【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当社グループは、経常的な収益力を示す指標として事業利益を採用しております。
事業利益とは、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費並びに研究開発費を控除した額に持分法による投資損益を加減算した額であります。
(単位:百万円)
前連結会計年度
(2021年12月期)
当連結会計年度
(2022年12月期)
増減額
増減率
売上収益
1,498,276
1,737,998
239,722
16.0%
研究開発費投資前事業利益
389,427
450,147
60,720
15.6%
事業利益
157,127
174,917
17,789
11.3%
営業利益
154,497
150,323
△4,174
△2.7%
税引前当期利益
163,638
172,954
9,315
5.7%
当期利益
129,209
137,419
8,210
6.4%
親会社の所有者に帰属する当期利益
125,463
134,019
8,555
6.8%
研究開発費
232,299
275,230
42,931
18.5%
減損損失
6,479
41,521
35,041
540.8%
これまで当社グループは、「トータルヘルスケア企業」として、健康の維持・増進、病気の診断から治療までを担う事業を展開してまいりました。新型コロナウイルス感染拡大や地政学的リスク等の影響により社会環境が変化する中、不確実性の高い世界がもたらす社会課題を先取りし、環境変化で生まれた新しい技術やニーズを取り入れながら、健康意識の高まりを成長機会と捉え、今こそ「トータルヘルスケア企業」の真価を発揮し、引き続き、持続的成長の実現に向けた取り組みを進めてまいります。
当連結会計年度の売上収益は、1,737,998百万円(前期比16.0%増)と増収、為替影響を除いても伸長しました。すべての事業において増収しましたが、主な要因は、医療関連事業において、持続性抗精神病薬「エビリファイ メンテナ」、抗精神病薬「レキサルティ」、V2-受容体拮抗剤「ジンアーク」、抗悪性腫瘍剤「ロンサーフ」のグローバル4製品、臨床栄養や抗悪性腫瘍剤「INQOVI」の伸長が業績を牽引したこと、ニュートラシューティカルズ関連事業において、「ポカリスエット」の日本の回復及び海外の大幅な伸長、また健康の自己管理意識の向上とともに、「ネイチャーメイド」が伸長し、さらに、その他の事業の機能化学品及びファインケミカル分野が好調に推移したことです。
研究開発費投資前事業利益は、450,147百万円(同15.6%増)となりました。主な要因は、主にグローバル4製品の増収による売上総利益が増加したことと販売費及び一般管理費を適正にコントロールしたことです。
研究開発費は、275,230百万円(同18.5%増)となりました。主な増加要因は、注意欠陥・多動性障害等を対象として開発中のセンタナファジン、IgA腎症を対象として開発中のsibeprenlimab/VIS649の順調な進捗、新しい治療の可能性への挑戦として新規作用機序を有する抗精神病薬に係る住友ファーマ株式会社とサノビオン社との共同開発及び販売に関するライセンス契約締結に基づく開発費が増加したことや為替の影響があったことです。
想定以上の売上成長と販売費及び一般管理費を適正にコントロールした結果、事業利益は174,917百万円(同11.3%増)となりました。
なお、営業利益は、150,323百万円(同2.7%減)となりました。主な要因は、当社の持分法適用会社であったCullinan Pearl Corp.(以下「カリナンパール社」)の完全子会社化に伴う既存の保有株式部分の評価益等をその他の収益に計上しましたが、バダデュスタットに係る無形資産等の減損損失として当連結会計年度で合計41,521百万円を計上した影響です。
当期利益は137,419百万円(同6.4%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は134,019百万円(同6.8%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりです。
(単位:百万円)
医療関連事業
ニュートラシューティカルズ関連事業
消費者関連事業
その他の事業
調整額
連結
売上収益
1,137,857
437,047
35,880
169,227
△42,014
1,737,998
事業利益
151,875
54,195
7,135
9,047
△47,337
174,917
(参考-前連結会計年度)
(単位:百万円)
医療関連事業
ニュートラシューティカルズ関連事業
消費者関連事業
その他の事業
調整額
連結
売上収益
977,508
376,650
31,918
149,987
△37,788
1,498,276
事業利益
139,942
46,551
5,324
10,774
△45,465
157,127
(医療関連事業)
当連結会計年度における売上収益は1,137,857百万円(前期比16.4%増)、事業利益は151,875百万円(同8.5%増)となりました。
<主要製品の状況>
●グローバル4製品
当社グループがグローバル4製品と位置付ける持続性抗精神病薬「エビリファイ メンテナ」、抗精神病薬「レキサルティ」、V2-受容体拮抗剤「サムスカ/ジンアーク」、抗悪性腫瘍剤「ロンサーフ」の売上収益の合計は、619,187百万円(前期比26.4%増)となりました。
・持続性抗精神病薬「エビリファイ メンテナ」
米国では、服薬アドヒアランスに課題がある双極性障害や統合失調症患者に対する製品の有用性の訴求や、対面による情報提供活動の増加等により処方数が伸長し、為替影響もあり大幅増収となりました。日本では、2020年9月に双極Ⅰ型障害における気分エピソードの再発・再燃抑制の効能が追加となり、売上収益は堅調に推移しています。欧州でも、主要市場を中心に増収となりました。これらの結果、売上収益は165,353百万円(前期比26.9%増)となりました。
・抗精神病薬「レキサルティ」
大うつ病補助療法及び統合失調症治療薬として販売する米国では、広告の活用や対面による情報提供活動の増加等により処方数が伸長し、為替影響もあり大幅増収となりました。日本では、2021年11月にOD錠が発売され、利便性の向上とともに情報提供活動を強化し、売上収益は堅調に推移しています。これらの結果、売上収益は169,135百万円(前期比39.7%増)となりました。
・V2-受容体拮抗剤「サムスカ」
心不全・肝硬変における体液貯留や常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)等の治療薬として販売する日本では、心不全・肝硬変における体液貯留の効能において後発医薬品への切り替えによる影響を受け減収となりました。また、低ナトリウム血症治療薬として販売する米国、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)による低ナトリウム血症の治療薬として販売する欧州では、独占販売期間満了に伴い後発医薬品が発売されています。これらの結果、売上収益は87,788百万円(前期比4.6%減)となりました。
・V2-受容体拮抗剤「ジンアーク」
米国では、ADPKD治療薬として、継続的な疾患啓発や臨床データの情報提供活動等により処方数が伸長し、為替影響もあり大幅増収となりました。これらの結果、売上収益は139,409百万円(前期比38.9%増)となりました。
・抗悪性腫瘍剤「ロンサーフ」
米国では、新型コロナウイルス感染拡大以降、経口抗がん剤の使用が推奨されており*1,2、為替影響もあり増収となりました。日本と欧州においても処方数は堅調に推移しています。これらの結果、売上収益は57,500百万円(前期比24.8%増)となりました。
*1 Pelin Cinar et al., Safety at the Time of the COVID-19 Pandemic: How to Keep our Oncology Patients and Healthcare Workers Safe. J Natl Compr Canc Netw, 2020 Apr 15;1-6.
*2 ASCO. COVID-19 Patient Care Information, Cancer Treatment and Supportive Care.
www.asco.org/covid-resources/patient-care-info/cancer-treatment-supportive-care, Accessed 20 January 2023
(ニュートラシューティカルズ関連事業)
当連結会計年度における売上収益は437,047百万円(前期比16.0%増)、事業利益は54,195百万円(同16.4%増)となりました。
<主要製品の状況>
当社グループが主要3ブランドと位置付ける「ポカリスエット」、「ネイチャーメイド」、ニュートリションエ サンテ社ブランドの売上収益の合計は、272,642百万円(前期比17.9%増)となりました。育成3ブランドと位置付けるデイヤフーズ社ブランド、「エクエル」、「ボディメンテ」の売上収益の合計は、28,514百万円(同5.3%増)となりました。
●主要3ブランド
水分・電解質補給飲料「ポカリスエット」は、日本において生活者の健康管理意識の高まりとともに水分・電解質補給の重要性が浸透し、家庭内をはじめとする日常生活での利用促進に加え、屋外イベントの再開に伴う飲用シーンの増加により、売上収益が増加しています。海外においては、各地の文化や状況に応じた水分・電解質補給の啓発と市場開発により、大幅増収となりました。
ファーマバイト社のサプリメント「ネイチャーメイド」は、生活者の体調管理意識の高まりと、ブランドや品質に対する高い信頼性を背景に、為替影響も受け増収となりました。
欧州を中心に健康食品を展開するニュートリション エ サンテ社ブランドは、フードサービス*3や新しい生活様式に適応したEコマースの拡大を進めています。欧州における急速なインフレの進行に伴う高付加価値有機食品市場等の成長停滞*4や、サプライチェーンの混乱等の影響により、現地通貨ベースで減収となりましたが、為替の影響により日本円ベースでは増収となりました。
*3 公共機関や学校等における給食サービス
*4 IRI France Grocery Retailers – Organic food category Retail Sales, 2022 Jan-Dec
●育成3ブランド
プラントベース(植物由来)食品であるデイヤフーズ社ブランドは、北米の乳代替チーズ市場の競合環境激化等の影響により売上収益は現地通貨ベースで減収となりましたが、為替の影響により日本円ベースでは増収となりました。引き続き、独自技術を活かした製品ラインアップの拡充及び流通拡大に取り組んでいます。
女性の健康と美をサポートするエクオール含有食品「エクエル」は、幅広い情報提供活動により製品の認知が進み、引き続き売上収益は順調に増加しています。
植物由来の乳酸菌B240*5を含有する「ボディメンテ」は、減収となりましたが、製品価値の普及活動を強化し、製品認知と利用拡大に取り組んでいます。
*5 Lactiplantibacillus pentosus ONRICb0240:東京農業大学が単離、大塚製薬㈱が有効性を確認した乳酸菌
(消費者関連事業)
当連結会計年度における売上収益は35,880百万円(前期比12.4%増)、事業利益は持分法投資利益の増加等により7,135百万円(同34.0%増)となりました。
ウォーター類は、主力製品「クリスタルガイザー」において、通販・自販機チャネルでの販売数量減少等によりブランド全体の販売数量は減少しましたが、パーソナルサイズとしては最大サイズである700mlペットボトルの販売の好調により、売上収益は増収となりました。ビタミン炭酸飲料「マッチ」は、人々の健康意識が高まる中、既存品に加え、新製品「マッチ ビタミンアップル」と「マッチゼリー パインミックス」の発売等により、ブランド全体の販売数量は増加しました。
(その他の事業)
当連結会計年度のその他の事業の売上収益は169,227百万円(前期比12.8%増)となりましたが、原材料費や輸送費の高騰等、および持分法投資利益の減少等により、事業利益は9,047百万円(同16.0%減)となりました。
機能化学品分野は、販売価格の適正化及び市況好調により、増収となりました。ファインケミカル分野は、抗生剤中間体の販売増加等に加え、為替の影響もあり大幅増収となりました。
運輸・倉庫分野は、『共通プラットフォーム戦略』による新規の外部顧客の獲得及び取扱数量の増加により、増収となりました。
※ その他、製品別の売上収益等につきましては、決算補足資料(ファクトブック)をご参照ください。
www.otsuka.com/jp/ir/library/materials.html
<ウクライナ・ロシア情勢による事業及び業績への影響>
当社グループは、昨今のウクライナ・ロシア(以下「両国」)情勢について深く憂慮しており、早期かつ平和的な解決に向かうことを願っております。
さて、当連結会計年度における事業及び業績への影響については、一部のサプライチェーンの混乱や治験への影響等があったものの、全体への影響は限定的であります。
(事業拠点)
当社グループは、両国において事業拠点を有しておりません。
(販売)
両国において抗結核治療薬「デルティバ」等を、提携先を通じて販売していますが、事業及び業績への影響は限定的です。当社グループは、“Otsuka-people creating new products for better health worldwide”の企業理念のもと、医薬品を必要としている患者さんへお届けできるよう、当該情勢を慎重に注視しながら、「デルティバ」等の供給を維持できるよう最善を尽くしたいと考えております。
(サプライチェーン)
国際輸送を含むサプライチェーンが一部混乱しているものの、代替原料への変更や輸送ルートの変更等の対応をしており、事業及び業績への影響は限定的です。
(研究開発)
一部の治験で影響があり、両国における治験実施施設の立上げや患者登録を中止しております。進行中の治験遅延が最小限になるよう、他エリアへの振替等で対応しております。適切なフォローアップができるよう最善を尽くしたいと考えております。
今後、当該情勢による影響が長期化、深刻化した場合、さらなる原材料価格の高騰、サプライチェーンの混乱や為替の影響等を想定し、事業及び業績への影響を注視してまいります。
② 財政状態の状況
(単位:百万円)
前連結会計年度
(2021年12月31日)
当連結会計年度
(2022年12月31日)
増減額
流動資産
1,049,389
1,192,030
142,641
非流動資産
1,771,526
1,910,685
139,159
資産合計
2,820,915
3,102,716
281,800
流動負債
467,910
539,193
71,282
非流動負債
307,815
300,975
△6,840
負債合計
775,725
840,168
64,442
資本合計
2,045,189
2,262,547
217,358
a. 資産
当連結会計年度末における総資産は3,102,716百万円(前連結会計年度末は2,820,915百万円)となり、281,800百万円増加しました。その内訳は、流動資産が142,641百万円の増加、非流動資産が139,159百万円の増加であります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は1,192,030百万円(前連結会計年度末は1,049,389百万円)となり、142,641百万円増加しました。その主たる内訳は、未収法人所得税が5,588百万円、その他の金融資産が2,593百万円減少したものの、現金及び現金同等物が60,949百万円、売上債権及びその他の債権が43,235百万円、棚卸資産が43,156百万円増加したこと等によるものであります。
(非流動資産)
当連結会計年度末における非流動資産は1,910,685百万円(前連結会計年度末は1,771,526百万円)となり、139,159百万円増加しました。その主たる内訳は、有形固定資産が23,584百万円、のれんが39,706百万円、無形資産が57,124百万円、持分法で会計処理されている投資が13,953百万円、繰延税金資産が21,524百万円増加したこと等によるものであります。これらの増加は、主に医療関連事業における投資と為替相場の変動による影響によるものであります。
b. 負債
当連結会計年度末における負債合計は840,168百万円(前連結会計年度末は775,725百万円)となり、64,442百万円増加しました。その内訳は、流動負債が71,282百万円の増加、非流動負債が6,840百万円の減少であります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は539,193百万円(前連結会計年度末は467,910百万円)となり、71,282百万円増加しました。その主たる内訳は、社債及び借入金が6,436百万円、引当金が8,778百万円減少したものの、仕入債務及びその他の債務が28,252百万円、未払法人所得税が17,849百万円、その他の流動負債が37,589百万円増加したこと等によるものであります。
(非流動負債)
当連結会計年度末における非流動負債は300,975百万円(前連結会計年度末は307,815百万円)となり、6,840百万円減少しました。その主たる内訳は、その他の金融負債が5,700百万円、その他の非流動負債が3,034百万円増加したものの、社債及び借入金が8,979百万円、リース負債が3,496百万円、契約負債が7,034百万円減少したこと等によるものであります。
c. 資本
当連結会計年度末における資本は2,262,547百万円(前連結会計年度末は2,045,189百万円)となり、217,358百万円増加しました。その主たる内訳は、親会社の所有者に帰属する当期利益134,019百万円の計上、配当金の支払54,251百万円等により利益剰余金が71,022百万円、主として円安の影響によりその他の資本の構成要素が142,822百万円増加したこと等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は471,634百万円となり、前連結会計年度末より60,949百万円増加しました。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、211,848百万円となりました。一方で、将来の持続的成長に向けて、主に医療関連事業において投資等を行ったことにより、投資活動によるキャッシュ・フローは△81,575百万円となりました。財務活動につきましては、借入金及びリース負債を返済し、配当金の支払額が△55,561百万円となったことから、財務活動によるキャッシュ・フローは△95,474百万円となりました。
これらの結果、営業活動によるキャッシュ・イン・フローは、投資活動及び財務活動を合わせたキャッシュ・アウト・フローを上回り、また、円安の影響により現金及び現金同等物に係る換算差額が26,151百万円となったため、現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より増加し、471,634百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、211,848百万円(対前期比17,016百万円減)となりました。当連結会計年度の主な内容は、税引前当期利益172,954百万円、減価償却費及び償却費93,761百万円、減損損失及びその戻入益41,521百万円、金融収益△28,693百万円、棚卸資産の増減額△21,700百万円、売上債権及びその他の債権の増減額△22,481百万円、法人所得税等の支払額△35,250百万円となっております。当連結会計年度における対前期比△17,016百万円のキャッシュ・フロー減少の主な要因は、税引前当期利益が対前期比9,315百万円、非資金項目である減損損失及びその戻入益が対前期比35,041百万円増加したこと等の影響によりキャッシュ・フローの増加となったものの、棚卸資産の増減額が減少から増加に転じ対前期比△28,205百万円、売上債権及びその他の債権の増減額が対前期比△35,804百万円のキャッシュ・フローの減少となったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、△81,575百万円(対前期比13,713百万円支出減)となりました。当連結会計年度の主な内容は、有形固定資産の取得による支出△60,949百万円、カリナンパール社のTAS6417の取得を含む無形資産の取得による支出△46,838百万円、投資の売却及び償還による収入43,526百万円、投資の取得による支出△19,971百万円等であります。当連結会計年度における対前期比13,713百万円のキャッシュ・フロー増加(支出減)の主な要因は、定期預金の増減額が対期比△32,507百万円となったことにより支出増となったものの、投資の売却及び償還による収入が21,280百万円増加したこと、無形資産の取得による支出が13,860百万円減少したこと、子会社の売却による収入を8,323百万円計上したこと等により収入増となった結果であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、△95,474百万円(対前期比369百万円支出減)となりました。当連結会計年度の主な内容は、長期借入金の返済による支出△25,671百万円、リース負債の返済による支出△19,729百万円、配当金の支払額△55,561百万円であります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称
生産高(百万円)
前年同期比(%)
医療関連事業
155,991
110.2%
ニュートラシューティカルズ関連事業
206,412
128.9%
消費者関連事業
20,840
119.1%
その他の事業
75,863
120.7%
合計
459,107
120.2%
(注)1.ニュートラシューティカルズとは、栄養「Nutrition」+薬「Pharmaceuticals」の造語であり、科学的根拠をもとに開発された医薬部外品や機能性食品及び栄養補助食品等を取り扱うセグメントです。
2.金額は、製造原価によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
連結子会社は主として受注見込みによる生産方式をとっております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称
販売高(百万円)
前年同期比(%)
医療関連事業
1,137,857
116.4%
ニュートラシューティカルズ関連事業
437,014
116.0%
消費者関連事業
35,854
112.4%
その他の事業
127,271
113.4%
合計
1,737,998
116.0%
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.前連結会計年度及び当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社、以下同じ)の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載されているとおりであります。
新型コロナウイルス感染拡大により、当連結会計年度における当社グループの事業活動も一定の影響を受けましたが、翌連結会計年度以降の業績に対する影響は限定的であるとの仮定に基づき、重要な会計上の見積りを行っております。なお、新型コロナウイルス感染症の今後の流行等の状況の変化は、翌連結会計年度以降において、資産、負債、収益及び費用の報告額に重要な影響を及ぼすリスクとなる可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
③ 資本の財源及び資金の流動性に関する情報
当社グループのキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社グループの当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は471,634百万円であり、社債及び借入金の合計額120,216百万円を上回っています。
当社グループにおける経常的な資金需要としましては、主に事業の拡大に伴う運転資金需要、生産設備の増強・更新に伴う設備投資資金及び研究開発資金がありますが、基本的に営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としております。一方、事業の買収等に伴う非経常的な資金需要につきましては、必要に応じて外部から調達しております。