【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、ウィズコロナの下で各種政策の効果もあって景気が持ち直していくことが期待されますが、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっています。また、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響や中国における感染拡大の影響に十分注意する必要があります。
このような状況の中で当社グループは、音響機器事業のうちハイエンドオーディオ機器事業は、次世代アンプのラインナップ拡充と新規ターンテーブルカテゴリーへの挑戦で更にブランド価値を高め、海外市場を伸ばす事で堅実な成長路線を引き続き目指します。プレミアムオーディオ機器事業は、引き続き中高級機のReferenceシリーズの更なる強化と、特色のあるアナログ製品や、すべてのカテゴリーにおいて新製品が競合に比べ常に個性的な価値を持つ事を目指し、収益とブランドイメージの向上に努めます。音楽制作・業務用オーディオ機器事業は、ミュージシャンや動画制作者などのクリエーター向け商品群の販売に注力しBtoC市場のシェア拡大を目指します。BtoB市場においては、新製品のデジタルミキサーの上市により、従来の録音再生機や各種周辺機器とともに、更に柔軟で質の高いトータルシステムソリューションを提供し市場シェアの拡大を目指します。情報機器事業は、当社のコアコンピテンスである「高度な記録と再生技術」をベースに計測、半導体、医療、移動体の各分野において最先端技術を組込んだ製品開発を行い、ニッチトップポジションの獲得を進めます。特に今年度は、新たに開発した4Kメディカルレコーダーの積極的な海外市場開拓に、資源を投入してまいります。
当第3四半期連結累計期間におきましては、コロナ禍において低調に推移していたBtoB事業が回復傾向にあるものの、半導体を中心とした電子部品の調達難と前年度の巣ごもり需要で好調であったBtoC事業の反動減により、売上収益および営業利益は前年同期と比較して減少しました。また、為替相場の変動に伴い為替差損を70百万円計上し、親会社の所有者に帰属する四半期利益についても前年同期と比較して減少しました。
この結果、当社グループの当第3四半期連結累計期間の売上収益は11,480百万円(前年同期比0.8%減)、営業利益は401百万円(前年同期比2.9%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は181百万円(前年同期比18.8%減)となりました。
なお、当社のBtoC事業は高価格帯へのシフトを進めてきた結果第3四半期に販売が偏重する傾向は弱まりましたが、BtoB事業の需要期は引き続き第4四半期にあるため、当社グループの業績は売上、利益ともに下半期に偏重する傾向があります。
なお、第1四半期連結累計期間より、報告セグメントとして開示する事業セグメントの範囲を変更しております。詳細は、「第4
経理の状況 1
要約四半期連結財務諸表
注記事項(セグメント情報)」に記載のとおりであります。前第3四半期連結累計期間の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
各事業セグメントの業績は次のとおりであります。
1)音響機器事業
音響機器事業の売上収益は、7,330百万円(前年同期比8.9%減)となり、セグメント営業利益は622百万円(前年同期比34.8%減)となりました。
ハイエンドオーディオ機器(ESOTERICブランド)は、上半期に上市したブランド創設35周年記念のターンテーブルやパワーアンプなどの新製品が好調に推移しネットワークプレーヤー関連製品も引き続き好調な販売となりました。国内は更に輸入ブランド製品の供給も安定し収益に寄与しました。その結果全体では海外市場での不調を国内が補う形で前年同期比で増収となりました。
プレミアムオーディオ機器(TEACブランド)は、国内、海外市場双方におきましてインフレ圧力やウクライナ危機に端を発する資源価格の高騰などが景気後退懸念として消費者心理に影響を与え、普及価格帯の製品の売上が減少した結果、全体では前年同期比で減収となりました。
音楽制作・業務用オーディオ機器(TASCAMブランド)は、BtoB事業において、設備市場で定番製品の販売が安定している事に加え、供給不足だった一部製品の受注残消化が更に進んだ事、更には業務用デジタルミキサーの新製品効果もあって好調な販売となりました。BtoC事業は、前期末上市した新製品の販売が好調に推移した一方で、前年好調だった主力製品において巣ごもり需要の反動減により市場在庫の回転が低下し販売は低調に推移しました。その結果、音楽制作・業務用オーディオ機器全体としては前年同期比で減収となりました。
2)情報機器事業
情報機器事業の売上収益は、3,091百万円(前年同期比27.9%増)となり、セグメント営業利益は208百万円(前年同期比217.9%増)となりました。
機内エンターテインメント機器は、国内市場は保守パーツ及びサービスを中心に販売を積み重ねたこと、また海外向け販売も保守用部品の出荷が継続し好調に推移、結果として同部門では前年同期比で増収となりました。計測機器関連は、データレコーダーは重工業計測プロジェクト向け及び生体測定向けの出荷が堅調に推移しました。センサー関連は、半導体製造装置市場全般に向けデジタル指示計及びセンサー共に出荷増となりました。大手プローバー装置メーカー向け出荷の好調に加え、シリコン製造装置関連メーカーからの受注が大きく伸び、結果として、計測機器全体では前年同期比で大幅な増収となりました。医用画像記録再生機器は、国内の消化器内視鏡向けレコーダーの販売が好調に推移、手術画像用レコーダーに関しても国内・海外共に好調を維持しました。新製品の4Kレコーダーは米国の最先端医療施設への大口導入が決まるなど市場で高評価を得られております。結果として同部門全体では前年同期比で増収となりました。ソリューションビジネスは、大型受託開発案件の最終フェーズの納入、また医用向けサーバー及びPCの出荷増により好調に推移しました。
(2)財政状態の分析
(資産合計)
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、11,893百万円と前連結会計年度末と比較して1,812百万円増加しました。主な増減は、営業債権及びその他の債権の減少346百万円、棚卸資産の増加1,477百万円、有形固定資産の増加772百万円であります。
(負債合計)
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、9,022百万円と前連結会計年度末と比較して1,409百万円増加しました。主な増減は、社債及び借入金の増加927百万円、営業債務及びその他の債務の増加188百万円、リース負債の増加755百万円であります。
(資本合計)
当第3四半期連結会計期間末における資本合計は、2,871百万円と前連結会計年度末と比較して403百万円増加しました。主な増減は、利益剰余金の増加181百万円、その他の資本の構成要素の増加221百万円であります。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比較して83百万円減少し、1,221百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間における営業活動の結果得られた資金は、678百万円のマイナス(前年同期961百万円のマイナス)となりました。主な内訳は、プラス要因として、減価償却費及び償却費の計上360百万円、営業債権及びその他の債権の減少額408百万円、マイナス要因としては、棚卸資産の増加額1,311百万円、長期未払金の減少192百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間における投資活動の結果得られた資金は、91百万円のマイナス(前年同期86百万円のマイナス)となりました。主な内訳は、有形固定資産及び無形資産の取得による支出96百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間における財務活動の結果得られた資金は、659百万円のプラス(前年同期46百万円のマイナス)となりました。主な内訳は、プラス要因として、短期借入金の増加額372百万円、長期借入れによる収入696百万円、マイナス要因としては、リース負債の返済による支出291百万円であります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた対処すべき課題はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループが支出した研究開発費の総額は865百万円であります。
