【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況当第1四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年6月30日)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症が5月から5類感染症に引き下げられたことに伴う行動制限や海外からの入国制限の緩和によって、経済活動が再開し、景気回復の動きがみられました。一方で地政学リスクの高まりによる不安定な世界情勢やエネルギー資源の高騰、インフレ加速に対する各国金融政策等、景気減速のリスクはくすぶっており、日本国内においても円安基調による物価上昇や人手不足による経済減速懸念、受注動向の下振れリスク等、不確実性が高まる中で先行きの見通しづらい経営環境が続いています。このような環境の下、当社グループの売上高は、1,073億円と前第1四半期連結累計期間に比べ69億円の増収となりました。営業利益につきましては64億円(前年同期営業利益75億円)、親会社の所有者に帰属する四半期利益につきましては、51億円(前年同期親会社の所有者に帰属する四半期利益50億円)となりました。
(建築物用免震・制振用オイルダンパーの検査工程等における不適切行為の影響について)2019年3月期において、当社及び当社の子会社であったカヤバシステムマシナリー株式会社(当該子会社は2021年7月1日をもって当社を存続会社とした吸収合併により解散しております)にて、製造・販売してきた免震・制振用オイルダンパーの一部について、性能検査記録データの書き換え行為により、大臣認定の性能評価基準(※)に適合していない、または、お客様の基準値を外れた製品(以下、「不適合品」といいます。)を建築物に取り付けていた事実が判明いたしました。(※)制振用オイルダンパーについては、大臣認定制度はありません。当第1四半期連結会計期間においては、2023年6月30日時点で交換が未完了の不適合品及び性能不明品(性能検査記録のデータ書き換え有無が確認できないもの)の全数(免震用オイルダンパー63本、制振用オイルダンパー355本の合計418本)を対象として、交換用免震・制振用オイルダンパーの交換工事に要する費用及び営業補償等を製品保証引当金に計上しており、当該製品保証引当金の当第1四半期連結会計期間の残高は、39億円であります。
当第1四半期連結累計期間におけるセグメント別の業績は以下のとおりです。なお、当第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更し、以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しています。詳細につきましては、「第4 経理の状況 1要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 5.セグメント情報」に記載のとおりであります。
また、以下の説明におけるセグメント別の売上高は、外部顧客に対するものであり、セグメント別のセグメント利益はセグメント間取引消去前のものであります。
① AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業セグメント当セグメントは、四輪車用油圧緩衝器、二輪車用油圧緩衝器、四輪車用油圧機器とその他製品から構成されております。当セグメントの売上高は694億円と前第1四半期連結累計期間に比べ7.3%の増収となり、セグメント利益は29億円と前第1四半期連結累計期間に比べ10億円の減益となりました。
② HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業セグメント当セグメントは、産業用油圧機器、システム製品、その他製品から構成されております。当セグメントの売上高は340億円と前第1四半期連結累計期間に比べ5.1%の増収となり、セグメント利益は14億円と前第1四半期連結累計期間に比べ5億円の減益となりました。③ 航空機器事業当セグメントは、航空機器用離着陸装置、同操舵装置等から構成されております。航空機器事業は、売上高は12億円と前第1四半期連結累計期間に比べ18.6%の減収となり、セグメント損失は3億円と前第1四半期連結累計期間に比べ2億円の減益となりました。④ 特装車両事業及びその他当セグメントは、特装車両等から構成されております。当セグメントの売上高は27億円と前第1四半期連結累計期間に比べ40.9%の増収となり、セグメント利益は2億円と前第1四半期連結累計期間に比べ2億円の増益となりました。 財政状態につきましては、総資産が4,565億円と前連結会計年度末に比べ97億円の増加となりました。流動資産は、棚卸資産が増加したこと等により、62億円増加の2,582億円となりました。非流動資産は、有形固定資産が増加したこと等により、34億円増加の1,983億円となりました。負債は、引当金が増加したこと等により、12億円増加の2,570億円となりました。資本は、その他の資本の構成要素が増加したこと等を受け、85億円増加の1,995億円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況当第1四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は476億円となり、前連結会計年度末に比べ40億円の増加となりました。当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動により得られた資金は138億円(前第1四半期連結累計期間比110億円の収入増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動により使用した資金は31億円(前第1四半期連結累計期間比2億円の支出増加)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出33億円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動により使用した資金は83億円(前第1四半期連結累計期間は62億円の支出)となりました。主な流出は、長期借入金の返済による支出20億円と配当金の支払による支出38億円です。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針当第1四半期連結累計期間において、重要な変更及び新たに定めた基本方針はありません。
(5)研究開発活動当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1,860百万円であります。報告セグメントごとの内訳は、AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業で1,345百万円、HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業で483百万円、航空機器事業で14百万円となります。なお、当第1四半期連結累計期間において記載すべき重要な事項はありません。
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