【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績の分析当第2四半期連結累計期間の国際的な経済情勢を見ますと、新型コロナウイルス感染症への対応について各国で温度差が見られる中、ウクライナ情勢の緊迫化やそれに伴うエネルギー価格の高騰、原材料不足による物価上昇など、依然として先行きの不透明な状況が続いています。このような情勢の中で当社グループは、開発面では、ハイパワー・長寿命・高耐久の「40Vmaxリチウムイオンバッテリ」(XGT)シリーズの電動工具・園芸用機器をはじめとした充電製品のラインアップ拡充に注力しました。生産面では、需要環境の変化や地政学的リスクに柔軟に対応し、かつグループ全体での効率の向上を図る生産体制の構築及び管理面の強化に取り組みました。 営業面では、地域密着・顧客密着のサービス体制のレベルアップに注力し、世界各地域のお客さまとの信頼関係の更なる強化に努めるとともに、充電製品を軸とした市場の深耕・開拓に取り組みました。
当第2四半期連結累計期間の当社グループの連結業績は、国内、アジア、オセアニアにおける販売が堅調に推移したことに加え、円安現地通貨高の影響により、売上収益は前年同期比7.4%増の391,318百万円となりました。利益面においては、為替の影響や原材料価格の高騰により原価率が悪化したことに加え、販管費が増加したことから、営業利益は前年同期比58.0%減の21,919百万円(営業利益率5.6%)となりました。税引前四半期利益は前年同期比65.3%減の18,237百万円(税引前四半期利益率4.7%)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は70.7%減の11,078百万円(親会社の所有者に帰属する四半期利益率2.8%)となりました。
地域別の売上収益については、次のとおりであります。なお、地域別売上収益は、それぞれの市場における売上収益を示しており、セグメント情報の売上収益(出荷元基準)とは異なります。国内では、巣ごもり需要が落ち着く中、充電式の園芸用機器やXGTシリーズの新製品を中心に売上を確保し、前年同期比2.0%増の61,823百万円となりました。欧州では、高インフレと金融引き締め、エネルギー供給不安などによる景況感の悪化から販売が減少しましたが、円安現地通貨高の影響もあり、ほぼ前年同期並みの177,380百万円となりました。北米では、巣ごもり需要の落ち着きと、金融引き締めによる景気後退への警戒感から販売が減少しましたが、円安現地通貨高の影響により、前年同期比19.9%増の62,680百万円となりました。アジアでは、中国においてロックダウンの影響を受けたものの、規制緩和が進みつつある国・地域では景気が回復基調となったことから、前年同期比29.5%増の29,042百万円となりました。中南米では、各国でインフレが加速し、先行きへの不透明感の高まりから販売が減少しましたが、円安現地通貨高の影響により、前年同期比15.0%増の24,394百万円となりました。オセアニアでは、建設資材の高騰や金融引き締めなどの景気下押し要因があったものの、新製品や園芸用機器の販売が好調に推移したことにより、前年同期比25.2%増の29,136百万円となりました。中近東・アフリカでは、不安定な政治・経済情勢が続くものの、円安現地通貨高の影響もあり、前年同期比3.5%増の6,863百万円となりました。
(カーボンニュートラルへの取り組み)頻発する風水害など気候変動が社会に及ぼす影響が甚大になる中で、気候変動問題の解決に向けて企業が果たすべき役割はより重要なものとなっており、当社グループは「脱炭素社会への貢献」を特に優先して取り組む重要課題(マテリアリティ)として位置付けて取り組みを強化しております。そのため当社グループは現在、電動工具に次ぐ将来の事業の柱として、使用時に排ガスを出さない充電式の園芸用機器に注力し、脱炭素社会の実現に取り組んでいます。また、温室効果ガス(GHG)排出量の削減に向けて、自社の事業活動でのGHG排出量(Scope1、2)を2030年度までに2020年度比で50%削減し、2040年度までに実質ゼロとすること、サプライチェーン全体でのGHG排出量(Scope3)を2050年度までに実質ゼロとすることを目標として設定しています。2021年度において、Scope1、2のGHG排出量は前期比12.0%減の78,899t-CO2となり、売上原単位では27.2%減の10.7t-CO2/億円となりました。一方、Scope3のGHG排出量は販売台数及び生産台数の増加に伴い、20.9%増の7,264,652t-CO2となり、売上原単位では0.5%減の982.6t-CO2/億円となりました。GHG排出量の削減目標値の達成に向けて、引き続き事業活動における省エネルギー化や商用車のEV化に加え、再生可能エネルギーの活用などを着実に進めていきます。
(2)地域別セグメントの業績セグメント情報は当社及び連結子会社の所在地に基づき決定されます。
日本セグメント当第2四半期連結累計期間の日本セグメントの売上収益は、前年同期比3.3%増の252,435百万円となりました。このうち、外部収益は、前年同期比4.5%増の74,411百万円(連結売上収益の19.0%)となりました。当第2四半期連結累計期間の日本セグメントの営業利益は、原価率の悪化及び費用の増加により前年同期比72.3%減の4,919百万円となりました。
欧州セグメント当第2四半期連結累計期間の欧州セグメントの売上収益は、前年同期比1.6%減の186,186百万円となりました。このうち、外部収益は、前年同期比0.3%減の178,771百万円(連結売上収益の45.7%)となりました。当第2四半期連結累計期間の欧州セグメントの営業利益は、原価率の悪化及び費用の増加などにより前年同期比57.4%減の9,697百万円となりました。
北米セグメント当第2四半期連結累計期間の北米セグメントの売上収益は、前年同期比17.3%増の66,270百万円となりました。このうち、外部収益は、前年同期比19.9%増の64,040百万円(連結売上収益の16.3%)となりました。当第2四半期連結累計期間の北米セグメントの営業利益は、原価率の悪化及び費用の増加などにより前年同期比37.7%減の411百万円となりました。
アジアセグメント当第2四半期連結累計期間のアジアセグメントの売上収益は、前年同期比0.1%減の202,714百万円となりました。このうち、外部収益は、前年同期比30.5%増の18,626百万円(連結売上収益の4.8%)となりました。当第2四半期連結累計期間のアジアセグメントの営業利益は、原価率の改善などにより前年同期比126.9%増の19,569百万円となりました。
その他の地域セグメント当第2四半期連結累計期間のその他の地域セグメントの売上収益は、前年同期比20.3%増の55,744百万円となりました。このうち、外部収益は、前年同期比20.4%増の55,470百万円(連結売上収益の14.2%)となりました。当第2四半期連結累計期間のその他の地域セグメントの営業利益は、原価率の悪化及び費用の増加などにより前年同期比32.7%減の3,390百万円となりました。
(3)財政状態の分析資産合計は、前連結会計年度末に比べ148,197百万円増加し、1,155,694百万円となりました。主な要因は、棚卸資産の増加によるものです。負債合計は、前連結会計年度末に比べ106,775百万円増加し、361,742百万円となりました。主な要因は、借入金の増加によるものです。資本合計は、前連結会計年度末に比べ41,422百万円増加し、793,952百万円となりました。主な要因は、その他の資本の構成要素に含まれる在外営業活動体の換算差額の変動によるものであります。
(4)キャッシュ・フローの状況営業活動の結果使用した資金は、棚卸資産の増加が前年同期より少なかったことや営業債権及びその他の債権が前年同期の増加から減少になったことなどにより前年同期に比べ19,499百万円減少し、10,252百万円となりました。投資活動の結果使用した資金は、定期預金の払戻による収入の減少や投資の売却及び償還による収入の減少などにより前年同期に比べ17,681百万円増加し、20,434百万円となりました。財務活動の結果得られた資金は、短期借入金の借入などにより78,634百万円となりました(前年同期は13,585百万円の支出)。上記活動の結果及び為替レートの変動による影響により、当第2四半期連結会計期間末の当社グループの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末の71,057百万円から43,017百万円増加して114,074百万円となりました。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6)研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発支出(無形資産に計上された開発費を含む)は前年同期比491百万円増の7,745百万円となりました。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。