【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による規制が継続して緩和される一方で、日銀による長期金利の引き上げ、急激な為替の変動やウクライナ情勢、物価高騰により景気の先行きは依然として不透明な状況となっております。
アセットマネジメント事業及び不動産事業が属する不動産市場におきましては、国内外のホテル業界の急速な業績回復に伴い、ホテルアセットに対する劣後投資家の姿勢はより積極的となっており、金融機関のホテル開発事業に対する融資姿勢につきましても新規融資への対応は増加傾向にあります。一方で、不動産市場全体としては、物価高騰及び日銀による長期金利の実質的な引き上げにより、今後の市況については注視が必要な状況にあります。
当社グループにおきましては、新規プロジェクトとして長野県北安曇郡白馬村(白馬)のホテル開発用地取得にかかる条件付売買契約を締結し「長野県白馬新規ホテル開発PJ」をスタートさせました。また、連結子会社匿名組合高瀬川(ブリッジファンド)を組成し10,000百万円の借入を行ったうえで、連結子会社匿名組合五条が保有する「フォションホテル京都」の不動産信託受益権の全てを匿名組合高瀬川に譲渡いたしました。なお、本不動産信託受益権の譲渡取引は連結子会社間の取引であるため連結財務諸表上は相殺消去されております。第4四半期連結会計期間に入りましても、2023年1月19日に開示いたしました「三重県伊勢志摩におけるホテル開発用地取得にかかる売買契約締結に関するお知らせ」のとおり、積極的に物件取得に取り組んでおります。
ホテル業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の規制緩和が進む中でインバウンドの大幅な増加及び政府の旅行支援策もあり、宿泊客は大幅に増加傾向にあります。
当社グループが主力としておりますラグジュアリーホテルの業績改善におきましても、インバウンドの増加は重要な要素と考えております。当社グループのホテル運営事業は、入国規制の緩和により訪日外国人旅行客数は大きく増加し、当第3四半期連結会計期間において営業利益に転換いたしました。今後も、継続した入国規制の緩和により、ホテル運営事業の業績も改善するものと見込んでおります。また、2022年6月17日より、バンヤンツリー・グループのブランド「ダーワ・悠洛 京都」(京都市東山区三条通大橋東入大橋町84)「ギャリア・二条城 京都」(京都市中京区市之町180-1)がリブランドオープンしております。「ダーワ・悠洛 京都」は、現代的なデザインと日本の伝統が美しく融合したブティックホテルとして、「ギャリア・二条城 京都」は、世界遺産二条城に隣接した隠れ家で、国宝二の丸御殿や日本庭園の四季を臨むことができるわずか25室のエクスクルーシブラグジュアリーホテルとなっております。
この結果、当第3四半期連結累計期間においては、売上高2,382,505千円(前年同四半期比85.5%減)、営業損失1,690,700千円(前年同四半期は営業利益3,957,082千円)、経常損失1,715,816千円(前年同四半期は経常利益3,718,114千円)、また、繰延税金負債の取崩等により法人税等調整額を△1,477,592千円を計上したことにより親会社株主に帰属する四半期純損失は175,353千円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純利益2,098,043千円)となりました。
セグメントの業績については、以下のとおりであります。
なお、第1四半期連結会計期間よりセグメントの変更を行っており、前年同四半期連結累計期間との比較・分析は、変更後のセグメント区分に基づいております。旧セグメント「不動産金融事業」及び「ホテル運営事業」は、新セグメント「アセットマネジメント事業」、「不動産事業」及び「ホテル運営事業」に変更しております。
アセットマネジメント事業の売上高は394,853千円(前年同四半期比28.2%減)、営業損失は75,433千円(前年同四半期は営業利益137,513千円)となりました。これは、ブリッジファンドへの売却に伴う報酬を計上したものの、当第3四半期連結累計期間末までに、予定していた大型案件がクローズしていないことによります。
不動産事業の売上高は△20,714千円(前年同四半期は売上高15,103,246千円)、営業損失は1,127,252千円(前年同四半期は営業利益4,951,707千円)となりました。これは、第2四半期連結累計期間に行ったブリッジファンドへの売却は連結財務諸表上消去される取引であり、他の物件売却は第4四半期連結会計期間を予定していること、及び匿名組合分配損の計上により売上高がマイナスとなったことによります。
ホテル運営事業の売上高は2,159,302千円(前年同四半期比96.6%増)、営業損失は251,639千円(前年同四半期は営業損失646,155千円)となりました。当第3四半期連結会計期間のホテルの業績は、インバウンドの増加及び旅行支援策等により大きく改善し営業利益に転換した一方で、第2四半期連結累計期間までの業績、リブランド関連費用を計上したこと等により当第3四半期連結累計期間では営業損失となっております。
(2)財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末における財政状態については、総資産41,815,524千円、負債30,291,482千円、純資産11,524,041千円となりました。
総資産については、前連結会計年度末に比べ、2,429,435千円増加となりました。これは主に、未収還付法人税等及び繰延税金資産が増加したことによるものであります。
負債については、前連結会計年度末に比べ、1,831,236千円増加となりました。これは主に、匿名組合高瀬川において金融機関から借入を行ったことによるものであります。
純資産については、前連結会計年度末に比べ、598,198千円増加となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式発行により資本金及び資本剰余金が増加した一方で、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上及び配当金の支払いにより利益剰余金が減少したことによるものであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当社グループは、2022年3月期から2024年3月期までの「中期経営計画2024」を公表しております。
「中期経営計画2024」に基づく経営指標の推移は以下のとおりです。
経営指標
2022年3月期
実績
2023年3月期
計画
2024年3月期
計画
取扱高(百万円)(注)1
47,686
60,000
100,000
売上高(百万円)
29,029
15,000
20,000
経常利益(百万円)
5,317
6,500
7,500
EBITDA(百万円)(注)2
8,521
7,500
8,500
(注)1.取引案件総額+ホテル運営に係る売上高
2.経常利益+減価償却費+のれん償却費+支払利息等
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
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