【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
※進捗率は、2023年5月12日公表の連結業績予想と比較しております。(1) 業績の状況 当第2四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年9月30日)における世界経済は、製造業では、自動車関連で供給制約が解消に向かった一方で、巣ごもり需要の終息などにより通信デバイスや家電などの需要低迷が顕在化しました。また、OECD諸国の設備投資動向を示す実質総固定資本形成は停滞していることに加え、多くの国・地域で鉄鋼製品やデジタル関連を中心に貿易の鈍化が見られました。一方、サービス業では、旅行をはじめとする活動制約の緩和がリバウンド需要を後押ししました。資源高は一服したものの、労働市場のひっ迫に伴う賃金上昇を背景にインフレ率は依然高い水準が続いています。 当社グループの主要顧客である自動車産業におきましては、半導体をはじめとする部品不足に伴う供給制約が解消に向かったことに加え、中国における新エネルギー車を対象とする税優遇措置の影響を受けて、2023年の世界ライトビークルの累計販売台数は、前年同期比で10.2%増加しました。しかしながら、内燃機関搭載車は微増に留まりました。 当社グループは、半導体、エネルギー、ヘルスケア分野で順調に売上高を伸ばしたものの、通信デバイス、家電などの需要低迷により、エレクトロニクス分野の売上高が前年同期を下回り、全体としては微増となりました。 これらの結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は17,559百万円(前年同期比3.9%増、業績予想40,000百万円に対して進捗率43.9%)、販売数量が前年同期比で0.6%増となりました。営業利益は、前期に享受した在庫販売効果の剥落等により1,437百万円(前年同期比58.2%減、業績予想3,000百万円に対して進捗率47.9%)、経常利益は、外貨建資産の為替差益等により2,819百万円(前年同期比46.2%減、業績予想2,700百万円に対して進捗率104.4%)、親会社株主に帰属する四半期純利益はベトナム子会社の旧工場の減損損失(当第2四半期連結累計期間において特別損失に計上)により1,530百万円(前年同期比55.8%減、業績予想1,750百万円に対して進捗率87.5%)となりました。
分野別の販売状況は、次のとおりです。
・戦略分野(半導体・エレクトロニクス) 半導体用途は、販売数量は前年同期に届かなかったものの、新しい用途への拡販が進み、増収となりました。エレクトロニクス用途は、通信デバイス、家電など最終製品の需要低迷に伴い、販売数量で前年同期を下回りました。 これらの結果、半導体・エレクトロニクス分野における当第2四半期連結累計期間の売上高は、721百万円(前年同期比8.9%減、業績予想2,000百万円に対する進捗率36.1%)となりました。
・戦略分野(エネルギー) 二次電池用途は、電動車の増加による需要増に伴って販売数量を伸ばし、前年同期比で増収となりました。SOFC(固体酸化物形燃料電池)及びSOEC(固体酸化物形電解装置)用途は、市場成長に伴って販売数量を伸ばし、前年同期比で増収となりました。水素関連は、着実に伸長しました。 これらの結果、エネルギー分野の当第2四半期連結累計期間の売上高は1,259百万円(前年同期比13.5%増、業績予想3,800百万円に対する進捗率33.1%)となりました。
・戦略分野(ヘルスケア) 生体材料、医療機器、及び抗菌剤・環境の全ての用途で販売数量が前年同期を上回り、大幅増収となりました。 これらの結果、ヘルスケア分野における当第2四半期連結累計期間の売上高は、756百万円(前年同期比29.7%増、業績予想1,500百万円に対する進捗率50.5%)となりました。
・自動車排ガス浄化触媒分野 自動車触媒及び酸素センサーは、引き続き内燃機関車が主流となるグローバルサウス市場において旺盛な需要を取り込んだものの、中国を中心に、電動化に伴う需要減の影響を受け、販売数量は前年同期で微増にとどまりました。 これらの結果、自動車排ガス浄化触媒分野における当第2四半期連結累計期間の売上高は、11,373百万円(前年同期比2.2%増、業績予想25,100百万円に対する進捗率45.3%)となりました。
・基盤分野 耐火物用途は、主要な需要家である国内の鉄鋼業界の低調により販売数量が前年同期を下回りました。構造部材用途は、堅調に推移しました。ブレーキ用途は、自動車の電動化に伴う仕様変更などの影響を受けました。 一方で、ブレージング(アルミ配管ろう付け)用途は、自動車向けで引き続き内燃機関車が主流となるグローバルサウス市場において旺盛な需要を取り込んだことに加え、家電向けではアルミニウム製熱交換器を搭載したルームエアコンの普及が進み、販売数量を大幅に伸ばしました。 これらの結果、基盤分野における当第2四半期連結累計期間の売上高は、3,448百万円(前年同期比4.9%増、業績予想7,400百万円に対する進捗率46.6%)となりました。
(2) 財政状態の分析①資産、負債及び純資産の状況 当第2四半期連結会計期間末における総資産は69,358百万円で、前連結会計年度末に比べ3,353百万円増加しました。これは主に、有形固定資産の増加(2,522百万円)、流動資産のその他(743百万円)、受取手形及び売掛金の増加(658百万円)によるものです。 当第2四半期連結会計期間末における負債は32,099百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,245百万円増加しました。これは主に、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)の増加(2,770百万円)によるものです。 当第2四半期連結会計期間末における純資産は37,258百万円で、前連結会計年度末に比べ1,107百万円増加しました。これは主に、利益剰余金の増加(1,141百万円)によるものです。 この結果、当第2四半期連結会計期間末における自己資本比率は前連結会計年度末53.8%から52.9%となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析
当第2四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが3,281百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが2,308百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが282百万円の収入となり、これらの結果、当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)残高は、前連結会計年度末に比べ38百万円減少し、10,008百万円となりました。 当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動の結果、得られた資金は3,281百万円(前年同期は997百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益2,468百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動の結果、使用した資金は2,308百万円(前年同期は1,841百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出2,785百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 当第2四半期連結累計期間における財務活動の結果、得られた資金は282百万円(前年同期は3,695百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入れによる収入3,785百万円、長期借入金の返済による支出1,655百万円、短期借入金の純増減額の減少1,400百万円によるものであります。
(3) 優先的に対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は582百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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