【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間の売上高は23,861百万円(前年同期比7.4%減)、営業利益は3,470百万円(前年同期比35.0%減)、経常利益は3,235百万円(前年同期比36.8%減)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は2,561百万円(前年同期比29.2%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
当社グループは、事業子会社を基礎としたセグメントから構成されており、「エレクトロニクス事業」「医療・医薬品事業」の2区分を報告セグメントとしています。
①エレクトロニクス事業
当事業については、海外での売上高比率が9割を超えていることから、為替が円安に推移することで増収、増益に寄与します。当第1四半期連結累計期間における期中平均為替レートは1米ドル138.1円であり、前年同期の期中平均為替レートである1米ドル129.0円と比較し9.1円の円安に推移しました。
リジッド基板用部材については、ディスプレイ関連部材、民生用関連部材、スマートフォン関連部材において販売数量が前年同期を下回りました。これら関連部材においては、PC・タブレットや民生機器等の最終需要の減少に伴う顧客の稼働率の減少により販売数量が減少しました。一方、車載関連部材において販売数量が前年同期を上回りました。この関連部材においては、半導体や部品不足等により在庫調整を実施していた前年同期と比較し、自動車の生産活動が正常化しつつあり販売台数が増加したことを背景に販売数量が増加しました。
半導体パッケージ基板用部材については、販売数量が前年同期を下回りました。特に、DF製品においては、世界的なリモートワークの定着や第5世代移動通信システム(5G)の普及に伴うデータ量の飛躍的な増大を背景に販売数量が過去最高水準となった前年同期と比較し、スマートフォンやPC・タブレット等の最終需要の減少を背景に顧客の在庫水準が高水準を維持しているため、メモリ向け製品を中心に需要が減少したことにより販売数量が減少しました。なお、前第4四半期連結会計期間と比較した場合、中国を中心に最終需要回復の兆しが見られ販売数量が増加しました。
この結果、売上高は15,703百万円(前年同期比18.6%減)、セグメント利益は2,642百万円(前年同期比49.2%減)となりました。
②医療・医薬品事業
太陽ファルマ株式会社が行う医療用医薬品の製造販売事業については、前年同期と比較し、薬価改定の影響があったものの、新たな長期収載品レミニールⓇの資産譲受や他社同効薬等の供給不足に伴う需要の増加により、売上高が前年同期を上回りました。
太陽ファルマテック株式会社が行う医療用医薬品の製造受託事業については、製造委託元からの要請によるプロダクトミックスの変化や原材料、エネルギー等の価格高騰に伴う販売価格の改定により、売上高が前年同期を上回りました。
この結果、売上高は7,335百万円(前年同期比29.2%増)、セグメント利益は751百万円(前年同期比55.7%増)となりました。
事業区分による販売実績
当第1四半期連結累計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称
当第1四半期連結累計期間
(自 2023年 4月 1日
至 2023年 6月30日)
前年同期比(%)
エレクトロニクス事業(百万円)
15,703
81.4
医療・医薬品事業(百万円)
7,335
129.2
報告セグメント計(百万円)
23,039
92.3
その他(百万円)
822
104.5
合計(百万円)
23,861
92.6
(注)セグメント間の取引については相殺消去しています。
(2)財政状態の分析
(流動資産)
当第1四半期連結会計期間末の流動資産は、前連結会計年度末に比べて、1,616百万円減少し、88,434百万円となりました。これは主に、現金及び預金が3,187百万円減少、流動資産のその他に含まれている未収消費税等が961百万円減少した一方で、受取手形及び売掛金が2,600百万円増加したこと等によるものです。
(固定資産)
当第1四半期連結会計期間末の固定資産は、前連結会計年度末に比べて、5,792百万円増加し、103,005百万円となりました。これは主に、販売権が4,864百万円増加したこと等によるものです。
(流動負債)
当第1四半期連結会計期間末の流動負債は、前連結会計年度末に比べて、6,332百万円増加し、41,448百万円となりました。これは主に、短期借入金が3,096百万円増加、支払手形及び買掛金が2,373百万円増加したこと等によるものです。
(固定負債)
当第1四半期連結会計期間末の固定負債は、前連結会計年度末に比べて、3,952百万円減少し、55,455百万円となりました。これは主に、長期借入金が1,933百万円減少したこと等によるものです。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べて、1,796百万円増加し、94,536百万円となりました。これは主に、為替換算調整勘定が2,024百万円増加したことや、親会社株主に帰属する四半期純利益2,561百万円の計上があった一方で、2,905百万円の剰余金の配当があったこと等によるものです。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処する課題について、重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の金額は1,257百万円です。
各セグメントの研究開発費につきましては、以下のとおりです。
エレクトロニクス事業に係る研究開発費は、1,110百万円です。
医療・医薬品事業に係る研究開発費は、108百万円です。
その他の研究開発費は、37百万円です。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。