【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるエンターテイメント業界は、国内家庭用ゲーム市場においては、部品不足の解消によるゲーム機本体の供給の安定と、大型人気タイトルの発売により、ハード・ソフトともに前年の市場規模を大きく上回り、好調に推移いたしました。モバイルゲーム市場においては、市場の成長が踊り場を迎える中、新規タイトル、既存タイトルともに厳しい競争環境が続きました。国内アミューズメント市場においては、プライズ(景品)ゲームが好調に推移し、コロナ禍前の水準へ市場規模を押し上げました。音楽映像市場においては、パッケージ市場の縮小傾向が続く中、動画配信市場は巣ごもり需要の反動により競争が激化しつつも、緩やかな成長が継続しました。ライブエンターテイメント市場においては、新型コロナウイルス感染症の5類への移行等の規制緩和により観客動員が改善傾向にありますが、以前の水準への回復には時間を要している状況です。
このような状況下、当社グループは、多彩なエンターテイメントコンテンツをあらゆる事業領域において様々なデバイス向けに展開する「マルチコンテンツ・マルチユース・マルチデバイス」戦略を基軸とした総合エンターテイメント企業として、強力なIPの確立に向けたブランディング戦略・アライアンス戦略・グローバル戦略を積極的に推進し、話題性の高いコンテンツの提供とサービスの強化に取り組んでまいりました。
この結果、当第1四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年6月30日)の経営成績は、売上高6,883百万円(前年同期比29.4%増)、営業利益531百万円(前年同期比31.9%減)、経常利益886百万円(前年同期比21.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益609百万円(前年同期比19.0%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
a.デジタルコンテンツ事業
当事業のコンシューマ部門においては、完全新作ジュブナイルRPG『LOOP8(ループエイト)』を、2023年6月1日に国内・アジアで、同6日に北米・欧州で、同7日にSteam®版を発売いたしましたが、目標を下回る販売推移となりました。一方、前期に国内で発売した『牧場物語 Welcome!ワンダフルライフ』の北米・欧州・Steam®版を同27日より順次発売し、好調なセールスとなりました。
オンライン部門においては、『剣と魔法のログレス いにしえの女神』や『シノビマスター 閃乱カグラ NEW LINK』といった長期運営タイトルの売上が経年により減少いたしましたが、ハーフアニバーサリー施策等が好調に推移した、前期リリースの『ドルフィンウェーブ』が補うことで、前年同期に比べ業績改善いたしました。
この結果、当事業の売上高は4,133百万円(前年同期比36.4%増)、セグメント利益は114百万円(前年同期比54.5%減)となりました。
b.アミューズメント事業
当事業においては、主力であるキッズアミューズメントマシン『ポケモンメザスタ』において「ダブルチェイン5弾」を2023年4月20日より稼動を開始し、好調に推移いたしましたが、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、旅行等の他のレジャーの増加による影響を受け、売上が前年同期比では微減となりました。一方、海外展開中の『ポケモンガオーレ』については、特に台湾で好調が継続しており、その他地域についても堅調に推移いたしました。
この結果、当事業の売上高は1,673百万円(前年同期比3.0%減)、セグメント利益は640百万円(前年同期比8.9%減)となりました。
c.音楽映像事業
当事業においては、TVアニメ『女神のカフェテラス』を2023年4月から6月まで放送したほか、『ひろがるスカイ!プリキュア』を始めとした、プリキュアシリーズのパッケージ商品化を行いました。
また、「ミュージカル『薄桜鬼 真改』」等のシリーズ作品の新作公演に加え、新規作品として「舞台『吸血鬼すぐ死ぬ』」の公演を実施し、好評を博しました。
舞台公演及び関連パッケージの販売収入が増加いたしましたが、舞台公演関連の補助金等の減少や、アニメ制作費の先行投資により、前年同期比で増収減益となりました。
この結果、当事業の売上高は1,076百万円(前年同期比91.4%増)、セグメント利益は201百万円(前年同期比12.2%減)となりました。
②財政状態の分析
当社グループの当第1四半期連結会計期間末における財政状態は、資産34,445百万円(前連結会計年度末比2,001百万円減)、負債6,192百万円(前連結会計年度末比1,027百万円減)、純資産28,253百万円(前連結会計年度末比974百万円減)となりました。
(流動資産)
当第1四半期連結会計期間末における流動資産は、現金及び預金の減少等により26,327百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,132百万円減少いたしました。
(固定資産)
当第1四半期連結会計期間末における固定資産は、無形固定資産の増加等により8,117百万円となり、前連結会計年度末に比べ130百万円増加いたしました。
(流動負債)
当第1四半期連結会計期間末における流動負債は、未払法人税等の減少等により5,853百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,027百万円減少いたしました。
(固定負債)
当第1四半期連結会計期間末における固定負債は、繰延税金負債の増加により338百万円となり、前連結会計年度末に比べ0百万円増加いたしました。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益609百万円を計上したものの、前連結会計年度の配当により利益剰余金が減少したことにより28,253百万円となり、前連結会計年度末に比べ974百万円減少いたしました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、デジタルコンテンツ事業114百万円、アミューズメント事業14百万円、総額は129百万円となりました。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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