【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 業績の状況当第1四半期連結累計期間における世界経済は、供給制約の緩和やサービス分野の需要増加があった一方で、世界的な物価高や金融引き締めによる影響が見られました。当社グループの事業に関する業界については、物価高の長期化や各国の金融政策などによる景気後退リスクも懸念されるなど、先行き不透明な状況ではあるものの、特に自動車市場は半導体不足などの解消に伴い、主要顧客の生産台数が回復基調となりました。このような中、当社グループでは「2029年 住友理工グループVision」(2029V)で定めた、ありたい姿「理工のチカラを起点に、社会課題の解決に向けてソリューションを提供し続ける、リーディングカンパニー」への変革に向けて、3ヶ年の事業計画である「2025年 住友理工グループ中期経営計画」(2025P)に基づき、事業活動を推進しております。早急に対処すべき課題である収益・財務体質の改善に向けては、引き続き、経営資源の選択と集中を進め、グローバルでのサプライチェーンや各種コストの最適化に取り組んでいます。また、持続的な成長への投資戦略については、足元の状況等を十分に検討したうえで事業戦略・投資採算基準に基づいた適時、適切な投資資源の配分を徹底し、既存事業の深化とともにコア技術の融合による新規事業の創出を目指してまいります。当第1四半期連結累計期間における連結業績については、売上高は145,637百万円(前年同期比24.2%増)、事業利益は6,505百万円(前年同期は1,992百万円の事業損失)、営業利益は6,586百万円(前年同期は2,254百万円の営業損失)、税引前四半期利益は5,757百万円(前年同期は2,012百万円の税引前四半期損失)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は3,266百万円(前年同期は2,667百万円の親会社の所有者に帰属する四半期損失)となりました。※事業利益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除し、持分法による投資損益を含めて算出しております。
各セグメントの業績は、次のとおりです。<自動車用品>外部顧客への売上高は、前年同期におけるサプライチェーン混乱・半導体不足等に伴う経済活動低迷からの回復や主要顧客の生産台数増加に加えて、円安の進行による為替換算の影響もあり、131,345百万円(前年同期比27.4%増)となりました。事業利益は、主に数量増加や生産効率化等により、5,778百万円(前年同期は2,544百万円の事業損失)となりました。
<一般産業用品>外部顧客への売上高は、14,292百万円(前年同期比0.8%増)となりました。プリンター向け機能部品では、主要顧客の出荷台数減少等により、前年同期比で減収となりました。産業用ホースは、中国市場での顧客減産影響を国内需要増で挽回したほか、橋梁用ゴム支承は前年の第2四半期から継続して堅調に推移しており、前年同期比で増収となりました。事業利益は、主に原燃料価格高騰分の価格転嫁進展等により、727百万円(前年同期比31.7%増)となりました。
事業セグメント別実績
(単位:百万円、増減率%)
外部顧客への売上高
事業利益
日本
米州
アジア
欧州その他
合計
2022年度
自動車用品
25,843
31,193
32,912
13,132
103,080
△2,544
一般産業用品
10,215
83
3,748
129
14,175
552
合計
36,058
31,276
36,660
13,261
117,255
△1,992
2023年度
自動車用品
35,175
42,450
37,662
16,058
131,345
5,778
一般産業用品
10,708
66
3,398
120
14,292
727
合計
45,883
42,516
41,060
16,178
145,637
6,505
増減率
自動車用品
+36.1
+36.1
+14.4
+22.3
+27.4
―
一般産業用品
+4.8
-20.5
-9.3
-7.0
+0.8
+31.7
合計
+27.2
+35.9
+12.0
+22.0
+24.2
―
(2)財政状態の分析<資産>
流動資産は、231,877百万円(前連結会計年度末比6,761百万円増)となりました。これは、現金及び現金同等物が6,804百万円増加したことなどによるものです。非流動資産は200,073百万円(前連結会計年度末比5,181百万円増)となりました。これは、有形固定資産が4,319百万円増加したことなどによるものです。以上の結果、資産合計は、431,950百万円(前連結会計年度末比11,942百万円増)となりました。
<負債>負債合計は、234,360百万円(前連結会計年度末比4,018百万円増)となりました。これはその他の流動負債が3,062百万円増加したことなどによるものです。
<資本>資本合計は、197,590百万円(前連結会計年度末比7,924百万円増)となりました。これは、その他の資本の構成要素が4,948百万円増加したことなどによるものです。親会社所有者帰属持分比率は40.4%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況当第1四半期連結累計期間末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末より6,804百万円増加し、36,298百万円となりました。当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当第1四半期連結累計期間において営業活動により得られた資金は、22,198百万円(前年同期比14,606百万円の増加)となりました。これは主に、税引前四半期利益5,757百万円と、減価償却費及び償却費7,093百万円、棚卸資産の減少5,986百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当第1四半期連結累計期間において投資活動により使用した資金は、6,450百万円(前年同期比12百万円の増加)となりました。これは主に、有形固定資産及び無形資産の取得による支出6,574百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当第1四半期連結累計期間において財務活動により使用した資金は、8,554百万円(前年同期は738百万円の収入)となりました。これは主に、短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの減少6,290百万円、非支配持分への配当金の支払額796百万円、配当金の支払額831百万円によるものです。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、3,986百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 生産、受注及び販売の実績当社グループの自動車用品セグメントについて、当第1四半期連結累計期間における生産、受注及び販売実績は、前第1四半期連結累計期間における中国のロックダウンやサプライチェーンの混乱による主要顧客の減産影響や、当第1四半期連結累計期間における円安の進行による為替換算影響などから、「(1)業績の状況」に記載の通り、増加しております。