【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
①経営成績の状況当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルス感染症による景気の低迷から回復の兆しが見られたものの、ロシア・ウクライナ情勢に起因する資源・エネルギー価格の高騰、世界的なインフレの進行により、依然として先行き不透明な状況が続いております。 わが国の経済におきましては、資源高や為替の影響があるものの、個人消費の増加やインバウンド需要の回復から緩やかに景気の持ち直しがみられましたが、当社グループの主要取引先である自動車業界では、半導体不足をはじめとする生産制約が続いており、正常化に向けて未だ時間を要する状況であります。このような環境の下、可鍛事業におきましては、当社グループの工場間で負荷調整できる仕組みを、効率的に活用し生産性向上や原価低減活動を図ってまいりましたが、原材料やエネルギー価格高騰の影響を吸収するまでには至りませんでした。金属家具事業におきましては、在宅ワーク向けの新商品開発や顧客獲得に向けて積極的に推進いたしましたが、主力のオフィス向け製品の落ち込みにより、全体量としては減少しました。その結果、売上高は335億22百万円(前年同期比0.9%増加)、営業損失は2億88百万円(前年同期は営業利益1億67百万円)、経常利益は7億90百万円(前年同期比26.8%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は6億70百万円(前年同期比14.4%減少)となりました。
なお、当連結会計年度における各セグメントの概況は、次のとおりです。 (a)可鍛事業当セグメントにおきましては、生産性向上及び原価低減活動等の自助努力に加え、原材料及びエネルギー費の高騰による価格への反映に取り組んでまいりました。その結果、売上高は326億30百万円(前年同期比1.1%増加)、セグメント利益(営業利益)は8億53百万円(前年同期比26.9%減少)となりました。 (b)金属家具事業当セグメントにおきましては、新しい顧客開拓を積極的に推進してまいりましたが、主力製品の落ち込みにより、売上高は8億92百万円(前年同期比3.7%減少)、セグメント損失(営業損失)は67百万円(前年同期はセグメント損失40百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ8億23百万円減少し、31億72百万円(前年同期比20.6%減少)となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益7億47百万円、減価償却費23億39百万円、持分法による投資利益8億12百万円などにより、21億42百万円の収入(前年同期は24億62百万円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出17億54百万円などにより、19億25百万円の支出(前年同期は14億17百万円の支出)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出7億40百万円などにより、11億35百万円の支出(前年同期は32億86百万円の支出)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
(a) 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
生産高(千円)
前年同期比(%)
可鍛事業
32,472,270
99.2
金属家具事業
417,652
96.3
合計
32,889,923
99.2
(注) 1 金額は、販売価格により算出しております。
(b) 商品仕入実績当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
仕入高(千円)
前年同期比(%)
金属家具事業
515,589
96.1
合計
515,589
96.1
(注) 1 可鍛事業についての商品仕入実績はないため、商品仕入高の記載は行っておりません。
(c) 受注状況当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
可鍛事業
31,757,890
93.8
6,126,670
87.5
合計
31,757,890
93.8
6,126,670
87.5
(注) 1 金属家具事業については受注生産ではないため、受注高及び受注残高の記載は行っておりません。
(d) 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(千円)
前年同期比(%)
可鍛事業
32,630,249
101.1
金属家具事業
892,366
96.2
合計
33,522,616
100.9
(注) 最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
販売高(千円)
割合(%)
販売高(千円)
割合(%)
トヨタ自動車㈱
11,312,562
34.0
12,001,989
35.8
日野自動車㈱
4,553,505
13.7
4,590,553
13.6
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(a)財政状態の分析(流動資産)当連結会計年度末における流動資産の残高は、144億81百万円(前連結会計年度末は150億98百万円)となり、6億17百万円減少いたしました。これは主に長期借入金を返済したことにより、現金及び預金が減少(42億63百万円から34億77百万円へ7億86百万円減少)したことによるものであります。(固定資産)当連結会計年度末における固定資産の残高は、246億18百万円(前連結会計年度末は244億29百万円)となり、1億89百万円増加いたしました。これは主に株価の下落により投資有価証券が減少(25億円から20億円97百万円へ4億3百万円減少)したものの、関係会社出資金が増加(61億33百万円から73億38百万円へ12億5百万円増加)したことによるものであります。(流動負債)当連結会計年度末における流動負債の残高は、89億12百万円(前連結会計年度末は91億14百万円)となり、2億2百万円減少いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が減少(32億36百万円から31億7百万円へ1億29百万円減少)したことによるものであります。(固定負債)当連結会計年度末における固定負債の残高は、56億89百万円(前連結会計年度末は66億92百万円)となり、10億2百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が減少(35億49百万円から28億32百万円へ7億17百万円減少)したことによるものであります。(純資産)当連結会計年度末における純資産の残高は、244億98百万円(前連結会計年度末は237億21百万円)となり、7億76百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が増加(180億28百万円から185億14百万円へ4億86百万円増加)及び為替換算調整勘定が増加(19億89百万円から26億72百万円へ6億83百万円増加)したことによるものであります。自己資本比率は、前連結会計年度末の58.6%から61.3%となりました。
(b)経営成績の分析第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況に記載したとおりであります。
(c)当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、第2[事業の状況]3[事業等のリスク]に記載したとおりであります。
(d)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、2023年5月11日に公表した2024年3月期の連結業績予想である売上高370億円、営業利益7億円、経常利益13億円、親会社株主に帰属する当期純利益9億円を目標としております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの当連結会計年度のキャッシュフローは、以下の通りであります。営業活動によるキャッシュ・フローは21億42百万円となり、前連結会計年度に比べ3億19百万円減少いたしました。これは主に売上が増加したものの原材料価格及び電力価格が上昇したことによるものであります。このように当社グループが得た資金により、成長戦略に基づいた持続的成長を維持するため、主に得意先からの受注に対応する生産設備の更新への支払いを行いました。また、借入金の返済及び配当政策に則った配当金の支払いによる株主還元を実施いたしました。当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下の通りであります。資金需要を満たすための資金は、原則として、営業活動によるキャッシュ・フローを財源としますが、巨額の資金需要に対応する場合等は、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保及び財務の健全性・安定性を維持するため、銀行等から借入等を行う方針であります。資金調達を行う際は、期間や国内外の市場金利動向等、また自己資本比率といった財務指標への影響度等を総合的に勘案しながら、最適な調達を実施いたします。当連結会計年度においては、2022年9月に取引銀行2行と総額10億円のコミットメントライン契約を締結しており、運転資金の安定的かつ効率的な調達手段を確保しております。また、世界的な新型コロナウイルス感染症の流行による先行き不透明感から、2022年11月に三菱UFJ銀行と総額10億円のコミットメントライン契約を締結いたしました。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。