【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績当第1四半期連結累計期間における世界経済は、ウクライナ情勢長期化やインフレ抑制のための利上げによる景気減速の懸念が続いていることに加え、原材料、エネルギー価格の高騰や急激な為替変動など、先行き不透明な状況が継続しております。一方、自動車業界では半導体の供給不足が緩和され、自動車主要顧客の生産は回復傾向にあります。わが国経済においては、行動制限の緩和に伴う経済活動の正常化を背景に、個人消費の緩やかな回復が見られ、設備投資についても堅調な需要に支えられております。
このような市場環境下、当社グループの当第1四半期連結累計期間における業績につきましては、自動車業界における半導体の供給不足が緩和されたことによる需要回復、エネルギー分野における好調な需要や為替の円安影響を受け、売上高は、前年同四半期比8.7%増収の29,979百万円となりました。利益面につきましては、営業利益は、前年同四半期比60.5%増益の894百万円となりました。また、経常利益は、前年同四半期比30.4%増益の849百万円となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同四半期比167.4%増益の169百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。なお、セグメント間の内部売上高又は振替高は、セグメントの売上高に含めております。
① 自動車用エンジン軸受日本国内の当第1四半期連結累計期間の新車販売台数は、コロナ禍の影響を受けた大きな落ち込みからの反動や、半導体の供給不足の緩和により自動車の生産数が増えたことで、前年同四半期に比べ増加しました。また海外においても、半導体の供給不足が緩和された影響により米国、欧州で増加しました。他方、中国は需要の後退により減少しました。そのような状況下、当社グループの国内、海外の売上高は前年同四半期に比べ増加したことから、当セグメントの売上高は、前年同四半期比9.7%増収の16,606百万円、セグメント利益は、前年同四半期比26.4%増益の1,991百万円となりました。
② 自動車用エンジン以外軸受自動車用エンジン軸受と同様に半導体の供給不足の緩和により、緩やかな回復傾向が見え始めておりますが、一部で在庫調整などの影響があり、当セグメントの売上高は、前年同四半期比0.8%減収の4,936百万円、セグメント利益は、前年同四半期比4.6%減益の693百万円となりました。
③ 非自動車用軸受・船舶分野2023年6月末の手持ち工事量は2,234万総トンと前年同四半期末と比べ微増となりました。脱炭素の流れを受け、液体燃料とガス燃料双方を切り替えて運転可能なエンジンの需要増加や、コロナ禍からの回復によるサービスパーツの好調により、売上高は前年同四半期に比べ増加しました。・建設機械分野他北米や東南アジア(インドネシアなど)の需要が底堅く推移し、売上高は前年同四半期に比べ増加しました。・一般産業におけるエネルギー分野新型コロナウイルス感染症の影響が落ち着き、発電機タービン用軸受の予備品・サービスパーツの受注が増えたことや石油精製プラント向けの圧縮機用軸受の開拓などが実ったことにより、売上高は前年同四半期に比べ、大幅に増加しました。これらの結果、当セグメントの売上高は、前年同四半期比11.3%増収の3,852百万円、セグメント利益は、前年同四半期比35.1%増益の692百万円となりました。
④ 自動車用軸受以外部品・アルミダイカスト製品タイの自動車業界については半導体の供給不足が緩和された影響により、前年同四半期に比べ、国内生産は増加しております。当社においては、タイの工場(DMキャスティングテクノロジー(タイ)Co.,Ltd.)における新規に納入する電動自動車用部品の需要増加に伴い、売上高は前年同四半期に比べ増加しました。・精密金属加工部品(曲げパイプ、ノックピン、NC切削品などの部品)日米で半導体の供給不足が緩和されたことによる需要増加や為替の円安影響を受けて、売上高は前年同四半期に比べ増収となりました。しかし、中国向けでは需要が後退し、セグメント利益については前年同四半期に比べ減少しました。これらの結果、当セグメントの売上高は、前年同四半期比10.4%増収の4,467百万円、セグメント損失は、725百万円(前年同四半期はセグメント損失507百万円)となりました。
⑤ その他代理店向け金属系無潤滑軸受は市況の回復に伴う受注の増加や、ポンプ関連製品事業では先送り傾向のあった設備投資の再開による旺盛な需要に支えられ、電気二重層キャパシタ用電極シート、金属系無潤滑軸受事業及びポンプ関連製品事業及び不動産賃貸事業等を加えた当セグメントの売上高は、前年同四半期比36.3%増収の662百万円、セグメント利益は、前年同四半期比23.6%増益の91百万円となりました。
(2) 財政状態(総資産)当第1四半期連結会計期間の総資産は、前連結会計年度末に比べ3.7%増加し、179,797百万円となりました。これは主に現金及び預金、原材料及び貯蔵品が増加したことによります。(純資産)当第1四半期連結会計期間の純資産は、前連結会計年度末に比べ1.8%増加し、71,704百万円となりました。これは主に為替換算調整勘定、その他有価証券評価差額金が増加したことによります。(自己資本比率)当第1四半期連結会計期間の自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ0.7ポイント減少し、34.6%となりました。
(3) キャッシュ・フロー当第1四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、23,202百万円となり、前年同四半期末に比べ6,304百万円(37.3%)の増加となりました。当第1四半期連結累計期間に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動において獲得した資金は、4,823百万円(前第1四半期連結累計期間は937百万円の使用)となりました。これは主に、減価償却費による資金の獲得2,339百万円、仕入債務の増加659百万円、税金等調整前四半期純利益849百万円によります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動において使用した資金は、1,674百万円(前第1四半期連結累計期間は1,591百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,463百万円によります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動において獲得した資金は、1,427百万円(前第1四半期連結累計期間は265百万円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金の純増減額が2,350百万円減少した一方、長期借入れによる収入が5,000百万円あったことによります。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に関する重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、549百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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