【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2022年4月1日から2022年12月31日まで。以下、「当第3四半期」という。)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和され、経済社会活動の正常化が進む中、個人消費を中心に緩やかな回復基調となりました。しかしながら、資源・原材料高による世界的なインフレ圧力は根強く、各国の中央銀行の急速な利上げでグローバルな景気後退懸念が高まっております。
このような中、当社グループは経営の基本方針である事業のスクラップ&ビルドを更に加速し、成長分野の中でも強みを活かし、勝てるマーケットへの経営資源の迅速な投入を行っております。
また、自前の営業力強化だけでなく、営業力のあるパートナーとのアライアンスを積極的に推進し、自社商材と自社サービスの販売強化を図っております。さらに、新卒の積極採用の継続やオフィスの増床など、規模拡大のための投資を行っております。
ソリューションデザイン事業は、大きな成長が見込まれる、車載、ネットビジネス、IoT、ロボット/AI、DXの分野の拡大に引き続き注力し、地方拠点を活用したニアショア開発をこれまで以上に推進して、更なる受注拡大と収益性の向上を図っております。
フレームワークデザイン事業は、金融分野でのシステム開発ノウハウを、公共、流通/サービス分野のお客様に展開し、業務アプリケーション開発とインフラ(クラウド)構築の業務で受注拡大に取り組みました。
ITサービス事業は、グループ会社や協力会社とのアライアンスを更に強化し、インバウンドセールスの活用を通じてITサービス商材の展開を促進することで、顧客数と売上を伸ばしました。
ビジネスソリューション事業は、モノありきのビジネスではなくサービスビジネスに注力し、サブスクリプションビジネスとシステム開発+サポート業務を中心としたストック型ビジネスの更なる強化を図っております。
サブスクリプションビジネスモデルの推進を担うクラウド事業は、自社商材『Canbus.\キャンバスドット(*1)』、『Cloudstep(*1)』の新機能をリリース、Webマーケティングによる販売促進を積極的に展開しました。
以上の結果、当第3四半期の連結業績は、売上高54,334百万円(前年同期比15.5%増)、営業利益7,013百万円(同10.1%増)、経常利益7,185百万円(同16.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益4,908百万円(同17.9%増)となりました。
(*1)『Canbus. \キャンバスドット』、『Cloudstep』は、システナの自社オリジナルサービスです。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。なお、各セグメントの売上高にはセグメント間の内部売上高または振替高を含めております。
①ソリューションデザイン事業
ソリューションデザイン事業は、「車載」、「社会インフラ」、「ネットビジネス」、「プロダクト」および「DXサービス」の5つのカテゴリーに区分しており、当事業の売上高は16,588百万円(前年同期比9.6%増)、営業利益は2,765百万円(同4.6%減)となりました。
(車載)
MaaS(Mobility as a Service)、自動運転、車載インフォテインメント、テレマティクス(*2)およびECU(電子制御ユニット)の開発といった車載分野では、得意とする車載インフォテインメント関連で大型案件の受注を獲得するなど順調に推移したほか、通信事業の経験を駆使した技術力が競合他社との差別化となり、MaaS関連での受注も獲得しております。今後もMaaS関連での需要の伸張が予想されるため、MONETコンソーシアム(*3)への参加を通じてモビリティ領域での更なる存在価値の向上を目指してまいります。
(*2)テレマティクス(Telematics)とは、テレコミュニケーション(Telecommunication)とインフォマティクス(Informatics)から作られた造語で、自動車などの移動体に携帯電話などの移動体通信システムを利用してサービスを提供することの総称。
(*3)MONETコンソーシアムとは、次世代モビリティサービスの推進と移動における社会課題の解決や新たな価値創造を目的にソフトバンク株式会社とトヨタ自動車株式会社の共同出資会社であるMONET Technologies株式会社が設立したコンソーシアムのこと。
(社会インフラ)
通信インフラ、決済インフラ、交通インフラ、電力など、社会のしくみを支え生活を豊かにする社会インフラ分野では、車載分野で培ったMaaSの経験を駆使して、スマートシティ関連の受注を獲得しております。また、5Gインフラを活用するサービス開発の引き合いが旺盛なため、引き続き5G関連にも注力してまいります。
(ネットビジネス)
インターネットサービス、eコマースなど、インターネットビジネスに関わる分野は、インターネットサービスでの5Gに向けたサービス開発や、eコマースでのキャッシュレス決済、データの利活用に関連するシステム開発・品質検証業務が堅調に推移しております。また、ITコンサルやITサービスの受注も順調に推移しておりトータルソリューションを強みに注力してまいります。
(プロダクト)
スマートフォン、家電、ロボット、PC、決済端末、FA機器など、プロダクト開発に関わる分野では、プロダクトの開発・品質検証だけでなく、当社の強みである「AI」・「IoT」・「クラウド」・「モバイル」を活かした環境構築やサポートなど、プロダクトのライフサイクルをワンストップで支援できることも高く評価いただき、受注が拡大しております。今後も、競合他社との差別化を図りながら受注を拡大してまいります。
(DXサービス)
DXサービスの分野は、企業における基幹システムのライフサイクルが変化する中、そのライフサイクルを把握し、顧客の顕在的・潜在的な課題に対して提案することで受注が拡大しております。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり人材不足によりITコンサルやPMO案件の引き合いが増えております。さらに、様々な分野で培った業務経験やトータルソリューションの強みを活かした『Remo-oTe』、クラウド勤怠管理の『TimeTapps』、関係の質を高めるグループウェア『Palette.Link』など自社サービスの引き合いも増加しているため、今後も自社サービスの開発を積極的に推進してまいります。
当事業における新型コロナウイルス感染症への対応状況や事業活動への影響につきましては、多くの事業分野でテレワークでの業務にシフトしたことにより、事業活動の継続に向けてリスクを低減できております。引き続き、感染防止対策を徹底し事業を推進してまいります。
②フレームワークデザイン事業
当事業は金融分野でのアプリケーション開発実績を基に、公共、流通/サービス、社会インフラ等のお客様に提案範囲を広げ、システム開発案件の受注拡大に繋げております。
金融分野では生損保、銀行業のお客様に向けた、基幹システム開発業務を行っております。契約管理システム、勘定系システムなどの長期の開発業務に加え、基幹システムのクラウド移行、ホストマイグレーションなど、DX関連の案件に担当領域を広げることにより、売上が拡大しております。
公共分野では中央省庁関連の案件を中心に新規プロジェクトの受注が進んでおります。システム開発、インフラ構築、運用保守それぞれの業務領域が堅調に推移しており、今後はガバメントクラウド関連案件等への展開を積極的に行い、当事業の新たな柱として更なる拡大を図ってまいります。
また、一般法人企業のお客様に向けては、受託開発案件の獲得と、DXソリューションを活用した業務改善案件の提案を推進しております。システム企画段階におけるPoC支援からシステム開発後の運用まで、システムのトータルサポート提案によって、受注の増加に繋げております。
これらの結果、当事業の売上高は4,485百万円(前年同期比20.6%増)、営業利益は933百万円(同29.2%増)となりました。
③ITサービス事業
システムの運用・保守、ヘルプデスク・ユーザーサポート、品質評価など、ITに関する様々なアウトソーシングサービスを主な業務とする当事業は、新たなビジネスモデルを創造する企業や、働き方改革に取り組む企業からのITアウトソーシング需要に対して、従来行っていたヘルプデスクやIT資産管理を行うITビジネスサービスに加えて、各種ツール導入やビジネスプロセス改善に関するプロジェクトマネジメントサポートを行うPMOサービスの提供に注力を始めました。
ソフトウェアテストサービス事業においては、消費者向けにWebコンテンツ/アプリ/モバイルゲームを提供する顧客および法人向けに業務システムを提供する顧客に対し、上流の品質管理工程のコンサルティングから下流のデバッグ業務までの各工程においてサービス実績を積んでおり受注拡大と収益性の向上に取り組みました。
また、障がい者活躍については、一人ひとりの特性理解と研修による能力開発や、適材適所化の推進による増強が実現し、BPO業務を中心に幅広いサービス案件の受注に繋がりました。
新型コロナウイルス感染症対策としては、引き続き、常駐型中心のワークスタイルからテレワークやリモートでのサービス提供へのシフト、インバウンドセールスを活用した営業活動を行っております。
これらの結果、当事業の売上高は13,225百万円(前年同期比15.5%増)、営業利益は1,891百万円(同23.1%増)となりました。
④ビジネスソリューション事業
IT関連商品の法人向け販売および外資・中堅企業向けを中心としたシステムインテグレーションを主な業務とする当事業は、新型コロナウイルスの第8波、半導体不足による商品の入荷遅延、資源高や物価高など、先行き不透明感はあるものの、ウィズコロナに向けた新たな働き方への取り組み、DXによる生産性の向上やコスト削減、競争力強化に向けた案件も徐々に活性化しております。
具体的には、クラウドマイグレーションの一つでもあるリフト&シフト案件をはじめサーバーの移設など、システムインテグレーション事業は数多くの案件を受注することができました。
また、RPAやデータ連携ツールを活用した、企業のデジタル化に向けたシステム開発、保守運用案件も受注することができました。
さらには今期リリースしたセキュリティ診断やカテゴリー別セキュリティサービスについても多くの引き合いをいただき、受注も徐々に増えております。
これらの結果、当事業の売上高は18,826百万円(前年同期比19.9%増)、営業利益は1,187百万円(同18.4%増)となりました。
⑤クラウド事業
企業等にクラウドソリューションや自社サービスを提供し、サブスクリプションモデルの推進を担う当事業は、テレワークなど働き方改革が急務の企業から、DXプラットフォーム『Canbus.\キャンバスドット』の引き合いを多く受け、特に、データドリブンな業務にシフトしようとする企業からはライセンスの販売だけでなく、業務系システムのリプレースやシステム連携などのインテグレーションを数多く受注しました。こうした状況を踏まえ、より多くの企業のDXを実現させるべく、新機能のリリースやリモート型業務代行サービス『Remo-oTe』を組み合わせた手軽なシステムインテグレーションを提供し、引き合いが増加しました。今後も注力商材として積極投資と営業強化を推進してまいります。
また、「Google Workspace」や「Microsoft365」と連携するグループウェア『Cloudstep』においても、現在の働き方に適したグループウェアの再構築の引き合いが増えております。そのような中で、当社の強みの一つであるシステムインテグレーションが、競合他社との差別化要因となり受注に至っております。
これらの結果、当事業の売上高は1,347百万円(前年同期比10.6%増)、営業利益は259百万円(同4.7%増)となりました。
なお、2022年6月1日に設立した株式会社ミンガルは、報告セグメントを当事業に区分しております。
⑥海外事業
米国では現在、テック系業界での大規模レイオフが問題になっておりますが、米国子会社で継続中のプロジェクトにおいてはエンジニアリング品質に対する信頼が高く、自動車関連をはじめとした製造業からのシステム開発・検証業務の受注が安定して継続しております。また、在シリコンバレーの日系企業から、スタートアップ企業の要素技術の有効性を確認するPoC開発検証の業務を繰り返し受注しております。それ以外にも、日本で多くの導入実績がある『Canbus. \キャンバスドット』を業務効率化のために導入する米国企業が増えております。
また、米国子会社の出資先である米国ONE Tech社は、独自開発したAIの『MicroAI™』の販売に注力し、世界各地の製造業からの受注が順調に推移してきております。
もう一つの出資先である米国StrongKey社は、データの暗号化とFIDO認証によるセキュリティ対策サービスを世界各地の大手企業に展開中ですが、インターネット通信を安全に行うためのPKIサービス(Public Key Infrastructure、公開鍵暗号基盤)を、CSA(Connectivity Standards Alliance)が新たに策定したスマートホームのための通信規格「Matter」に対応させてリリースいたしました。これによってスマートホームIoTデバイスなどの関連企業からの引き合いが急速に増えております。
当事業は未だ投資の段階であり、売上高は103百万円(前年同期比22.5%減)、営業損失は21百万円(前年同期は営業損失2百万円)となりました。
⑦投資育成事業
株式会社GaYaは、自社開発したSNSゲームの運営やスマホ・タブレット向け業務アプリの設計・開発を行っております。当第3四半期は6月末にリリースしたスマホ向けゲームアプリ『競馬伝説PRIDE』の ゲーム内イベントの実施および安定運用に注力しました。また、既存顧客からの受託開発は順調に推移しており、継続して事業の安定化を推進してまいります。
これらの結果、当事業の売上高は258百万円(前年同期比92.4%増)、営業損失は2百万円(前年同期は営業損失35百万円)となりました。
(2)財政状態の状況
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における総資産は44,934百万円(前期末は43,477百万円)となり、前期末と比較して1,457百万円の増加となりました。流動資産は38,725百万円(前期末は38,002百万円)となり、前期末と比較して723百万円の増加となりました。これは主に商品572百万円の増加、現金及び預金295百万円の増加、受取手形、売掛金及び契約資産182百万円の減少によるものであります。固定資産は6,209百万円(前期末は5,475百万円)となり、前期末と比較して734百万円の増加となりました。有形固定資産は1,568百万円(前期末は1,058百万円)となり、前期末と比較して510百万円の増加となりました。無形固定資産は330百万円(前期末は278百万円)となり、前期末と比較して51百万円の増加となりました。投資その他の資産は4,310百万円(前期末は4,138百万円)となり、前期末と比較して172百万円の増加となりました。これは主に投資有価証券366百万円の増加、繰延税金資産210百万円の減少によるものであります。
(負債)
負債の合計は12,746百万円(前期末は13,303百万円)となり、前期末と比較して556百万円の減少となりました。これは主に未払法人税等737百万円の減少、賞与引当金604百万円の減少、未払金及び未払費用658百万円の増加によるものであります。
(純資産)
純資産は32,188百万円(前期末は30,173百万円)となり、前期末と比較して2,014百万円の増加となりました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益4,908百万円、剰余金の配当2,917百万円によるものであります。自己資本比率につきましては、前期末と比較して2.1ポイント上昇し70.6%となりました。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は48百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
#C2317JP #システナ #情報通信業セクター
