【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)業績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による規制が緩和される一方で、急激な円安の進行やウクライナ情勢、物価高騰により景気の先行きは依然として不透明な状況となっております。
アセットマネジメント事業及び不動産事業が属する不動産市場におきましては、ホテルアセットに対する劣後投資家の積極的な姿勢が続いており、金融機関のホテル開発事業に対する融資姿勢につきましても、新規融資への対応は増加傾向にあります。一方で、上場不動産投資信託(J-REIT)市場においては、実物不動産市場とは異なった動きとなっており、特にホテルセクターについてはNAV倍率(株価純資産倍率)が低水準となっている銘柄が多くあります。これは、欧米等に比べ日本のホテル市場が新型コロナウイルス感染症の煽りから、国内ホテルのGOP(ホテル運営に係る営業総利益)の回復が遅れており、J-REITの配当が戻っていないことが要因と考えられます。
当社グループにおきましては、当第2四半期連結累計期間において、新規プロジェクトとして長野県北安曇郡白馬村(白馬)のホテル開発用地取得にかかる条件付売買契約を締結し「長野県白馬新規ホテル開発PJ」をスタートさせました。また、連結子会社匿名組合高瀬川(ブリッジファンド)を組成し10,000百万円の借入を行ったうえで、連結子会社匿名組合五条が保有する「フォションホテル京都」の不動産信託受益権の全てを匿名組合高瀬川に譲渡いたしました。なお、本不動産信託受益権の譲渡取引は連結子会社間の取引であるため連結財務諸表上は相殺消去されております。
ホテル業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の規制緩和が進む中で政府の旅行支援策もあり、宿泊客数は大幅に増加傾向にあります。他方で、コロナ禍において低下した宿泊客単価の回復には至っておりません。また、インバウンドにつきましても、海外からの入国者に対する制限も緩和されつつあるものの、緩和の遅れによりインバウンド需要の本格的な回復には、今しばらく時間が掛かると考えられます。
当社グループが主力としておりますラグジュアリーホテルの業績改善におきましても、インバウンドの増加は重要な要素と考えております。入国規制の緩和により訪日観光客の予約は増加傾向にありますが、大幅な規制緩和の遅れにより、当第2四半期連結累計期間においてはインバウンドによる業績改善への影響は限定的なものとなりました。また、2022年6月17日より、バンヤンツリー・グループのブランド「ダーワ・悠洛 京都」(京都市東山区三条通大橋東入大橋町84)「ギャリア・二条城 京都」(京都市中京区市之町180-1)がリブランドオープンしております。「ダーワ・悠洛 京都」は、現代的なデザインと日本の伝統が美しく融合したブティックホテルとして、「ギャリア・二条城 京都」は、世界遺産二条城に隣接した隠れ家で、国宝二の丸御殿や日本庭園の四季を臨むことができるわずか25室のエクスクルーシブラグジュアリーホテルとなっております。
この結果、当第2四半期連結累計期間においては、売上高1,173,773千円(前年同四半期比92.6%減)、営業損失1,193,325千円(前年同四半期は営業利益4,539,816千円)、経常損失1,532,246千円(前年同四半期は経常利益4,413,837千円)、また、繰延税金負債の取崩等により法人税等調整額を△1,282,564千円を計上したことにより親会社株主に帰属する四半期純損失287,792千円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純利益2,616,408千円)となりました。
セグメントの業績については、以下のとおりであります。
なお、第1四半期連結会計期間よりセグメントの変更を行っており、前年同四半期連結累計期間との比較・分析は、変更後のセグメント区分に基づいております。旧セグメント「不動産金融事業」及び「ホテル運営事業」は、新セグメント「アセットマネジメント事業」、「不動産事業」及び「ホテル運営事業」に変更しております。
アセットマネジメント事業の売上高は292,595千円(前年同四半期比38.4%減)、営業損失は6,807千円(前年同四半期は営業利益205,532千円)となりました。これは、ブリッジファンドへの売却に伴う報酬を計上したものの、大型案件のクローズは下半期に予定していることによります。
不動産事業の売上高は△13,141千円(前年同四半期は売上高15,099,936千円)、営業損失は613,828千円(前年同四半期は営業利益5,220,730千円)となりました。これは、当第2四半期連結累計期間に行ったブリッジファンドへの売却は連結財務諸表上消去される取引であり、他の物件売却は下半期を予定していること、及び匿名組合分配損の計上により売上高がマイナスとなったことによります。
ホテル運営事業の売上高は1,036,320千円(前年同四半期比91.9%増)、営業損失は420,406千円(前年同四半期は営業損失481,375千円)となりました。運営ホテル等の営業損失が266,071千円改善する一方で、リブランド関連費用を計上したこと等により営業損失が205,102千円悪化したため、当第2四半期連結累計期間における営業損失の改善は60,969千円となりました。
(2)財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末における財政状態については、総資産44,192,551千円、負債33,365,474千円、純資産10,827,077千円となりました。
総資産については、前連結会計年度末に比べ、4,806,462千円増加となりました。これは主に、現金及び預金が増加したことによるものであります。
負債については、前連結会計年度末に比べ、4,905,228千円増加となりました。これは主に、匿名組合高瀬川において金融機関から借入を行ったこと及び匿名組合五条において金融機関借入の一部を返済したことにより、純額で借入金が増加したことによるものであります。
純資産については、前連結会計年度末に比べ、98,766千円減少となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式発行により資本金及び資本剰余金が増加した一方で、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上及び配当金の支払いにより利益剰余金が減少したことによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末より85,671千円増加し5,650,413千円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動による資金の減少は、4,255,541千円(前年同四半期は11,441,736千円の資金の増加)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純損失を1,532,246千円計上したこと、法人税等を993,476千円支払したこと、その他の負債が933,220千円減少したこと、及びその他の資産が639,597千円増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動による資金の減少は、42,474千円(前年同四半期は3,247,130千円の資金の減少)となりました。これは主に、有形固定資産及び無形固定資産の取得に伴い35,896千円減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動による資金の増加は、4,383,687千円(前年同四半期は4,964,222千円の減少)となりました。これは主に、短期借入金が7,595,667千円増加したことによるものであります。
(4)経営方針・経営戦略等
当社グループは、2022年3月期から2024年3月期までの「中期経営計画2024」を公表しております。
「中期経営計画2024」に基づく経営指標の推移は以下の通りです。
経営指標
2022年3月期
実績
2023年3月期
計画
2024年3月期
計画
取扱高(百万円)(注)1
47,686
60,000
100,000
売上高(百万円)
29,029
15,000
20,000
経常利益(百万円)
5,317
6,500
7,500
EBITDA(百万円)(注)2
8,521
7,500
8,500
(注)1.取扱案件総額+ホテル運営に係る売上高
2.経常利益+減価償却費+のれん償却費+支払利息等
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
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