【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の状況)
新型コロナウイルス感染症における感染状況の一時的な改善により、経済活動は正常化に向けて持ち直しの動きも見られたものの、オミクロン変異株による新型コロナウイルス感染者数の急増や為替の円安進行、またウクライナ情勢の長期化に加え、世界的な半導体不足や原油高の影響もあるなど、社会・経済情勢は依然として不透明な状況が続いています。
このような状況のなか、企業・経済活動はテレワークやオンラインの活用を常態化させる動きと、以前の状態へ戻す動きに二極化する一方、クラウド基盤を活用した事業・業務領域は一層拡大するなど、社会全体としてデジタルの利活用は確実に増加しています。
また、デジタルの利活用と連動してサイバー脅威の領域も拡大しており、これからのデジタル社会の発展を脅かしかねないランサムウェアと呼ばれる身代金要求型攻撃をはじめ、以前から問題視されている高度なスパイ攻撃活動に内部不正、更には直接的に金銭の獲得を目的とした金融犯罪など、巧妙化、悪質化が進むサイバー攻撃から社会を守る総合的なサイバーセキュリティ対策が求められています。
当社は、このようにデジタルが浸透していく社会環境のなか、2022年6月に新たな経営メッセージとして、パーパス(存在意義)とビジョン(目指す姿)を策定しました。パーパスを「たしかなテクノロジーで『信じられる社会』を築く。」、ビジョンを「デジタル社会を生き抜く指針となる。」と定め、安心・安全な社会基盤の構築に貢献してまいります。
当第3四半期連結累計期間の売上高は、セキュリティソリューションサービス事業(SSS事業)はコンサルティング、診断などが拡大し、またシステムインテグレーションサービス事業(SIS事業)は開発サービスやソリューションサービスが伸長したことにより、31,167百万円(前年同期比1.8%増)となりました。利益面では、営業利益は493百万円(同35.0%増)、経常利益は487百万円(同7.5%増)となったものの、社内基幹システム開発の再構築に伴う損失を特別損失として計上したことなどにより、親会社株主に帰属する四半期純損失は、1,050百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益525百万円)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
①セキュリティソリューションサービス事業(SSS事業)
セキュリティコンサルティングサービスは、企業へのサイバー脅威が衰えを見せることなく猛威を振るうなか、コンサルティング案件が拡大するとともに、エンドポイント対策支援サービスや教育・訓練サービスが伸長したことにより、売上高は2,705百万円(前年同期比7.0%増)となりました。
セキュリティ診断サービスは、主力のWebアプリケーション診断サービスやプラットフォーム診断サービスが好調に推移したことなどにより、売上高は1,619百万円(同17.3%増)となりました。
セキュリティ運用監視サービスは、特定企業向けに高度な対策を行う個別監視サービスや内部不正監視サービスなどが伸長したものの、子会社の株式会社ラックサイバーリンクにおいて前期に実施した非中核ビジネスの縮小に伴う売上減の影響があったことにより、売上高は4,295百万円(同0.1%減)となりました。
セキュリティ製品販売は、サービス妨害型攻撃にも対応したWebセキュリティ対策向けクラウド対応製品が拡大したことなどにより、売上高は4,426百万円(同0.9%増)となりました。
セキュリティ保守サービスは、クラウド対応製品の拡大に伴い既存案件が減少したことにより、売上高は589百万円(同37.0%減)となりました。
この結果、SSS事業の売上高は13,637百万円(同0.8%増)、セグメント利益は1,264百万円(同11.5%増)となりました。
②システムインテグレーションサービス事業(SIS事業)
主力ビジネスである開発サービスは、前期にあった大型案件終息などの影響もなく、大手銀行やクレジットカードなど金融業向け案件に加え、サービス業向けなどの案件が大幅に伸長したことにより、売上高は11,911百万円(前年同期比6.6%増)となりました。
HW/SW販売は、クラウドサービスの拡大等で需要は縮小しており、更新案件等が減少したことにより、売上高は1,515百万円(同15.4%減)となりました。
IT保守サービスは、更新案件等は堅調に推移したものの、子会社であったアイ・ネット・リリー・コーポレーション株式会社の事業譲渡に伴う売上減影響により、売上高は2,604百万円(同6.5%減)となりました。
ソリューションサービスは、サイバーセキュリティ対策にも寄与するソリューション製品関連の販売が伸長したことにより、売上高は1,499百万円(同12.8%増)となりました。
この結果、SIS事業の売上高は17,530百万円(同2.6%増)、セグメント利益は2,299百万円(同16.1%増)となりました。
(財政状態の状況)
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ3,822百万円減少し、21,484百万円となりました。変動は主に現金及び預金の減少3,498百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の減少1,042百万円、次期基幹システム開発の再構築に伴う損失などによるソフトウエア仮勘定の減少1,001百万円、繰延税金資産の増加553百万円、投資その他の資産「その他」に含まれております投資有価証券の増加520百万円等によります。
負債は、前連結会計年度末に比べ1,910百万円減少し、7,626百万円となりました。変動は主に長期借入金(1年内返済予定を含む)の減少1,332百万円等によります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ1,911百万円減少し、13,857百万円となりました。変動は主に親会社株主に帰属する四半期純損失の計上、配当による利益剰余金の減少1,816百万円等によります。この結果、自己資本比率は64.5%となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した当社グループが定めている「経営方針・経営戦略等」について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した当社グループが「優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、196百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった次期基幹システム(投資予定金額1,855百万円)について、2023年2月13日開催の取締役会において、開発を中止し、新システムとして再構築することを決議しております。
当社は、2012年に旧ラック、エー・アンド・アイ システム、アイティークルーの3社が統合した経緯があり、それぞれの会社で運用していたシステムの統合、および一部老朽化したシステムの刷新を行うため、2020年10月の運用を目指して、2018年より社内新基幹システムの企画・開発を進めてきました。
しかしながら、その後追加開発等で延伸せざるを得ないなか、昨今、テレワーク等による働き方の多様化やクラウドを活用したデジタル化の進展など社会・経済活動が急速に変容し、環境変化への柔軟な適応が必須であるものの、現時点で開発しているシステムでは、求める機能が十分に得られないと判断したことから開発を中止し、新システムとして再構築することといたしました。
これにより、システム開発に伴う損失1,820百万円を特別損失として計上いたします。
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