニメとなる『冒険大陸 アニアキングダム』を4月より開始するなど玩具とコンテンツの連動を図りました。
グループ会社では、タカラトミーアーツが展開するガチャ事業において、大型ガチャ売場の設置拡大とヒットコンテンツを使った大人向け商品の拡大等により売上が伸長いたしました。さらに、小売事業キデイランドでは訪日外国人観光客を含めた人流の回復により販売が伸長するとともに、中国においては、前年第1四半期に行われていたロックダウンの反動もあり販売が復調いたしました。
以上により、売上高については96,078百万円(前年同期比7.9%増)となりました。
・利益面
売上高の増加及び輸送費の落ち着き等による原価率の改善から売上総利益が伸長したとともに、販売費及び一般管理費における物流費の減少などから、営業利益は8,013百万円(前年同期比33.3%増)、経常利益については7,361百万円(前年同期比50.4%増)となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益については5,613百万円(前年同期比75.8%増)となりました。
(経営成績の概況)
<セグメント別業績の概況>
(単位:百万円)
2023年3月期
第2四半期
2024年3月期
第2四半期
増減
増減率(%)
売上高
89,035
96,078
7,042
7.9
日本
72,575
79,881
7,306
10.1
アメリカズ
14,019
13,598
△420
△3.0
欧州
3,179
2,861
△317
△10.0
オセアニア
1,459
1,248
△210
△14.4
アジア
32,186
29,379
△2,806
△8.7
消去又は全社
△34,383
△30,891
3,491
-
営業利益又は営業損失(△)
6,010
8,013
2,003
33.3
日本
7,733
10,116
2,382
30.8
アメリカズ
△489
△459
30
-
欧州
△135
△302
△167
-
オセアニア
59
136
76
129.3
アジア
1,377
904
△473
△34.4
消去又は全社
△2,535
△2,381
154
-
<日本>
(単位:百万円)
2023年3月期
第2四半期
2024年3月期
第2四半期
増減
売上高
72,575
79,881
7,306
営業利益
7,733
10,116
2,382
定番商品においては、子どもだけでなく大人に対しても魅力ある商品の企画開発と販売強化に引き続き努めており、「プラレール」では、これまでの子ども向けの商品に加え、大人向けに「飾る楽しみ」と「走らせる楽しみ」を両立した、「プラレール リアルクラス」の展開を6月にスタートさせました。「リカちゃん」では1980年代に誕生し人気を集めたファッションドール「ジェニー」を「#Licca(ハッシュタグ リカ)」シリーズのフレンドドールとして8月に復活させるなど、年齢軸の拡大に努めました。「トランスフォーマー」においては、新作映画公開に伴い映画のキャラクターをイメージした最新デザインの関連玩具を新たに発売したものの厳しい海外玩具市場の影響などから輸出が期待値には届きませんでした。
さらに、現代版ベーゴマ「ベイブレード」の第4世代となる「BEYBLADE X(ベイブレードエックス)」では、「ベイブレードは、スポーツへ。」をテーマに7月に玩具シリーズを発売いたしました。また、大型イベントをスタートさせるとともに、1999年の初代発売から24年となる歴史とブランドの魅力から大人にも人気が拡大いたしました。さらに、メタバースを活用したオンラインゲーミングプラットフォーム「Roblox」でのコンテンツ強化に向けてクリエイターコンテストを実施する等のデジタル連動を図りました。
テレビ・WebでのIP展開としては、今期発売10周年を迎えた動かして遊べる動物フィギュア「アニア」において、新たな定番商品として拡販に努めるとともに、4月よりテレビアニメ『冒険大陸 アニアキングダム』の放送を開始しました。また、「トミカ」「プラレール」「アニア」から生まれた個性豊かなキャラクターがおりなすアニメ『ゴー!ゴー!びーくるずー』ではタカラトミー公式YouTubeチャンネルに加えて、4月からテレビ放送を開始するなど、当社が保有するIPの積極展開に取り組みました。
イベント事業においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から開催を中止していた「トミカ博」「プラレール博」など各種イベントをゴールデンウィークより再開し好評を博しました。また、小売事業キデイランドでは訪日外国人観光客を含めた人流の大幅な回復により販売が伸長いたしました。タカラトミーアーツが展開するガチャ事業では、大型ガチャ売場の設置拡大とヒットコンテンツを使った大人向け商品の拡大等により売上が引き続き伸長いたしました。アミューズメントマシンでは「ポケモンメザスタ」が好評を博しました。
デジタル事業においては、カードゲームアプリ「デュエルマスターズ・プレイス」が人気キャラクターとのコラボなどによりビジネスを拡大させるとともに、ロングセラー盤ゲーム「人生ゲーム」のNintendo Switch 専用ソフトを10月に発売することを発表いたしました。さらに、タカラトミーアーツでは8月よりバーチャルアイドルライフアプリ「アイドルランドプリパラ」の展開をスタートさせるなど、自社IPのデジタル展開を進めました。
9月には「おもちゃ屋が選んだクリスマスおもちゃ2023」において、タカラトミーグループでは8部門中2部門で1位を獲得したほか、2位から入賞までを含めると20アイテムがランクインするなど、高い評価を得ることができました。
以上の結果、売上高については79,881百万円(前年同期比10.1%増)、営業利益は10,116百万円(同30.8%増)となりました。
<アメリカズ>
(単位:百万円)
2023年3月期
第2四半期
2024年3月期
第2四半期
増減
売上高
14,019
13,598
△420
営業損失(△)
△489
△459
30
ベビー用品の販売が好調に推移するとともに、日本においてタカラトミーアーツが展開するぬいぐるみシリーズ「もっちぃもっちぃ、海外商品名:Club Mocchi- Mocchi-」の販売が伸長いたしました。一方で、ファット・ブレイン・グループの販売が減少したこと等もあり、売上高は13,598百万円(前年同期比3.0%減)、営業損失は459百万円(前年同期営業損失489百万円)となりました。
<欧州>
(単位:百万円)
2023年3月期
第2四半期
2024年3月期
第2四半期
増減
売上高
3,179
2,861
△317
営業損失(△)
△135
△302
△167
日本においてもロングセラー商品であるパーティーゲーム「黒ひげ危機一発、海外商品名: Pop-Up Pirate」をはじめとしたゲーム玩具等の販売が堅調に推移したものの、ベビー用品等の販売が減少したこともあり、売上高は2,861百万円(前年同期比10.0%減)、営業損失は302百万円(前年同期営業損失135百万円)となりました。
<オセアニア>
(単位:百万円)
2023年3月期
第2四半期
2024年3月期
第2四半期
増減
売上高
1,459
1,248
△210
営業利益
59
136
76
農耕車両玩具の販売が堅調に推移し、ぬいぐるみ「Club Mocchi- Mocchi-」の販売が好調に推移したものの、ベビー用品等の販売が減少したこともあり、売上高は1,248百万円(前年同期比14.4%減)となりました。一方で、営業利益は輸送費の落ち着き等による原価率の改善から売上総利益が伸長したことにより136百万円(同129.3%増)となりました。
<アジア>
(単位:百万円)
2023年3月期
第2四半期
2024年3月期
第2四半期
増減
売上高
32,186
29,379
△2,806
営業利益
1,377
904
△473
「トミカ」や「ポケモン」関連商品などが好調に推移したことに加え、タカラトミーアーツのアミューズメントマシン「ポケモンガオーレ」の好調が継続いたしました。また、中国においては、前年第1四半期に行われていたロックダウンの反動もあり販売が復調いたしました。さらに、台湾・香港においては日本と同時期の7月に第4世代「BEYBLADE X」の販売をスタートいたしました。
一方で、生産子会社であるTOMY (Hong Kong) Ltd.における欧米向け出荷が減少したこともあり、売上高は29,379百万円(前年同期比8.7%減)、営業利益は904百万円(同34.4%減)となりました。
財政状態(連結)の変動状況は次のとおりであります。
<資産>
流動資産は、前連結会計年度末に比較して13,275百万円増加し、124,940百万円となりました。これは主として、受取手形及び売掛金、商品及び製品が増加したことによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比較して1,368百万円増加し、49,223百万円となりました。これは主として、有形固定資産の減少があった一方で、無形固定資産が増加したことによるものです。
<負債>
流動負債は、前連結会計年度末に比較して7,503百万円増加し、60,560百万円となりました。これは主として、支払手形及び買掛金、短期借入金が増加したことによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比較して2,971百万円減少し、16,323百万円となりました。これは主として、繰延税金負債の増加があった一方で、長期借入金が減少したことによるものです。
<純資産>
純資産は、前連結会計年度末に比較して10,112百万円増加し、97,279百万円となりました。これは主として、為替換算調整勘定、利益剰余金が増加したことによるものです。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比較して3,344百万円減少し、63,015百万円となりました。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
営業活動によるキャッシュ・フローは、5,022百万円の収入(前年同四半期は2,862百万円の支出)となりました。これは主として、売上債権の増加7,570百万円等があった一方で、税金等調整前四半期純利益7,374百万円、仕入債務の増加5,845百万円等があったことによるものです。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
投資活動によるキャッシュ・フローは、2,213百万円の支出(前年同四半期は1,087百万円の支出)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出739百万円、無形固定資産の取得による支出844百万円等があったことによるものです。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
財務活動によるキャッシュ・フローは、7,005百万円の支出(前年同四半期は5,581百万円の支出)となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出4,363百万円、配当金の支払額1,382百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出1,418百万円等があったことによるものです。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当連結会社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、2,130百万円であります。 なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
#C7867JP #タカラトミー #その他製品セクター