【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益は、一部に弱さがみられるものの、総じてみれば改善していること、企業の業況判断は改善の動きがみられること、個人消費は緩やかに回復していること、設備投資は回復の動きがみられること等、景気は持ち直しの動きが続いております。景気の先行きに関しましては、ウィズコロナの下で、各種政策の効果もあり、持ち直していくことが期待されるものの、世界的に金融引締めが進む中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクに加え、物価の上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等による影響、中国における感染動向に十分注意する必要があること等から、依然として先行きが不透明な状況が続いております。人材サービス業界を取り巻く環境においては、完全失業者数の減少が続いていること、新規求人数及び新規求人倍率が改善していること等、雇用情勢は持ち直しております。先行きに関しましては、持ち直しの動きが続くことが期待されます。このような環境のもと、当社グループでは、当連結会計年度において、「顧客第一主義のもと、更なる事業の拡大を目指すとともに、周辺サービスの拡充を図る」を目標としたグループ経営を行い、特に主力サービスである「紹介」、「BPO」を中心にフルキャストグループ全体の収益を伸長させることを主眼とした営業活動を行ってまいりました。加えて、継続してグループ全体の業務効率化を推し進め、生産性を高めることで、利益の最大化を図りつつ、更なる事業拡大に取り組んでまいりました。
a.経営成績連結売上高は、コロナ禍が継続する中でも、コロナ禍前の短期人材需要を超過する案件を獲得できたこと、加えて、コロナ関連業務に係る官公庁案件等を引き続き獲得できたことにより、短期業務支援事業が伸長したことを主因として64,645百万円(前期比23.4%増)となりました。利益面では、顧客需要の伸長が続き、短期業務支援事業が増収したことを主因として、連結営業利益は9,823百万円(前期比29.4%増)、連結経常利益は9,884百万円(前期比29.7%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、第1四半期連結会計期間において、保有する投資有価証券の売却に伴う投資有価証券売却益69百万円を特別利益に計上したこと等により6,622百万円(前期比32.1%増)となりました。当社グループは、「持続的な企業価値の向上」を重要な経営課題の1つとして位置付けております。「企業価値の向上」は、株主及び投資家の皆様による当社への期待収益を反映した資本コストを上回るROEを実現することであるという考えのもと、ROEを「企業価値向上」を示す目標指標とし、資本効率を重視した経営の実践に取り組んでおります。なお、当社グループは、ROE20%以上を目標指標としております。当連結会計年度末時点におけるROEは30.6%となり、前連結会計年度末時点の27.8%に比べ2.8ポイント改善し、20%以上を維持しております。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しております。収益認識会計基準等の適用については、収益認識会計基準第84項ただし書きに定める経過的な取扱いに従っておりますが、利益剰余金期首残高、当連結会計年度の損益に与える影響はありません。また、当社グループは、2022年5月31日付で㈱ヘイフィールドの株式を取得し、同社を連結子会社としたことから、第2四半期連結会計期間より連結の範囲に含めております。
事業別の状況セグメント別の業績は次のとおりです。
i)短期業務支援事業コロナ禍が継続する中でも、コロナ禍前の短期人材需要を超過する案件を獲得できたことを主因とし、加えて、コロナ関連業務に係る官公庁案件等を引き続き獲得できたこと等により、短期業務支援事業の売上高は59,439百万円(前期比27.7%増)となりました。利益面では、顧客需要の伸長が続き、増収したことを主因として、セグメント利益(営業利益)は10,533百万円(前期比28.8%増)となりました。
ⅱ)営業支援事業主たる事業内容であるインターネット回線販売事業における通信商材の販売動向が低位で推移したため、営業支援事業の売上高は2,882百万円(前期比18.1%減)となりました。利益面では、減収したものの、販管費の抑制に努めたことを主因として、セグメント利益(営業利益)は89百万円(前期比3.0%増)となりました。
ⅲ)警備・その他事業常駐警備案件及び臨時警備案件の獲得数を増加させたことで、警備・その他事業の売上高は2,324百万円(前期比1.2%増)となりました。利益面では、増収したものの、前期はオリンピックの高粗利特需があったため、セグメント利益(営業利益)は263百万円(前期比17.7%減)となりました。
b.財政状態i)流動性資産の部では、流動資産が前連結会計年度末に比べ5,152百万円増加し29,967百万円となりました。これは主に、現金及び預金が3,216百万円増加し20,626百万円となったこと及び受取手形及び売掛金が1,895百万円増加し8,986百万円となったこと等によるものです。負債の部では、流動負債が前連結会計年度末に比べて1,698百万円増加し9,659百万円となりました。これは主に、未払消費税等が421百万円増加し2,163百万円となったこと、未払費用が344百万円増加し1,874百万円となったこと、未払金が307百万円増加し1,860百万円となったこと及び未払法人税等が303百万円増加し1,710百万円となったこと並びに社会保険料預り金が231百万円増加し576百万円となったことを主因として、流動負債におけるその他が205百万円増加し715百万円となったこと等によるものです。以上の結果、当連結会計年度末の運転資本(流動資産-流動負債)は前連結会計年度末に比べ3,454百万円増加し20,308百万円、流動比率(流動資産÷流動負債×100)は前連結会計年度末の311.7%から310.2%となりました。
ⅱ)資本的支出当連結会計年度において実施した設備投資額は、前期比105百万円増加し284百万円となりました。その主な内訳は、社内利用目的のハードウェア購入及び営業拠点の新規出店・移転に伴う有形固定資産の取得で103百万円、社内利用目的の各種ソフトウエア等購入に伴う無形固定資産の取得で181百万円であります。2023年12月期の重要な設備投資につきましては、特に予定はございません。
ⅲ)有利子負債当連結会計年度末の有利子負債の総額は前連結会計年度末同様、1,000百万円となりました。
ⅳ)純資産当連結会計年度末の純資産は前連結会計年度末に比べて4,349百万円増加し24,928百万円となりました。これは主に、当連結会計年度において2021年12月期決算に係る自己株式取得903百万円、及び剰余金の配当1,669百万円を実施した一方で、6,622百万円の親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことにより、利益剰余金が4,918百万円増加したことによるものです。
以上の結果、デット・エクイティ・レシオ(有利子負債÷自己資本(注)×100)は前期末の5.1%から4.2%、自己資本比率(自己資本÷総資産×100)は前期末の66.2%から66.7%となりました。
(注)
自己資本=純資産の部の合計-新株予約権-非支配株主持分
v)利益配分に関する基本方針当社は、総還元性向50%を目標とし、株主への利益還元の充実化を図る方針であります。今後も、収益力を強化し、経営効率の一層の向上を図ると共に、配当と自己株式取得を合わせた総還元性向50%を目標とした株主還元を実施することにより、ROE20%以上を「企業価値の向上」を示す目標指標とし、その実現を目指してまいります。当社の剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としております。配当の決定機関は、中間配当、期末配当共に取締役会であります。当期の配当につきましては、総還元性向50%の考えに基づき、前期比14円増配、配当予想同額となる1株あたり58円の配当を通期で実施し、期末では1株につき35円の配当(前期比12円増配、配当予想同額)及び株式の取得価額の総額1,218百万円を上限に自己株式の取得を実施いたします。その結果、2022年12月期の総還元性向は50.0%以上となる予定であります。なお、当社は会社法第454条第5項に規定する中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」と言います。)は、前連結会計年度末に比べて3,216百万円増加し(前期は4,101百万円の増加)、当連結会計年度末現在の残高は20,626百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)税金等調整前当期純利益が9,922百万円であったことに対し、法人税等の支払額が3,126百万円であったこと等により、営業活動により得られた資金は6,796百万円(前期は得られた資金が6,368百万円)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資有価証券の売却による収入が186百万円であったことに対し、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が844百万円、無形固定資産の取得による支出が181百万円、有形固定資産の取得による支出が103百万円であったこと等により、投資活動により使用した資金は958百万円(前期は使用した資金が99百万円)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)配当金の支払額が1,667百万円、自己株式の取得による支出が907百万円であったこと等により、財務活動により使用した資金は2,622百万円(前期は使用した資金が2,168百万円)となりました。
③生産、受注及び販売の状況a. 生産及び受注実績当社グループは主として生産活動を行っておらず、また短期業務支援事業は、受注から売上計上までの期間が極めて短いため、受注規模を金額で示すことはしておりません。
b. 販売実績
セグメントの名称
当連結会計年度(自2022年1月1日 至2022年12月31日)(百万円)
前年同期比(%)
短期業務支援事業
59,439
27.69%
営業支援事業
2,882
△18.14%
警備・その他事業
2,324
1.23%
合計
64,645
23.45%
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の採用や、資産・負債及び収益・費用の計上及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り項目特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。また、当社グループの連結財務諸表の作成に採用した重要な会計上の見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う会計上の見積りについて、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴う経済情勢や事業環境の変化による影響が懸念されますが、新型コロナウイルス感染症の収束時期等を予測することは困難なことから、当連結会計年度においては新型コロナウイルス感染症による影響は軽微なものと仮定して会計上の見積りを行っております。ただし、今後の状況の変化によって判断を見直した結果、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において重要な影響を与える可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等i)売上高連結売上高は、コロナ禍が継続する中でも、コロナ禍前の短期人材需要を超過する案件を獲得できたこと、加えて、コロナ関連業務に係る官公庁案件等を引き続き獲得できたことにより、短期業務支援事業が伸長したことを主因として64,645百万円(前期比23.4%増)となりました。これをセグメント別に見ますと次のとおりです。
・短期業務支援事業コロナ禍が継続する中でも、コロナ禍前の短期人材需要を超過する案件を獲得できたことを主因とし、加えて、コロナ関連業務に係る官公庁案件等を引き続き獲得できたこと等により、短期業務支援事業の売上高は59,439百万円(前期比27.7%増)となりました。
・営業支援事業主たる事業内容であるインターネット回線販売事業における通信商材の販売動向が低位で推移したため、営業支援事業の売上高は2,882百万円(前期比18.1%減)となりました。
・警備・その他事業常駐警備案件及び臨時警備案件の獲得数を増加させたことで、警備・その他事業の売上高は2,324百万円(前期比1.2%増)となりました。
ⅱ)営業費用及び営業利益売上原価は前連結会計年度に比べ8,848百万円増加し43,184百万円(前期比25.8%増)となり、売上原価率については65.6%から66.8%と、1.2ポイント増加しました。販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べて1,199百万円増加し11,637百万円(前期比11.5%増)となり、その売上高に対する比率は前連結会計年度の19.9%から1.9ポイント減少し18.0%となりました。その結果、営業利益は前連結会計年度に比べ2,231百万円増加し9,823百万円(前期比29.4%増)となりました。これをセグメント別に見ますと次のとおりです。
・短期業務支援事業利益面では、顧客需要の伸長が続き、増収したことを主因として、セグメント利益(営業利益)は10,533百万円(前期比28.8%増)となりました。
・営業支援事業利益面では、減収したものの、販管費の抑制に努めたことを主因として、セグメント利益(営業利益)は89百万円(前期比3.0%増)となりました。
・警備事業・その他事業利益面では、増収したものの、前期はオリンピックの高粗利特需があったため、セグメント利益(営業利益)は263百万円(前期比17.7%減)となりました。
ⅲ)営業外損益及び経常利益営業外損益は、前連結会計年度の32百万円の収益(純額)から61百万円の収益(純額)となりました。経常利益は、営業利益が増益したことにより、前連結会計年度に比べて2,261百万円増加し、9,884百万円(前期比29.7%増)となりました。
ⅳ)特別利益及び特別損失並びに税金等調整前当期純利益特別利益から特別損失を控除した純額は、37百万円の収益となりました。結果、税金等調整前当期純利益は9,922百万円(前期比30.4%増)となりました。
v)法人税等及び当期純利益税効果会計適用後の法人税等は前連結会計年度に比べ709百万円増加し3,181百万円となり、当期純利益は6,741百万円(前期比31.3%増)となりました。
ⅵ)親会社株主に帰属する当期純利益非支配株主に帰属する当期純利益は119百万円となりました。 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ1,610百万円増加し6,622百万円(前期比32.1%増)となりました。1株当たり当期純利益は183円11銭(前連結会計年度は137円34銭)となりました。
b.経営成績に影響を与える大きな要因当社グループの経営成績に影響を与える大きな要因は「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性i)資金需要当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、事業活動の維持・拡大を図っていくために必要となる運転資金、営業拠点の新規出店・移転に伴う費用及びシステム投資費用等の設備投資資金があるほか、M&A等の一時的な資金需要があります。
ⅱ)資本の財源及び資金の流動性当社グループでは、事業活動を維持するための適切な資金の確保と、適正水準の流動性の維持及び健全な財政状態の維持を財務の基本方針としつつ、多様な資金調達手段の確保に努めております。 当社グループが事業活動の維持・拡大を図っていくために必要となる運転資金や設備投資資金の調達は、営業活動から得られるキャッシュ・フローと金融機関からの借り入れにより十分可能であると考えております。 なお、当社グループは運転資金の効率的な調達を行うため、取引先銀行4行と総額5,600百万円を限度とした当座貸越契約を締結しております。 有利子負債の状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.財政状態 ⅲ)有利子負債」に記載のとおりであります。 当社グループの資金調達、資金運用等に関する取り組み方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注意事項(金融商品関係)」に記載のとおりであります。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、「持続的な企業価値の向上」を重要な経営課題の1つとして位置付けております。 当社グループは、「企業価値の向上」を示す目標指標をROE20%以上にすると共に、財務の健全性を確保しつつ必要な成長投資を行うための適切な負債水準を維持するためデットエクイティレシオ1.0倍を上限とする方針とし、資本効率を重視した経営を実践すると共に、財務の健全性を確保しながら収益性、成長性のバランスを重視し、企業価値の最大化を図ってまいります。加えて、当社は、総還元性向50%を目標とし、株主への利益還元の充実化を図る方針であります。 「持続的な企業価値の向上」を実現するための指標 : ROE20%以上「株主還元」に係る指標 : 総還元性向50%「資本政策の基本方針」を支える指標 : DEレシオ上限1.0倍以上の指標を達成することにより、「持続的な企業価値向上」を実現いたします。当社グループは、「中期経営計画 2024」を策定いたしました。詳細につきましては、2022年2月10日に公表いたしました「「中期経営計画 2024」策定に関するお知らせ」をご参照ください。
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