【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第3四半期連結累計期間は、前年同四半期比で増収増益となりました。日本ではデサントジャパン株式会社が、返品率・値引率を低水準で維持したことに加え、『デサント』ブランドが売上を牽引し、第2四半期連結累計期間に引き続き、営業利益も含めた各利益項目において過去最高益となり、大きな利益貢献を果たしました。韓国では、当第3四半期連結会計期間(7月から9月)においてもアスレチックカテゴリーが引き続き好調でした。中国では、8月以降、各地で新型コロナの拡大により発生したロックダウンの影響があったものの、第2四半期連結会計期間からARENA(SHANGHAI)INDUSTRIAL CO., LTD.(以下、ASH)を連結業績に取り込んでいることが寄与し、前年同四半期比で増収となりました。結果として、当第3四半期連結累計期間における売上高は前年同四半期比12.3%増の86,099百万円となりました。売上総利益は、一部の商品で原価高騰の影響はありましたが前年同四半期比14.2%増の49,599百万円となり、増益となりました。販管費については、販売手数料などの変動費や広告販促費などの増加があったため、前年同四半期比8.3%増の42,298百万円でしたが、売上総利益の増加が販管費の増加を上回り、営業利益は前年同四半期比66.7%増の7,300百万円となり、第2四半期連結累計期間に引き続き増益を果たしました。経常利益は営業利益の増加に加え、韓国の持分法適用関連会社であるARENA KOREA LTD.(以下、AK)および中国の持分法適用関連会社であるDESCENTE CHINA HOLDNIG LIMITED.(以下、DCH)の業績伸長により持分法による投資利益が増加したことで前年同四半期比79.1%増の10,445百万円となりました。2022年8月8日に公表した「持分法適用関連会社の異動(連結子会社化)及び特定子会社の異動に関するお知らせ」のとおり、当第3四半期連結会計期間にLE COQ SPORTIF(NINGBO)CO., LTD.(以下、NLCS)の株式取得に伴う段階取得に係る差益等の特別利益2,132百万円を計上しました。 これらの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は86,099百万円(前年同四半期比12.3%増)、営業利益は7,300百万円(前年同四半期は4,380百万円の営業利益)、経常利益は10,445百万円(前年同四半期は5,832百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する四半期純利益は10,172百万円(前年同四半期比105.4%増)となりました。
報告セグメントの業績は次のとおりであります。在外子会社の決算期は12月であり、各セグメントの業績には持分法適用関連会社の数値は含まれておりません。
(日本)
当第3四半期連結累計期間においては、『デサント』は11月に新作の発売を開始した「水沢ダウン」が好調なこともあり、引き続き増収となっています。また、『アリーナ』においては、各流通で堅調に推移しており、特に直営店でトップスイマーモデルが好調です。また、全体では返品率・値引率も低い水準を維持していることによりセグメント売上高は39,934百万円になり、前年同四半期比で増収となりました。依然として円安の状況は続いておりますが、原価への影響は一部に留まったため、売上総利益は増加し、当セグメント利益も増益となり、4,437百万円となりました。以上のことから日本セグメントとしては、過去最高益となりました。これらの結果、日本での売上高は39,934百万円(前年同四半期比10.0%増)、セグメント利益は4,437百万円(前年同四半期は2,186百万円のセグメント利益)となりました。(韓国)
7月から8月における夏物の販売好調及び9月には秋物の販売が例年より順調に滑り出したことで増収となり、売上高は40,948百万円となりました。特に『アンブロ』は前年同四半期比63.1%増と大きく伸長、ストリートファッション商材やシューズの売上が継続して好調です。その結果、当セグメント利益も増益となり、3,251百万円となりました。なお、当セグメント利益には含まれませんが、持分法適用関連会社であるAKが事業展開する『アリーナ』ブランドは韓国では特にシェアが高く、前年同四半期比でプールの開業率が高まったことを受け、水着の需要が増加し、大幅に業績が伸長しました。これらの結果、韓国での売上高は40,948百万円(前年同四半期比13.1%増)、セグメント利益は3,251百万円(前年同四半期は1,292百万円のセグメント利益)となりました。
(中国) 第2四半期連結会計期間よりASHの業績を中国セグメントに加えたことにより増収となりましたが、8月以降の中国各地でのコロナ再拡大による店舗の一時閉鎖や営業時間の短縮、外出制限等の影響を大きく受け減益となりました。結果としてセグメント売上高3,637百万円、セグメント利益は261百万円となりました。なお、当セグメント利益には含まれませんが、『デサント』ブランドを展開する持分法適用関連会社であるDCHは当第3四半期連結累計期間においても業績が伸長しました。 この結果、中国での売上高は3,637百万円(前年同四半期比16.5%増)、セグメント利益は261百万円(前年同四半期は386百万円のセグメント利益)となりました。
品目別売上高の状況は次のとおりであります。
(アスレチックウェア及びその関連商品) 引き続き全展開エリアで『デサント』が売上を牽引している他、『アリーナ』も堅調に推移したこと及び韓国での『アンブロ』の増収も貢献し、全体として当カテゴリーの売上高は前年同四半期比15.2%増の53,483百万円となりました。(ゴルフウェア及びその関連商品) 日本においては、『デサント』『ルコックスポルティフ』『ランバン スポール』はハイエンドカテゴリーの販売が好調でした。また、銀座にあるゴルフ複合店のDESCENTE GOLF COMPLEX GINZAで前年同四半期に比べ業績が伸長しています。コロナ禍以降、顕著な伸びを見せていたゴルフ市場の成長は鈍化していますが、全体として当カテゴリーの売上高は前年同四半期比7.0%増の25,941百万円となりました。
(全社的な取り組み) 当第3四半期連結累計期間において、持分法適用関連会社であるNLCSの株式を取得し、連結子会社化いたしました。なお、連結業績への取り込みは第4四半期連結会計期間からとなります。今後は中国における『ルコックスポルティフ』のブランドポジションの見直しなどのリブランディングを含む事業整理を実施し、再度成長軌道に乗せることを目指し体制を整えて参ります。 当社は日本において構造改革を順調に進めており、更なる成長のためにDTC事業拡大を目指し、ブランド認知向上のための様々な取り組みを実施しています。『デサント』では、大谷翔平選手が今シーズンに成し遂げた二刀流ならではの“3つの史上初“の達成を記念して「DESCENTE×SHOHEI OHTANI 2022 Anniversary Collection」を発売、12月初旬より予約を開始し、49着限定の「MIZUSAWA DOWN FOR SHOHEI OHTANI」には4,000件を超える応募が集まり、新しいお客様とのつながりを作ることが出来ました。ルミネ新宿にオープンしている期間限定ショップ「DESCENTE ルミネ新宿」には、これまで当社の店舗との接点が少なかった新しいお客様の来店も目立っています。 『アリーナ』は今期から新たに水着等のスポーツウェアに関するアドバイザリー契約を締結している本多灯(ほんだ ともる)選手(所属:日本大学/アリーナつきみ野スポーツクラブ)が第64回日本選手権水泳競技大会男子200mバタフライで短水路世界新記録を樹立し、多くの人にブランドを知っていただく機会となりました。また、ジャパンオープン2022でも着用率1位になるなど、水着ブランドとしての信頼を高めています。 当社はSDGsを実現するために、スポーツを「遊ぶ」ための健康な体と心を育成する取り組みを実施しています。10月に、東京オフィスの所在地である豊島区の公園で、やる人も観る人も一体となって楽しむことが特徴の「アーバンスポーツ」を体験してもらうイベント「スクール オブ アーバンスポーツ in イケサンパーク」を開催しました。DJの音楽に合わせて2本の縄をパフォーマンスしながら跳ぶ“ダブルダッチ”や体の様々な部分を使ったリフティングを見せる“フリースタイルフットボール”などのパフォーマーが世界トップクラスの技を披露すると共に、子どもから大人まで約500人がそれらの競技を体験する機会となりました。韓国ではDESCENTE KOREA LTD.がスポーツ振興活動を目的とした財団法人デサントスポーツ財団に対して、2013年の設立以降、後援金寄付を継続し、スポーツ振興を支援しています。デサントスポーツ財団は、「スポーツルーキー支援」として主に経済的な理由によりスポーツに打ち込むことが困難な環境にある高校生アスリートに対し、訓練支援金の補助やメンタルサポートの提供を行い、対象者の全国大会出場を実現しています。当社は今後もマテリアリティに基づき、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを続けていきます。
財政状態の分析につきましては次のとおりであります。当第3四半期連結会計期間末の資産合計は135,907百万円となり、前連結会計年度末に比べ19,532百万円増加しました。 流動資産は前連結会計年度末に比べ11,989百万円増加し、85,656百万円となりました。これは主に現金及び預金の増加2,665百万円、受取手形及び売掛金の増加2,919百万円、商品及び製品の増加6,104百万円などによるものです。固定資産は前連結会計年度末に比べ7,542百万円増加し、50,250百万円となりました。これは主にのれんの増加3,084百万円などによるものです。負債合計は前連結会計年度末に比べ5,575百万円増加し、35,291百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金の増加3,148百万円、固定負債のその他に含まれるリース債務の増加2,360百万円などによるものです。純資産は前連結会計年度末に比べ13,956百万円増加し、100,615百万円となりました。これは主に利益剰余金の増加8,285百万円、為替換算調整勘定の増加4,350百万円などによるものです。以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ、1.4%減の73.1%となりました。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(3) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間における当社グループが支出した研究開発費の総額は1,240百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。