【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の分類引き下げを機に各種の行動制限がほぼ撤廃され、個人消費や設備投資などの内需は幅広い分野で回復基調が強まった一方、中国経済の停滞と欧米のインフレによる世界的な個人消費の低迷や物価及びエネルギー価格の高騰に加え、為替の急激な変動がリスク要因となっております。
当社グループの属する電子部品業界におきましては、スマートフォンなどを含む民生用機器を中心とした在庫調整が継続し、本格的な回復は当期の後半以降になるものと予測されております。また、ⅹEV化と電装化が進む自動車向けの需要は堅調なものの、在庫調整の影響により生産の不安定感が持続しております。
このような状況下、当社グループは世界的な需要拡大局面にあるパワー半導体用リードフレーム及び高度な金属と樹脂の複合加工技術を必要とするマイクロコネクタ用部品の生産技術力と、メッキ工程における技術力や生産能力の強化に特に注力し、収益の向上に努めて参りました。
それらの結果として、当第1四半期連結累計期間の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ11億9千7百万円減少し、328億4千2百万円となりました。
当第1四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ11億5千万円減少し、122億9千3百万円となりました。
当第1四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ4千6百万円減少し、205億4千8百万円となりました。
b.経営成績
当第1四半期連結累計期間の売上高は産業用機器及び民生用機器の在庫調整による影響が大きく、64億2千6百万円(前年同四半期比11.2%減)、営業利益は1億3千2百万円(同75.3%減)、経常利益は1億6千2百万円(74.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は9千6百万円(同77.5%減)となりました。
製品群別の業績は、次のとおりであります。
① パワー半導体用リードフレーム
当製品群は自動車向けや産業用機器向け及び民生用機器向けが主なものとなります。自動車向けではxEV化の進行やADAS技術の発展と普及による追い風を受けましたが、産業用機器向け及び民生用機器向けの在庫調整により成長は鈍化しました。その結果、当製品群の売上高は31億6千4百万円(前年同四半期比17.9%増)となりました。
② オプト用リードフレーム
当製品群は、LED用リードフレームが主なものであります。海外の交通インフラ向けや大型ディスプレイ向けなどが在庫調整局面に入ったことにより減少しました。その結果、当製品群の売上高は7億1千2百万円(同29.3%減)となりました。
③ コネクタ用部品
当製品群は、自動車向け、モバイル端末向けが主なものであります。スマートフォン向け及びウェアラブル端末向けの在庫調整が継続しました。その結果、当製品群の売上高は24億3千7百万円(同28.4%減)となりました。
④ その他
その他の製品群としては、リレー用部品が主なものであります。当製品群の売上高は1億1千2百万円(同21.6%減)となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、2千2百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループを取り巻く事業環境は、コスト面ではエネルギー価格をはじめとする物価の高騰と賃上げによる人件費の増加、需要面では中国の景気減速の影響を強く受けております。
当社グループのリードフレーム、コネクタ用部品の受注環境は依然として市場の長期的な成長トレンドの中にありますが、コロナ禍におけるサプライチェーンの混乱から前倒し発注が続けられてきた影響により、足下では調整局面に入っております。産業用機器及び民生用機器の多くの分野が影響を受けており、部品の需給正常化は今年の後半以降と見込まれております。当社において業績の先行指標となる金型受注は非常に旺盛であり、金型製作部門の支援や、量産移行後の生産体制強化が喫緊の課題となっております。
このような環境下、当社グループは当社の強みである金属と樹脂の精密複合加工技術をベースとして過去の枠組みにとらわれない新たな顧客の開拓を積極的に行い、全社一丸となって収益の更なる向上に努めて参ります。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要は主に大きく分けて運転資金需要と設備資金需要の二つがあります。
運転資金需要のうち主なものは生産活動に必要な運転資金及び販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金需要としましては生産性向上のための機械装置等固定資産購入によるものであります。
当社グループは現在、運転資金につきましては、内部資金より充当し、不足が生じた場合は短期借入金で調達を行っております。また、設備資金につきましては、設備資金計画に基づき調達計画を作成し、内部資金で不足する場合は、長期借入金等により調達を行っております。また、金融機関には充分な借入枠を有しており、当社グループの事業に必要な運転、設備資金の調達は今後も可能であると考えております。
なお、海外子会社につきましては、運転資金、設備資金とも、直接現地金融機関等より調達を行っております。