【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は以下のとおりです。なお、当社は業務用食材通販事業の単一セグメントであるためセグメント情報の記載を省略しております。
① 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における資産合計は1,685百万円となり、前事業年度末に比べ383百万円増加いたしました。これは、2023年3月の売上増加に伴い、売掛金が287百万円増加したこと、業績回復に伴い現金及び預金が101百万円増加したことなどによるものです。
(負債)
当事業年度末における負債合計は682百万円となり、前事業年度末に比べ247百万円増加いたしました。これは主に売上増加に伴う仕入の増加により買掛金が160百万円増加したこと、未払法人税等が32百万円増加したこと、及び3月の経費増により未払金が28百万円増加したことなどによるものです。
(純資産)
当事業年度末における純資産は1,002百万円となり、前事業年度末に比べ135百万円増加いたしました。これは主に当期純利益の計上により利益剰余金が134百万円増加したことなどによるものです。
② 経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染防止と経済活動の両立を目指し、行動制
限がなかったことから経済活動及び社会活動の正常化が徐々に進みました。しかしながら、ウクライナ情勢を背景としたエネルギー価格や原材料価格の高騰、欧米の金融引き締め政策に伴う急速な円安進行等により、依然として先行きが不透明な状況が継続いたしました。
外食業界におきましては、まん延防止等重点措置が解除となった2022年3月以降、客足は回復傾向となりましたが、新型コロナウイルスの新規感染者数は増減を繰り返し、消費者の生活様式もコロナ禍で変容したため、コロナ前の水準に売上高が戻っていない飲食店が多い状況です。
このような環境のもと、当社は業務用食材通販のパイオニアとしてお客様の日々の厨房を支えると共に、厳しい環境に立たされている飲食店の皆様のお力になれるよう、食材管理に寄与する小パック商品や、調理の手間を削減する手間なし商品の拡充、仕入応援キャンペーンの実施など、お客様を支える活動を継続してまいりました。
これらの取り組みの結果、10月にはご購入いただいたお客様の店舗数が過去最高となり、11月・12月・3月にも過去最高を更新するなど、当社事業のベースとなる顧客基盤の維持・拡大に成功し、売上高の前年同月比増減率は下表のとおりとなりました。前事業年度の上半期は緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令されていましたが、当事業年度に入ってから規制は発令されておらず、感染拡大局面において人流は減少するものの飲食店は営業を継続していたこと等から、売上高は前年を大きく上回りました。また、コロナ前の2019年度との比較でも売上高は14.6%増となり、過去最高を更新する結果となりました。
売上高
前年同月比
(%)
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
+43.0
+103.7
+70.4
+46.4
+96.0
+90.3
+36.8
+21.4
+14.7
+47.1
+106.6
+63.5
以上の結果、当事業年度の売上高は4,668百万円(前事業年度比54.1%増)、営業利益は194百万円(前事業年度は△59百万円の営業損失)、経常利益は196百万円(前事業年度は△57百万円の経常損失)、当期純利益は134百万円(前事業年度は△37百万円の当期純損失)となりました。
なお、当社は業務用食材通販事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載は省略しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物は601百万円と前事業年度末に比べ101百万円増加いたしました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況及び変動要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは174百万円の収入(前事業年度は66百万円の収入)となりました。これは主に税引前当期純利益196百万円、売上債権287百万円の増加、仕入債務160百万円の増加、減価償却費74百万円、及び棚卸資産26百万円の増加などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは72百万円の支出(前事業年度は43百万円の支出)となりました。これは主に販売・購買システムとECサイトの改修による有形固定資産・無形固定資産の取得66百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは0百万円の支出(前事業年度は0百万円の支出)となりました。これは主にリース債務の返済による支出0百万円によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.商品仕入実績
当事業年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当事業年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
金額(百万円)
前年同期比(%)
業務用食材通販事業
3,132
150.7
合計
3,132
150.7
(注)1.当社は業務用食材通販事業の単一セグメントであります。
2.最近2事業年度の主な相手先別の仕入実績及び当該仕入実績の総仕入実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前事業年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当事業年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
金額(百万円)
割合(%)
金額(百万円)
割合(%)
国分グループ本社株式会社
880
42.3
1,323
42.2
b.受注実績
受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当事業年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
金額(百万円)
前年同期比(%)
業務用食材通販事業
4,668
154.1
合計
4,668
154.1
(注)1.当社は業務用食材通販事業の単一セグメントであります。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前事業年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当事業年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
金額(百万円)
割合(%)
金額(百万円)
割合(%)
株式会社カクヤス
336
11.1
500
10.7
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されています。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。当社の財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」及び「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
売上高は4,668百万円(前事業年度比54.1%増)となりました。これは新型コロナウイルスの新規感染者数は増減を繰り返し、その影響は一定程度あったものの、規制は発令されず飲食店は営業を継続していたこと等を要因として、前事業年度から売上高を大きく回復できたことによるものです。また顧客数におきましても、10月には過去最高の顧客数となり、11月・12月・3月にも過去最高を更新するなど、事業のベースとなる顧客基盤の維持・拡大ができていると考えております。
(売上原価、売上総利益)
仕入高の増加により、売上原価は3,081百万円(前事業年度比53.1%増)となり、売上総利益は1,587百万円(前事業年度比56.1%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、売上高の増加に伴い荷造運賃費が136百万円増加したこと、業務委託費が74百万円増加したことなどから、1,393百万円(前事業年度比29.4%増)となり、営業利益は194百万円(前事業年度は△59百万円の営業損失)となりました。
(営業外収益、経常利益)
営業外収益は2百万円(前事業年度比3.7%増)となり、経常利益は196百万円(前事業年度は△57百万円の経常損失)となりました。
(法人税等、当期純利益)
法人税等を61百万円(前事業年度は△19百万円の法人税等)計上したことから、当期純利益は134百万円(前事業年度は△37百万円の当期純損失)となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の資本の財源及び資金の流動性については、営業活動及び株式の発行により得られた資金を運転資金、販売・購買システム改修等に係る設備資金等に充当しております。
⑤ 重要な経営指標について
重要な経営指標の実績は次のとおりであります。今後もWEBを中心に新規顧客獲得を進め、売上高の伸長を図ると共に、経営の効率化を進め、利益率の改善に取り組んでまいります。
重要な経営指標
前事業年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当事業年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
実績
前年同期比
実績
前年同期比
売上高(百万円)
3,029
+8.9%
4,668
+54.1%
売上高営業利益率(%)
△2.0
+2.6Pt
4.2
+6.1Pt
顧客店舗数 ※1
8,064
+1.3%
10,643
+32.0%
新規顧客店舗数 ※1、2
1,148
+5.4%
1,602
+39.5%
新規顧客WEB経由獲得率(%)
93.9
△1.2Pt
93.1
△0.8Pt
(※1)上記顧客店舗数は当該事業年度の各月に購入があった顧客店舗数の平均であります。また、上記顧客店舗数には代理店経由で販売している顧客店舗は含まれておりません。
(※2)新規顧客店舗数は当該事業年度に初購入があった顧客の月別店舗数を平均したものであります。