【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間(2022年1月1日から2022年9月30日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種が進み、段階的に行動制限等が緩和され、経済活動の持ち直しに向けた期待感が持たれました。しかし、長期化しているロシア・ウクライナ情勢等による供給不安の高まりを背景に、原油をはじめとする資源価格の高騰により、先進国を中心としたインフレが高進したことで、各国中央銀行の利上げ政策が加速したため、急速な円安が進行しており、先行き不透明な状況が続いております。
このような経営環境のなか、当社グループでは、従業員及びお取引先様の安全確保と事業継続の両立を前提としてウィズコロナにおける事業活動を行っております。加えて、大幅な円安による原材料価格や資源価格が高騰するなか、製造においては原価低減に努めてまいりました。また、「書く、描く」を通じた“表現体験そのもの”を創造し、世界中のあらゆる人々の生まれながらに持つ個性と創造性を解き放つということを念頭に活動してまいりました。そういった活動の一環として、一般社団法人障がい者自立推進機構が運営する「パラリンアート」におけるオフィシャルパートナーとなり、“自分らしさ”をテーマに表現するアートコンテストを開催しました。また、“クセになる、なめらかな書き味。”の油性ボールペン「ジェットストリーム」シリーズから、日本国内で回収された海洋プラスチックごみと使い捨てコンタクトレンズの空ケースを用いた再生樹脂として“ポストコンシューマープラスチック”をボールペン軸に採用した「ジェットストリーム海洋プラスチック」単色タイプをノベルティ専用商品として発売しました。本商品は、環境に配慮したボールペンとして、文具業界で初めてエコマーク商品類型No.164「海洋プラスチックごみを再生利用した製品」の認定を取得しました。さらに、同シリーズから黒インクを約70%増量した「長持ちリフィル」を用いた「ジェットストリーム新3色ボールペン」の限定軸色とともに、リフィルを複数ストックできる紙製パッケージの「長持ちリフィル(黒)3本パック」を数量限定で発売しました。
これらの活動の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は50,123百万円(前年同期比12.4%増)、営業利益は6,464百万円(前年同期比18.2%増)、経常利益は7,525百万円(前年同期比24.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は5,120百万円(前年同期比21.5%増)となりました。
セグメント別の業績を概観いたしますと、筆記具及び筆記具周辺商品事業におきましては、海外市場を中心に販売は底堅く推移し、加えて大幅な円安により売上高は伸長しました。それにより、外部顧客への売上高は48,405百万円(前年同期比12.9%増)となりました。粘着テープ事業、手工芸品事業といったその他の事業におきましては、事業を取り巻く市場環境は依然として厳しく、外部顧客への売上高は1,718百万円(前年同期比0.1%増)となりました。
財政状態につきましては、当第3四半期連結会計期間末の資産は、主に受取手形及び売掛金が減少したものの、現金及び預金や棚卸資産が増加したことにより、前連結会計年度末に比べて4,114百万円増加し127,907百万円となりました。
負債は、主に賞与引当金が増加したものの、未払法人税等や長期借入金が減少したことにより、前連結会計年度末に比べて704百万円減少し25,415百万円となりました。
純資産は、主に利益剰余金や為替換算調整勘定が増加したことにより、前連結会計年度末に比べて4,819百万円増加し102,492百万円となりました。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(3)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第3四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費は2,487百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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