【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間の我が国経済は、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行されたことで、コロナ禍からの経済活動の正常化が進み、緩やかな回復が続いております。一方、為替相場の変動やエネルギー価格が高値で推移していることに伴う物価上昇や中東情勢の悪化など、我が国の景気を下押しするリスクとなっており引き続き注意が必要な状況です。
航空業界では、行動制限の緩和に伴う旅行需要やインバウンドが好調に推移し、旅客数は国内線・国際線ともに前期を上回りました。今後も航空需要の回復基調継続が期待されます。
このような経済情勢のもと、当社グループの連結業績につきましては、2023年2月に売却した賃貸用ホテルと事務所ビルの影響による売上高の減少もありましたが、給排水使用量の回復傾向が続いたこと等により、売上高は13,114百万円(前年同期比3.1%増)となりました。営業利益は1,926百万円(同6.6%増)、経常利益は航空機リースファンドによる匿名組合等投資利益の計上や諸工事の撤去費用引当金繰入額の減少等により、1,941百万円(同14.2%増)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,241百万円(同4.2%減)となりました。
なお、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期に比べ減少しておりますが、この要因については、2022年度の特別利益に、法人税及び消費税の修正申告に伴う還付消費税等が計上されていたことによるものであります。
セグメント別の業績は、次の通りであります。
第1四半期連結会計期間より、従来「不動産賃貸事業」としていた報告セグメントの名称を「不動産事業」に変更しております。なお、当該名称変更によるセグメント情報に与える影響はありません。
①不動産事業
不動産事業は、中長期経営計画で重点施策のひとつに掲げているノンアセット業務への積極的な取組み(2023年3月に「広島基町NSビル(広島市中区)」、6月に「新宿やわらぎビル(東京都新宿区)」、8月に「五風来館(静岡市葵区)」を取得)により取得した事務所ビル賃貸による売上高の増加、経済活動の活発化による変動賃料や駐車場収入の増加がある一方、2023年2月に売却した賃貸用ホテルと事務所ビルの影響による売上高の減少等もあり、売上高は9,767百万円(前年同期比0.6%減)となりました。営業利益は売却施設に関する償却費等の減少がある一方、事務所ビルの取得に伴う公租公課の増加等により、1,447百万円(同1.4%減)となりました。
②熱供給事業
連結子会社の東京空港冷暖房㈱における熱供給事業では、夏場の猛暑等により前年同期に比べ冷温熱の販売実績が増加し、売上高は1,839百万円(同3.9%増)となりました。また、冷凍機やボイラに係る定期整備費用の計上がある一方、ガス料の単価が前年より低い水準で推移したことに伴う原材料費の減少等により、営業利益は265百万円(同3.5%増)となりました。
③給排水運営その他事業
給排水運営事業は、新型コロナウイルス感染症の5類への移行等により、旅客数が回復し給排水使用量がコロナ前の計画水量に戻りつつあり、また、共用通信事業も順調に推移したことで、売上高は1,506百万円(同34.7%増)、営業利益は213百万円(同161.7%増)となりました。
また、当第2四半期連結会計期間より、シンガポールの連結子会社(Airport Facilities Asia社)において、自社保有のエンジン整備工場屋上に太陽光発電設備を設置し、同施設のテナント向け自家消費用電力として売電を開始しております。
なお、ノンアセット業務への積極的な取組みとして、2023年10月に「日本橋浜町2丁目ビル(東京都中央区)」と「一番町27ビル(東京都千代田区)」を取得いたしました。これらのビル並びに①に記載の既取得ビルにつきましては、今後、バリューアップ工事実施により物件価値の向上を図ってまいります。
今後も引き続きグループ一丸となって、中長期経営計画に基づく各種の事業戦略を着実に進めてまいります。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の残高は、前年同期比1,179百万円増加の8,276百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は、977百万円の支出(前年同期は1,055百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益、非資金項目である減価償却費があったものの、販売用不動産の取得による棚卸資産の増加があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は、2,864百万円の支出(前年同期は1,657百万円の支出)となりました。これは主に、固定資産の取得による支出や航空機ファンドへの追加出資に係る投資有価証券の取得による支出があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は、3,326百万円の収入(前年同期は2,110百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済や配当金の支払いがあったものの、販売用不動産の取得等に伴う短期借入れがあったことによるものであります。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
該当事項はありません。
(7) 経営成績に重要な影響を与える要因
当第2四半期連結累計期間において、経営成績に重要な影響を与える要因について重要な変更はありません。
(8) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、建物や資産除去資産の償却進行等による有形固定資産の減少があるものの、ノンアセット業務での事務所ビル取得に伴う販売用不動産の増加、国有財産年間使用料の前払費用計上や航空機リースファンドへの追加出資による投資有価証券の増加等により、前連結会計年度末比7,770百万円増加の108,173百万円となりました。
負債は、長期借入金の返済による減少があるものの、販売用不動産の取得等に伴う短期借入金の増加や国有財産年間使用料の未払費用計上等により、前連結会計年度末比4,871百万円増加の47,906百万円となりました。
純資産は、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末比2,898百万円増加の60,267百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は53.3%と前連結会計年度末に比べ1.2ポイント減少しました。