【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(経営成績等の概要)
(1)財政状態及び経営成績の状況当期におけるわが国経済は、為替の動向等による物価上昇の影響がみられたものの、新型コロナウイルス感染症の影響が落ち着いたことに加え、海外経済の改善や政府の経済対策等の効果もあり、緩やかな持ち直しの状況が続きました。セメント業界におきましては、都市部における再開発工事等により民間設備投資が増加したことから、民需が増加したものの、公共事業関係費予算の減額や人手不足等の影響により、官公需が減少したことから、セメント国内需要は、前期を1.6%下回る37,280千トンとなりました。一方、輸出は、前期を29.1%下回りました。この結果、輸出分を含めた国内メーカーの総販売数量は、前期を8.0%下回る45,402千トンとなりました。このような情勢の中で、当社グループは、当期を最終年度とする「2020-22年度 中期経営計画」に基づき、事業戦略として、セメント関連事業(セメント・鉱産品・建材)においては、「セメント・固化材の収益力向上と事業基盤整備」・「関連事業の拡大」、高機能品事業(光電子・新材料)においては、「既存主力商品の競争優位性の確保と新製品の開発」に係る諸施策に取り組み、また、環境対策として、「環境対策強化」・「CO2排出削減への取り組み」を実行してまいりました。以上の結果、当期の売上高は、セメント事業、新材料事業等で増収となったことから、204,705百万円と前期実績を11.1%上回りました。しかしながら、損益は、セメント事業等で減益となったことから、7,849百万円の経常損失となり、前期に比べ17,683百万円悪化し、また、投資有価証券売却益を計上したものの、5,719百万円の親会社株主に帰属する当期純損失となり、前期に比べ15,394百万円の悪化となりました。
事業別の概況は、次のとおりであります。 なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。
1. セメント販売数量が前期を下回ったものの、コストアップに対応した国内販売価格の値上げを実施したことなどから、売上高は、140,344百万円と前期に比べ13,724百万円(10.8%)増となったものの、石炭価格の高騰等により、損益は、19,542百万円の営業損失と前期に比べ17,160百万円の悪化となりました。 2. 鉱産品海外及び国内鉄鋼向け石灰石が増収となったことなどから、売上高は、13,370百万円と前期に比べ1,060百万円(8.6%)増となり、営業利益は、2,448百万円と前期に比べ184百万円(8.1%)増となりました。 3. 建材地盤改良工事が増加したことなどから、売上高は、22,107百万円と前期に比べ1,384百万円(6.7%)増となったものの、営業利益は、コンクリート二次製品の販売数量が減少したこと及び原材料費等のコストが増加したことなどから、1,511百万円と前期に比べ306百万円(16.9%)減となりました。 4. 光電子新伝送方式用光通信部品の販売数量が減少したことなどから、売上高は、2,385百万円と前期に比べ1,382百万円(36.7%)減となり、損益は、129百万円の営業損失と前期に比べ228百万円の悪化となりました。
5. 新材料半導体製造装置向け電子材料の販売数量が増加したことなどから、売上高は、21,678百万円と前期に比べ7,082百万円(48.5%)増となり、営業利益は、5,384百万円と前期に比べ2,080百万円(63.0%)増となりました。
6. その他電池材料事業を譲渡したことなどにより、売上高は、4,818百万円と前期に比べ1,373百万円(22.2%)減となったものの、不動産賃貸事業における補修費が減少したことなどにより、営業利益は、1,867百万円と前期に比べ166百万円(9.8%)増となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況当期の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によって16,146百万円減少し、また、投資活動によって19,818百万円減少し、財務活動によって37,292百万円増加したこと等により、前期末に比べ1,414百万円の増加となりました。その結果、当期末の資金残高は14,500百万円(前期比10.8%増)となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において営業活動により使用した資金は、16,146百万円(前連結会計年度は18,255百万円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純損失3,111百万円、棚卸資産の増減額23,484百万円の増加(支出)があったこと等によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、19,818百万円(前期比23.4%の支出増加)となりました。これは、固定資産の取得による支出27,913百万円があったこと等によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において財務活動により得られた資金は、37,292百万円(前連結会計年度は7,995百万円の支出)となりました。これは、長期借入れによる収入18,860百万円、社債の発行による収入15,000百万円があったこと等によるものです。
(生産、受注及び販売の状況)
(1)生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
セグメントの名称
金額(百万円)
前期比(%)
セメント
99,195
144.8
鉱産品
9,734
120.4
建材
4,644
100.9
光電子
2,073
50.2
新材料
14,723
155.7
その他
1,395
67.3
合計
131,767
136.0
(注) 金額は製造原価ベースによっております。
(2)受注状況当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
セグメントの名称
受注高(百万円)
前期比(%)
受注残高(百万円)
前期比(%)
建材
16,923
124.7
4,618
138.5
その他
3,267
188.1
438
103.6
合計
20,191
131.9
5,057
134.6
(注) 対象は、建材セグメントにおける各種工事、不動産・その他事業における各種ソフトウエア製作、各種電気工事等であります。なお、上記以外のセグメントについては、受注生産形態をとらない製品がほとんどであるため、記載を省略しております。
(3)販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
セグメントの名称
金額(百万円)
前期比(%)
セメント
140,344
110.8
鉱産品
13,370
108.6
建材
22,107
106.7
光電子
2,385
63.3
新材料
21,678
148.5
その他
4,818
77.8
合計
204,705
111.1
(注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上となる取引先が存在しないため、記載を省略しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)経営者の視点による当社グループ(当社及び連結子会社)の当連結会計年度における経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下の通りであります。
(1)経営成績の分析当連結会計年度の経営成績の概況については、「(経営成績等の概要)の(1)財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
1 セメント需要、当社セメント販売数量の推移(最近5連結会計年度)
2019年3月(第156期)
2020年3月(第157期)
2021年3月(第158期)
2022年3月(第159期)
2023年3月(第160期)
セメント需要
国内需要(千トン)
42,589
40,970
38,670
37,882
37,280
輸出(千トン)
10,371
10,532
11,113
11,484
8,137
当社販売数量
国内(千トン)
8,925
8,764
8,286
8,342
8,145
輸出(千トン)
1,366
1,295
1,424
1,535
1,150
計(千トン)
10,291
10,058
9,710
9,876
9,295
2 売上高、損益の推移(最近5連結会計年度)
2019年3月(第156期)
2020年3月(第157期)
2021年3月(第158期)
2022年3月(第159期)
2023年3月(第160期)
売上高(百万円)
251,061
245,159
239,274
184,209
204,705
営業利益又は営業損失(△)(百万円)
14,178
16,128
16,631
6,878
△8,555
経常利益又は経常損失(△)(百万円)
15,799
16,947
17,641
9,834
△7,849
親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)(百万円)
7,799
10,922
11,719
9,674
△5,719
総資産額(百万円)
324,755
321,108
329,650
331,107
356,558
売上高経常利益率(%)
6.3
6.9
7.4
5.3
△3.8
総資産経常利益率(%)
4.8
5.2
5.4
3.0
△2.3
(2)財政状態(流動性及び資本の源泉)の分析当連結会計年度末の総資産は356,558百万円となり、前連結会計年度末に比べて25,450百万円の増加となりました。流動資産は116,978百万円となり、前連結会計年度末に比べて29,221百万円の増加となりました。固定資産は239,579百万円となり、前連結会計年度末に比べて3,771百万円の減少となりました。流動資産増加の主な要因は、原材料及び貯蔵品の増加等によるものです。固定資産減少の主な要因は、投資有価証券の減少等によるものです。当連結会計年度末の負債の合計は171,966百万円となり、前連結会計年度末に比べて44,032百万円の増加となりました。流動負債は102,044百万円となり、前連結会計年度末に比べて26,564百万円の増加となりました。固定負債は69,922百万円となり、前連結会計年度末に比べて17,467百万円の増加となりました。流動負債増加の主な要因は、短期借入金、コマーシャルペーパーの増加等によるものです。固定負債増加の主な要因は、社債、長期借入金の増加等によるものです。当連結会計年度末の純資産は184,591百万円となり、前連結会計年度末に比べて18,582百万円の減少となりました。主な要因は、利益剰余金の減少等によるものです。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況は、「(経営成績等の概要)の(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの資金需要は、製品の製造販売に関わる原材料費・運搬費や営業費用などの運転資金、設備投資資金及び研究開発などであります。資金調達は、主として内部資金により充当し、必要に応じ金融機関からの借入や社債発行などにより確保しております。最近5連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フローにより現金及び現金同等物(以下「資金」という。)を確実に獲得し、その資金を設備投資に活用しておりましたが、当連結会計年度は、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなったため、金融機関からの借入や社債発行などにより、必要資金を確保いたしました。有利子負債は、2023年3月期には99,719百万円となりました。今後、当社グループは、2035年のありたい姿である「SOC Vision2035」を目指す中で、収益の改善・拡大に努め、営業活動で獲得した資金は、維持更新に加えてカーボンニュートラルや成長戦略への投資、株主還元などに活用していく方針であります。
1 キャッシュ・フローの推移(最近5連結会計年度)
2019年3月(第156期)
2020年3月(第157期)
2021年3月(第158期)
2022年3月(第159期)
2023年3月(第160期)
営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)
29,252
32,305
32,797
18,255
△16,146
投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)
△20,032
△18,815
△18,884
△16,062
△19,818
財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)
△15,755
△12,959
△10,869
△7,995
37,292
現金及び現金同等物の期末残高(百万円)
15,270
15,799
18,600
13,085
14,500
2 有利子負債の推移(最近5連結会計年度)
2019年3月(第156期)
2020年3月(第157期)
2021年3月(第158期)
2022年3月(第159期)
2023年3月(第160期)
有利子負債残高(百万円)
61,063
52,608
51,405
56,641
99,719
純資産額(百万円)
194,138
198,699
205,827
203,173
184,591
有利子負債/純資産(%)
31.5
26.5
25.0
27.9
54.0
(注) 有利子負債残高は短期借入金、コマーシャルペーパー、社債及び長期借入金の合計額であります。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、固定資産の減損会計や繰延税金資産の回収可能性等については、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っております。当社グループは、これらの見積りの妥当性に対し継続して評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
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