【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における世界経済は、各国政府による新型コロナウイルス感染防止対策と経済活動の両立が進んだことなどから、消費や投資が拡大し、概ね回復基調で推移いたしました。一方で、世界情勢はウクライナ情勢の緊張が続き、エネルギー価格、原材料価格の高騰など不安定な状況が続きました。
日本経済も、7月以降の新型コロナウイルス感染第7波の急拡大により再び社会・経済活動が縮小傾向となりました。また、世界的な半導体不足及び原油高の影響のみならず、外国為替相場が円安方向に急激に変動したことなどから物価上昇圧力が高まり、経済活動に大きな影響を及ぼしました。
このような環境下、当社グループは新中期経営計画『NEW HARIMA 2026』の初年度に当たり、更なる事業の成長に取り組んでおります。 当社グループの海外事業は、欧米での粘接着剤用樹脂の売上高が増加し、製紙用薬品事業が堅調に推移したこともあり、売上高は前年同四半期に比べ増加しました。利益面でも、原材料価格高騰の影響を受けましたが、売上高が増加したため、前年同四半期に比べ増加しました。 国内事業も、原材料価格の上昇に対する販売価格への転嫁を進めたこともあり、売上高は前年同四半期に比べ増加しましたが、利益面では原材料価格高騰の影響を受け、前年同四半期に比べ減少しました。 その結果、当社グループの当第2四半期連結累計期間の連結業績は、売上高は468億9千7百万円となり、前年同四半期に比べ105億5千4百万円(29.0%)の増収となりました。
利益面では、営業利益は21億9千9百万円となり、前年同四半期に比べ2億5千1百万円(12.9%)の増益となりました。経常利益は27億9千6百万円となり、前年同四半期に比べ7億6千4百万円(37.6%)の増益となりました。 また、親会社株主に帰属する四半期純利益は14億9千1百万円となり、前年同四半期に比べ2億3千8百万円(19.1%)の増益となりました。 当社グループの部門別経営成績の概況は次の通りであります。
(樹脂化成品) 売上高は、需要減少はあるものの原材料価格の上昇分を販売価格への転嫁が一定程度進んだことにより93億4千3百万円と、前年同四半期に比べ8億6千7百万円(10.2%)の増収となりました。営業損失は、1億1千1百万円と原材料価格の高騰の影響を受け、前年同四半期に比べ1億7百万円赤字幅が増加しました。
•塗料用樹脂は、建築関連が堅調に推移したことから、売上数量は前年同四半期並みとなりましたが、原材料高騰に対する原材料価格上昇分を販売価格への価格転嫁が進み、売上高は増加しました。
•印刷インキ用樹脂は、商業印刷や新聞などに使用されるインキの需要が前年同四半期を下回り、売上数量は前年同四半期で減少しましたが、原材料高騰に対する原材料価格上昇分を販売価格への価格転嫁が進み、売上高は前年同四半期並みとなりました。
•合成ゴム用乳化剤は、タイヤ生産量が前年同四半期比で減少するなど、需要の減少により売上数量は減少しましたが、原材料価格の高騰分の販売価格への転嫁が進み、売上高は増加しました。
(製紙用薬品)
売上高は、引き続き堅調な段ボール原紙の需要により、121億7千万円と前年同四半期に比べ20億1千6百万円(19.9%)の増収となりました。営業利益は8億5千6百万円となり、原材料価格の高騰の影響もあり、前年同四半期に比べ1億1千9百万円(△12.2%)の減益となりました。・紙力増強剤の販売は、国内では、通販の市場拡大による段ボール需要の増加に加え、東南アジアでの需要が拡大したことから、売上高は増加しました。中国では、古紙輸入規制強化による需要が堅調に推移したことから、売上高は増加しました。・サイズ剤の販売は、国内では、新聞用紙、印刷・情報紙の需要は減少していますが、原材料価格の高騰分の製品価格への転嫁が一定程度進んだことにより売上高は増加しました。米国では、紙、板紙の生産量が前年同四半期に比べ増加となったことに加え、原材料価格の高騰により市場価格が上昇したことから、売上高は増加しました。
(電子材料) 売上高は、自動車生産台数が減少傾向にありましたが、旺盛な半導体需要の継続もあり、37億8千万円となり、前年同四半期に比べ5億6千1百万円(17.4%)の増収となりました。営業利益は、売上高は増加しましたが、原材料価格高騰による影響で、1億5千9百万円と前年同四半期に比べ2億2千4百万円(△58.4%)の減益となりました。•熱交換器用ろう付け材料は、自動車生産台数の減少に伴い、売上高は減少しました。 •はんだ付け材料は、自動運転や電動化により電子部品の需要が増加傾向にあることから、売上高は増加しました。 •半導体用機能性樹脂は、5G通信インフラなどの需要拡大が継続していることから、売上高が増加しました。
(ローター)
売上高は、欧米での堅調な需要を背景に、204億6千3百万円で、前年同四半期に比べ65億8千万円(47.4%)の増収となりました。営業利益は売上高の増加に加え、原材料価格の高騰分の販売価格への転嫁が進んだことにより、16億1千6百万円と前年同四半期に比べ4億4百万円(33.4%)の増益となりました。•粘接着剤用樹脂の分野では、南米、オセアニア地域で物流の混乱に伴い販売数量は減少しましたが、全体としては通販市場の拡大に伴い宛名用ラベルシールに使用される粘着剤用樹脂の需要が世界的に増加し、また、路面標示塗料用樹脂の需要も北米を中心に堅調に推移したことから売上高は増加しました。 •印刷インキ用樹脂の分野では、情報のデジタル化を背景に需要の低迷は継続しているものの、コロナ禍からの経済回復に伴って全地域で需要が回復し、販売数量は増加しました。また、原材料価格の上昇に伴い、販売価格も上昇したことにより売上高は増加しました。
当第2四半期連結会計期間末の総資産は前期末に比べ153億4千9百万円の増加となりました。増減の主な内容は以下の通りです。(流動資産)受取手形及び売掛金が40億8千万円、商品及び製品が10億6千6百万円増加し、原材料及び貯蔵品が 23億5千2百万円増加しております。(固定資産)ヘンケル社資産譲受により顧客基盤が41億3千8百万円増加しております。(流動負債)支払手形及び買掛金が34億5千3百万円増加し、短期借入金が71億3千6百万円増加しております。(固定負債)長期借入金が4億4千4百万円減少しました。(純資産)為替換算調整勘定が28億1千3百万円増加したことにより純資産は増加しましたが、借入金の増加 に伴い総資産も増加したことで、自己資本比率は42.4%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、60億9千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億5千7百万円(14.2%)の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によって得られた資金は、1億2千8百万円(前年同四半期に比べ22億3千6百万円減少)となりました。これは、売上債権の増加額24億3千万円、棚卸資産の増加額17億1千3百万円があったものの、仕入債務の増加額24億4千2百万円等により、資金の収入が支出を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動により使用された資金は、54億5千7百万円(前年同四半期に比べ48億8百万円増加)となりました。これは、顧客基盤の取得による支出40億6千万円があり、資金の支出が収入を上回ったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動により得られた資金は、54億1千2百万円(前年同四半期に比べ54億2千3百万円増加)となりました。これは、配当金の支払による支出が4億7千8百万円あったものの、短期借入金の増加による収入65億1千2百万円等により、資金の収入が支出を上回ったことによるものであります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は13億2千1百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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