【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
第1四半期連結会計期間より、IAS第12号「法人所得税」(2021年5月改訂)を適用しており、遡及適用後の数値で前第3四半期連結累計期間及び前連結会計年度との比較分析を行っております。この基準の適用による当要約四半期連結財務諸表に与える重要な影響はありません。なお、会計方針の変更の詳細は、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 重要性がある会計方針」に記載のとおりです。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当社グループは、経常的な収益力を示す指標として事業利益を採用しております。
事業利益とは、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費並びに研究開発費を控除した額に持分法による投資損益を加減算した額であります。
(単位:百万円)
前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
増減額
増減率
売上収益
1,266,119
1,479,080
212,961
16.8%
研究開発費投資前事業利益
319,460
474,120
154,660
48.4%
事業利益
125,694
258,483
132,789
105.6%
営業利益
114,848
202,650
87,802
76.5%
税引前四半期利益
145,999
213,208
67,208
46.0%
四半期利益
113,950
165,313
51,362
45.1%
親会社の所有者に帰属する四半期利益
111,036
161,713
50,677
45.6%
研究開発費
193,765
215,637
21,871
11.3%
減損損失
30,697
57,172
26,474
86.2%
これまで当社グループは、「トータルヘルスケア企業」として、健康の維持・増進、病気の診断から治療までを担う事業を展開してまいりました。社会環境が変化し続ける中、不確実性の高い世界がもたらす社会課題を先取りし、環境変化で生まれた新しい技術やニーズを取り入れながら、健康意識の高まりを成長機会と捉え、今こそ「トータルヘルスケア企業」の真価を発揮し、引き続き、持続的成長の実現に向けた取り組みを進めてまいります。
当第3四半期連結累計期間の売上収益は、すべての事業セグメントで増収となり、1,479,080百万円(前年同四半期比16.8%増)となりました。主な要因は、医療関連事業において、持続性抗精神病薬「エビリファイ メンテナ」、抗精神病薬「レキサルティ」、V2-受容体拮抗剤「ジンアーク」、抗悪性腫瘍剤「ロンサーフ」のグローバル4製品、及び導出品に対するロイヤリティ・マイルストーン収入の伸長が業績を牽引したことによります。この結果、日本のV2-受容体拮抗剤「サムスカ」の心不全・肝硬変における体液貯留の効能の独占販売期間満了に伴う減収を超えて、売上収益は大幅に伸長しました。さらに、ニュートラシューティカルズ関連事業においても、健康意識が高まる中、「ポカリスエット」及び「ネイチャーメイド」が引き続き伸長しました。
研究開発費投資前事業利益は、474,120百万円(同48.4%増)となりました。主な要因は、前述のグローバル4製品及び導出品に対するロイヤリティ・マイルストーン収入の増収を受け売上総利益が増加したこと、一方で、新規事業への投資を加速する中で既存事業への投資を効率化することで販売費及び一般管理費を適正にコントロールし販売管理費率を低減したことによります。
研究開発費は、215,637百万円(同11.3%増)となりました。主な増加要因は、新規作用機序を有する抗精神病薬に係る住友ファーマ株式会社との共同開発及び販売に関するライセンス契約締結に基づく開発費、非小細胞肺がんを対象として開発中のzipalertinib/TAS6417、及びIgA腎症を対象として開発中のsibeprenlimab/VIS649が順調に進捗したことや為替影響があったことによります。
想定以上の売上成長と販売費及び一般管理費を適正にコントロールした結果、事業利益は258,483百万円(同105.6%増)と大幅な増益となりました。
営業利益においても、202,650百万円(同76.5%増)と大幅な増益となりました。これは、デイヤフーズ社及び住友ファーマ株式会社との提携品等に係る減損損失が計上されたものの、売上収益が想定以上に伸長したことによります。
なお、四半期利益は165,313百万円(同45.1%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は161,713百万円(同45.6%増)となりました。
当第3四半期連結累計期間の事業セグメント別売上収益及び事業利益
(単位:百万円)
医療関連事業
ニュートラシューティカルズ関連事業
消費者関連事業
その他の事業
調整額
連結
売上収益
992,416
359,126
28,453
131,936
△32,851
1,479,080
事業利益
222,017
51,493
14,148
8,670
△37,847
258,483
(参考-前年同一期間)
(単位:百万円)
医療関連事業
ニュートラシューティカルズ関連事業
消費者関連事業
その他の事業
調整額
連結
売上収益
819,334
325,631
27,006
126,099
△31,952
1,266,119
事業利益
101,346
46,299
5,842
7,398
△35,192
125,694
(医療関連事業)
当第3四半期連結累計期間における売上収益は992,416百万円(前年同四半期比21.1%増)、事業利益は222,017百万円(同119.1%増)となりました。
<主要製品の状況>
●グローバル4製品
当社グループがグローバル4製品と位置付ける持続性抗精神病薬「エビリファイ メンテナ」、抗精神病薬「レキサルティ」、V2-受容体拮抗剤「サムスカ/ジンアーク」、抗悪性腫瘍剤「ロンサーフ」の売上収益の合計は、527,977百万円(前年同四半期比16.2%増)となりました。
・持続性抗精神病薬「エビリファイ メンテナ」
米国では、服薬アドヒアランスに課題がある双極Ⅰ型障害や統合失調症患者に対する製品の有用性の訴求や、対面による情報提供活動により処方数が伸長し、為替影響もあり増収となりました。日本では、統合失調症に加え、双極Ⅰ型障害の情報提供活動を強化し、売上収益は順調に増加しています。これらの結果、売上収益は147,146百万円(前年同四半期比22.2%増)となりました。
・抗精神病薬「レキサルティ」
大うつ病補助療法及び統合失調症に加えて、2023年5月より、アルツハイマー型認知症に伴う行動障害(アジテーション)の治療薬として販売する米国では、対面による情報提供活動の強化により処方数が伸長し、為替影響もあり増収となりました。なお、アルツハイマー型認知症に伴う行動障害に関する疾患啓発活動を積極的に進め、また、DTC*広告を実施しております。日本では、統合失調症の情報提供活動の強化により新規処方数が伸長し、売上収益は増加しました。これらの結果、売上収益は153,098百万円(前年同四半期比26.0%増)となりました。
* Direct to consumer
・V2-受容体拮抗剤「サムスカ」
日本では、常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)に対する処方数が伸長し、治療経験のある患者が1万例を超えております。一方、心不全・肝硬変における体液貯留の効能においては、後発医薬品発売の影響を受け大幅減収となりました。低ナトリウム血症の治療薬として販売する米国でも、後発医薬品発売の影響を受け大幅減収となりました。これらの結果、売上収益は36,928百万円(前年同四半期比47.8%減)となりました。
・V2-受容体拮抗剤「ジンアーク」
米国では、ADPKD治療薬として、継続的な疾患啓発や臨床データの情報提供活動等により処方数が伸長し、為替影響もあり大幅増収となりました。これらの結果、売上収益は132,853百万円(前年同四半期比32.9%増)となりました。
・抗悪性腫瘍剤「ロンサーフ」
米国では、2023年8月に大腸がんにおけるベバシズマブ併用療法の適応追加が承認され、NCCNガイドライン*による併用療法の推奨ならびに為替の影響もあり大幅増収となりました。欧州においては、処方数の伸長や為替の影響があり、売上収益は大幅に増加しました。また、同年7月に同併用療法が承認されました。日本では、論文掲載等による同併用療法の認知向上に伴い、処方数は堅調に推移しています。これらの結果、売上収益は57,949百万円(前年同四半期比38.1%増)となりました。
* 世界的に広く利用されているがん診療ガイドライン
(ニュートラシューティカルズ関連事業)
当第3四半期連結累計期間における売上収益は359,126百万円(前年同四半期比10.3%増)、事業利益は51,493百万円(同11.2%増)となりました。
<主要製品の状況>
当社グループが主要3ブランドと位置付ける「ポカリスエット」、「ネイチャーメイド」、ニュートリション エ サンテ社ブランドの売上収益の合計は、234,607百万円(前年同四半期比15.7%増)となりました。育成3ブランドと位置付けるデイヤフーズ社ブランド、「エクエル」、「ボディメンテ」の売上収益の合計は、20,621百万円(同2.6%減)となりました。
●主要3ブランド
水分・電解質補給飲料「ポカリスエット」は、日本では、2023年4月の価格改定の影響で販売数量は一時的に減少しましたが、従来から継続している水分・電解質補給の啓発活動の結果、過去最高気温となった今夏*1は日常生活での熱中症対策への関心の高まりによる利用促進に加え、スポーツイベントでのブランド接点や飲用体験の増加等もあり、販売数量は順調に伸長しています。海外では、各地の文化や状況に応じた啓発により水分・電解質補給の重要性が浸透している中、長年の取り組みを通じてブランドイメージを構築したことにより、販売数量が順調に伸長しています。これらの結果、ブランド全体の販売数量は伸長し、増収となりました。
ファーマバイト社のサプリメント「ネイチャーメイド」は、米国では、生活者の体調管理意識の向上とブランドや品質に対する高い信頼性を背景にシェアが拡大*2したことに加え、ソーシャルメディアでのマーケティング活動や為替の影響もあり増収となりました。
欧州を中心に健康食品を展開するニュートリション エ サンテ社ブランドは、フードサービス*3やEコマースの拡大を進めています。事業再編の影響により一時的に減収となりましたが、「Gerblé」等の主力製品の成長や為替の影響等により、日本円ベースでは増収となりました。
*1 気象庁:今夏(6~8月)の全国平均気温は1898年の統計開始以来最も高かった
*2 IRI Data:Market Advantage; Calendar YTD 9/10/2023, Food, Drug, Mass Excluding Amazon and Costco
*3 公共機関や学校等における給食サービス
●育成3ブランド
プラントベース(植物由来)食品であるデイヤフーズ社ブランドは、北米の乳代替チーズ市場の競合環境激化等の影響により減収となりましたが、独自技術を活かした製品ラインアップの拡充及び流通拡大に取り組んでいます。
女性の健康と美をサポートするエクオール含有食品「エクエル」は、日本では、女性の健康に関するセミナーの開催等、幅広い情報提供活動により製品の認知が進み、Eコマースの定期契約件数が伸長し、引き続き売上収益は順調に増加しています。
植物由来の乳酸菌B240*4を含有する「ボディメンテ」は、減収となりましたが、製品価値の普及活動を強化し、コアユーザーの育成や製品認知の向上と利用拡大に取り組んでいます。
*4 Lactiplantibacillus pentosus ONRICb0240:東京農業大学が単離、大塚製薬㈱が有効性を確認した乳酸菌
(消費者関連事業)
当第3四半期連結累計期間における売上収益は28,453百万円(前年同四半期比5.4%増)、事業利益は持分法投資利益の増加等により14,148百万円(前年同四半期比142.2%増)となりました。
ウォーター類は、主力製品「クリスタルガイザー」において、日本では、価格改定の影響もあり販売数量は減少しましたが、軽量ボトル・軽量キャップ、50%リサイクルペットボトルによる環境への取り組みを発信したブランド価値の訴求等により増収となりました。ビタミン炭酸飲料「マッチ」は、既存品のユーザー拡大に加え、2023年3月に発売した「マッチ 塩レモンソーダ」の好調を受け、販売数量が伸長しました。
(その他の事業)
当第3四半期連結累計期間における売上収益は131,936百万円(前年同四半期比4.6%増)、事業利益は8,670百万円(同17.2%増)となりました。
機能化学品分野は、半導体市場の停滞、特に中国市場の回復が遅れているため、半導体産業向け薬剤の販売が低迷していることより、売上収益は微減となりました。ファインケミカル分野は、抗生剤中間体の販売増加等により、増収となりました。
運輸・倉庫分野は、物流のデータ連携によるトータルヘルスケア物流プラットフォーム強化により、新規の外部顧客の獲得及び取扱数量が堅調に推移している一方、上昇傾向にあった国際輸送の運賃単価の下落があり、売上収益は微減となりました。
※その他、製品別の売上収益等につきましては、決算補足資料(ファクトブック)をご参照ください。
www.otsuka.com/jp/ir/library/materials.html
② 財政状態の状況
(単位:百万円)
前連結会計年度
(2022年12月31日)
当第3四半期連結会計期間
(2023年9月30日)
増減額
流動資産
1,192,030
1,353,542
161,512
非流動資産
1,910,608
2,064,428
153,820
資産合計
3,102,638
3,417,971
315,332
流動負債
539,193
631,539
92,346
非流動負債
301,076
260,643
△40,432
負債合計
840,269
892,183
51,914
資本合計
2,262,369
2,525,788
263,418
a. 資産
当第3四半期連結会計期間末における総資産は3,417,971百万円(前連結会計年度末は3,102,638百万円)となり、315,332百万円増加しました。その内訳は、流動資産が161,512百万円の増加、非流動資産が153,820百万円の増加であります。
(流動資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は1,353,542百万円(前連結会計年度末は1,192,030百万円)となり、161,512百万円増加しました。その主たる内訳は、現金及び現金同等物が47,004百万円、売上債権及びその他の債権が76,443百万円、棚卸資産が27,638百万円、その他の流動資産が10,267百万円増加したこと等によるものであります。
(非流動資産)
当第3四半期連結会計期間末における非流動資産は2,064,428百万円(前連結会計年度末は1,910,608百万円)となり、153,820百万円増加しました。その主たる内訳は、有形固定資産が28,369百万円、のれんが27,753百万円、持分法で会計処理されている投資が37,888百万円、その他の金融資産が21,130百万円、繰延税金資産が38,386百万円増加したこと等によるものであります。
b. 負債
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は892,183百万円(前連結会計年度末は840,269百万円)となり、51,914百万円増加しました。その内訳は、流動負債が92,346百万円の増加、非流動負債が40,432百万円の減少であります。
(流動負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は631,539百万円(前連結会計年度末は539,193百万円)となり、92,346百万円増加しました。その主たる内訳は、仕入債務及びその他の債務が12,722百万円減少したものの、社債及び借入金が14,391百万円、その他の金融負債が19,027百万円、未払法人所得税が13,644百万円、その他の流動負債が55,419百万円増加したこと等によるものであります。社債及び借入金の増加は、社債のうち1年以内償還予定を流動負債に振り替えたことによるものであります。
(非流動負債)
当第3四半期連結会計期間末における非流動負債は260,643百万円(前連結会計年度末は301,076百万円)となり、40,432百万円減少しました。その主たる内訳は、社債及び借入金が23,432百万円、その他の金融負債が14,353百万円減少したこと等によるものであります。
c. 資本
当第3四半期連結会計期間末における資本は2,525,788百万円(前連結会計年度末は2,262,369百万円)となり、263,418百万円増加しました。その主たる内訳は、親会社の所有者に帰属する四半期利益161,713百万円の計上、配当金の支払54,265百万円等により利益剰余金が107,719百万円、主として円安の影響によりその他の資本の構成要素が149,686百万円増加したこと等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は518,639百万円となり、前連結会計年度末より47,004百万円増加しました。当第3四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、185,997百万円となりました。一方で、将来の持続的成長に向けて、主に医療関連事業及びニュートラシューティカルズ関連事業において投資等を行ったことにより、投資活動によるキャッシュ・フローは△74,754百万円となりました。財務活動につきましては、借入金及びリース負債を返済し、配当金の支払額が△55,650百万円となったことから、財務活動によるキャッシュ・フローは△82,378百万円となりました。
これらの結果、営業活動によるキャッシュ・イン・フローは、投資活動及び財務活動を合わせたキャッシュ・アウト・フローを上回り、現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より増加し、518,639百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、185,997百万円(対前年同四半期比14,925百万円増)となりました。当第3四半期連結累計期間の主な内容は、税引前四半期利益213,208百万円、減価償却費及び償却費70,273百万円、減損損失及びその戻入益57,172百万円、売上債権及びその他の債権の増減額△41,084百万円、仕入債務及びその他の債務の増減額△37,803百万円、法人所得税等の支払額△74,739百万円となっております。当第3四半期連結累計期間における対前年同四半期比14,925百万円のキャッシュ・フロー増加の主な要因は、医療関連事業のグローバル4製品及び導出品に対するロイヤリティ・マイルストーン収入の伸長が業績を牽引し、税引前四半期利益が67,208百万円増加したこと等によるキャッシュ・フローの増加が、売上債権及びその他の債権の増減額が対前年同四半期比△65,554百万円減少したこと、法人所得税等の支払額が対前年同四半期比43,470百万円増加したこと等の影響によるキャッシュ・フローの減少を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、△74,754百万円(同14,344百万円支出増)となりました。当第3四半期連結累計期間の主な内容は、有形固定資産の取得による支出△61,926百万円、投資の売却及び償還による収入15,905百万円、投資の取得による支出△25,376百万円等であります。当第3四半期連結累計期間における対前年同四半期比14,344百万円のキャッシュ・フロー減少(支出増)の主な要因は、無形資産の取得による支出が33,397百万円減少したものの、有形固定資産の取得による支出が17,025百万円増加し、投資の売却及び償還による収入が18,317百万円減少したこと、投資の取得による支出が7,403百万円増加したことにより、対前年同四半期比で支出増となったものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、△82,378百万円(同1,639百万円支出減)となりました。当第3四半期連結累計期間の主な内容は、長期借入金の返済による支出△10,327百万円、リース負債の返済による支出△15,255百万円、配当金の支払額△55,650百万円であります。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発費は215,637百万円です。
主な研究開発分野及び新製品の開発のセグメント別の状況は、次のとおりです。
(医療関連事業)
当社グループは、精神・神経領域、がん・がんサポーティブケア領域を重点領域とし、循環器・腎領域等においても未充足疾患に焦点を当てた研究開発を進めています。
医療関連事業における研究開発費は、204,720百万円です。
当第3四半期連結累計期間の医療関連事業における研究開発の主な進捗状況は、以下のとおりです。
領域
開発コード
製品名
一般名
エリア
対象・適応症
状況*
精神・神経領域
OPC-34712
レキサルティ
ブレクスピプラゾール
日本
大うつ病
2023年1月、承認申請
米国
アルツハイマー型認知症に伴う行動障害(アジテーション)
2023年5月、効能追加承認取得
欧州
大うつ病
事業戦略上、開発中止
アルツハイマー型認知症に伴う行動障害(アジテーション)
事業戦略上、開発中止
アリピプラゾール持続性注射剤
エビリファイ
メンテナ
アリピプラゾール
中国
統合失調症
2023年5月、承認取得
アリピプラゾール2ヵ月持続性
注射剤
ABILIFY ASIMTUFII
米国
統合失調症、双極Ⅰ型障害
2023年4月、承認取得
AVP-786
―
重水素化デキストロメトルファン・キニジン
米国
統合失調症陰性症状
開発戦略上、開発中止
SEP-4199
―
―
日本・米国
双極Ⅰ型障害うつ
リクルート進捗の大幅な遅れのため、試験中止
がん・がんサポーティブケア領域
ASTX727
INAQOVI
decitabine・cedazuridine
欧州
急性骨髄性白血病
2023年9月、承認取得
ASTX660
―
tolinapant
米国
固形がん、リンパ腫
開発戦略上、開発中止
ASTX660 + ASTX727
―
tolinapant + decitabine・cedazuridine
米国
T細胞リンパ腫
2023年2月、フェーズⅠ 開始
米国
急性骨髄性白血病
開発戦略上、開発中止
AP24534
アイクルシグ
ポナチニブ
中国
慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病
2023年3月、承認申請
TAS-116
ジェセリ
ピミテスピブ
日本
前立腺がん
2023年9月、フェーズⅡ開始
TAS-120
リトゴビ
フチバチニブ
日本
がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道がん
2023年6月、承認取得
欧州
胆管がん
2023年7月、承認取得
TAS3351
―
―
日本・米
国・欧州
非小細胞肺がん
2023年6月、フェーズ
Ⅰ/Ⅱ開始
TAS3681
―
―
米国・欧州
前立腺がん
開発戦略上、開発中止
TAS6417
―
zipalertinib
日本
非小細胞肺がん
2023年7月、フェーズ
Ⅰ/Ⅱ開始
AB122 + AB154
―
zimberelimab + domvanalimab
日本
上部消化管がん
2023年6月、フェーズⅢ
開始
日本
非小細胞肺がん
2023年6月、フェーズⅠ
開始
AB122 +TAS-120
―
zimberelimab +フチバチニブ
日本
固形がん
2023年1月、フェーズⅠ
開始
OPF-501C
―
塩化亜鉛
日本
がん性皮膚潰瘍
2023年7月、フェーズⅡ
開始
OPB-171775
―
―
日本
固形がん
開発戦略上、開発中止
循環器・腎領域
ETC-1002
―
ベムペド酸
日本
高コレステロール血症
2023年2月、フェーズⅢ
開始
OPC-131461
―
―
日本
心性浮腫
2023年1月、フェーズⅡ
開始
その他領域
OPA-15406
モイゼルト
ジファミラスト
中国
アトピー性皮膚炎
2023年2月、フェーズⅢ
開始
OPC-1085EL
ミケルナ
カルテオロール・ラタノプラスト
中国
緑内障、高眼圧症
フェーズⅢ開始
OPS-2071
―
―
中国
過敏性腸症候群
2023年6月、フェーズⅡ
開始
VIS171
―
―
未定
自己免疫疾患
2023年1月、フェーズⅠ
開始
* 米国・欧州における承認申請は、当局へ承認申請、あるいは当局による申請受理を意味します。それ以外の国・地域では当局に承認申請を提出したことを意味します
(ニュートラシューティカルズ関連事業)
当事業においては、医療関連事業で培ったノウハウを活かし、人々の健康の維持・増進のための科学的根拠をもった独創的な製品の研究開発に取り組んでいます。
まるごと大豆の栄養を手軽に美味しく摂取できる大豆バー「ソイジョイ(SOYJOY)」ブランドから、「SOYJOYフルーツ&ベイクドチーズ」を2023年3月に発売しました。
独自の発想と技術により肌の健康を考えるコスメディクス*分野では、男性向けスキンケアブランド「UL・OS(ウル・オス)」より、毛髪のボリューム感やハリ・コシが気になる方向けの「ウル・オス スカルプシャンプー ボリュームアップ」を同年3月に発売しました。
女性の健康と美をサポートするエクエルブランドから、新「エクエル ジュレ」を同年4月に発売しました。大豆イソフラボンのパワーの源であるエクオールをはじめ、ビタミンD、コラーゲン、カルシウムが1袋で美味しく摂れるさわやかオレンジ味のオールインワンゼリーで、全国の医療機関・調剤薬局および一部ECサイトにて販売しています。
ニュートラシューティカルズ関連事業における研究開発費は、6,620百万円です。
* 健粧品(コスメディクス):cosmetics(化粧品)+medicine(医薬品)
(消費者関連事業)
当事業においては、生活に身近な食品や飲料の分野でオリジナルかつユニークな製品の研究開発に取り組んでいます。社会変化に伴う健康・環境・人口・高齢化問題など様々な課題の解決に向け「レトルト事業」「飲料事業」「プラントベース事業」を中核とし、「食」と「健康」をテーマに革新的な製品を創出、提案しています。
消費者関連事業における研究開発費は、506百万円です。
(その他の事業)
当事業においては、機能化学品やファインケミカルの分野で研究開発に取り組んでいます。有機、無機の合成技術を主体とし、独自の技術を核とした新製品や次世代分野の研究開発を行っています。
その他の事業における研究開発費は、3,789百万円です。
(4) 主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した主要な設備の新設計画は、次のとおりであります。
会社名
事業所名
所在地
セグメントの名称
設備の内容
投資予定金額
資金調達方法
着手及び完了予定年
総額
(百万円)
既支払額
(百万円)
着手
完了
ケンブリッジアイソトープラボラトリーズ Inc.
アメリカ合衆国
マサチューセッツ州
医療関連事業
事務・生産・研究設備
9,080
3,341
自己資金
2023
2025
大塚倉庫㈱
新東日本ロジスティクスセンター
群馬県高崎市
その他の事業
倉庫
13,800
7
自己資金、グループ内金融
2025
2027