【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。(1) 経営成績 当第1四半期連結累計期間における世界経済は、ウクライナ情勢の長期化に伴う資源価格の高止まりやインフレ抑制を目的とした金融引き締めの長期化による米国での金融不安が拡大したことなどにより、総じて成長の下振れリスクを抱えた弱含みの推移となる一方、中国のゼロコロナ政策の解除による貿易拡大やインド経済の底堅い推移によりアジア圏において回復の兆しも見られてきております。 日本経済は、新型コロナウイルス禍からの脱却に舵を切ったことにより、インバウンドの再開や国内旅客業の復調、デジタル化や脱炭素などを目的とした設備投資の拡大なども見られ、緩やかに回復しつつあります。 当社グループの取引に関する業界では、世界的に供給不足となっていた電子部品・半導体に起因するサプライチェーンの混乱に改善の動きがみられ始め、部品不足により停滞していた製品の生産も回復しつつありますが、一部では需給バランスの在庫調整などの動きも見られてきております。 このような状況下、当社グループは、中期経営計画において掲げた代理店、商社の枠を超えた事業創出会社として「成長事業のビジネスモデルの確立」「基幹中核事業の生産性向上」及び「事業推進基盤の強化」への取り組みを加速し、また2023年4月1日付で会社名を「菱電商事株式会社」から「株式会社RYODEN」に変更、新生RYODENとして新たな価値を創造すべく取り組んでまいりました。その結果、当社グループの当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高634億97百万円(前年同期比5.7%増)、営業利益17億64百万円(前年同期比6.3%減)、経常利益17億63百万円(前年同期比12.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益10億89百万円(前年同期比17.7%減)となりました。
当第1四半期連結累計期間におけるセグメントの業績は次のとおりです。
(単位:百万円)
前第1四半期連結累計期間
当第1四半期連結累計期間
増減率(%)
FAシステム
売 上 高
10,481
12,371
18.0
営業利益
170
527
208.9
冷熱ビルシステム
売 上 高
5,708
6,117
7.2
営業利益
41
77
84.8
X-Tech(クロステック)
売 上 高
1,281
978
△23.6
営業損失(△)
△70
△181
–
エレクトロニクス
売 上 高
42,622
44,042
3.3
営業利益
1,844
1,429
△22.5
①FAシステムFA分野では、半導体製造装置向けの販売が海外需要の落ち込みの影響を受け低調に推移しましたが、国内景気の持ち直し、サプライチェーンの回復による各メーカー生産量の増加により、工作機械及び一般産業装置向けの販売が好調に推移しました。その結果、FAシステムの売上高は123億71百万円、営業利益は5億27百万円となりました。
②冷熱ビルシステム冷熱分野では、民間消費や設備投資が回復基調のなか、施工業者の人員不足による受注調整の影響もありましたが、業務用エアコンや低温設備機器の販売が堅調に推移しました。ビルシステム分野では、建設市場における資材の高騰・長納期化などの影響を受けましたが、昇降機や電源設備案件が好調に推移し、また既設設備の更新案件も堅調に推移しました。その結果、冷熱ビルシステムの売上高は61億17百万円、営業利益は77百万円となりました。
③X-Techヘルスケア分野では、トータルパックITのサービスが堅調に推移しましたが、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う医療関連設備投資が減少したことにより、大型検査装置・画像システム等の販売が低調に推移しました。ICT分野では、ビデオマネジメントシステム「FlaRevo」やRFIDを活用した資産管理システムの新規案件が低調に推移しましたが、IT関連機器の販売が堅調に推移しました。スマートアグリ分野では、次世代型植物工場「Block FARM」の商業運用に続き、植物工場インフラ、栽培、販売・流通とバリューチェーンの整備に注力しました。今後は次世代農業やフードテックに今後参入する企業向けの新サービスを確立し、データドリブンで収益性の高いスマート農業の構築に取り組んでまいります。その結果、X-Techの売上高は9億78百万円、営業損失は1億81百万円となりました。
④エレクトロニクス国内では、車載市場は半導体不足による影響も緩和され生産回復基調となり、インフォテインメント機器向けSoC(System-on-Chip)やメモリ・センサーIC等の販売が堅調に推移し、産業機器市場でもパワーデバイス等の販売が堅調に推移しました。海外子会社では、欧州地域の車載関連向け販売が低調に推移しましたが、中国地域の産業機器関連向けアナログ半導体、東南アジア地域の車載関連向けメモリ等の販売が堅調に推移しました。その結果、エレクトロニクスの売上高は440億42百万円、営業利益は14億29百万円となりました。
(2) 財政状態資産の部は、受取手形、売掛金及び契約資産が14億95百万円減少しましたが、現金及び預金が7億18百万円、電子記録債権が6億10百万円、商品及び製品が37億3百万円増加したこと等により、資産合計は前連結会計年度末比25億84百万円増加し、1,536億34百万円となりました。負債の部は、支払手形及び買掛金が10億24百万円、電子記録債務が68百万円、短期借入金が14億93百万円増加したこと等により、負債合計は前連結会計年度末比18億39百万円増加し、729億90百万円となりました。純資産の部は、親会社株主に帰属する四半期純利益を10億89百万円、配当金を8億95百万円計上、為替換算調整勘定が1億34百万円、その他有価証券評価差額金が3億43百万円増加したこと等により、純資産合計は前連結会計年度末比7億44百万円増加し、806億43百万円となりました。以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末比0.4ポイント減少し、52.4%となりました。
(3) キャッシュ・フロー当社グループは、経営成績の向上と財政状態の安定を図り、資金需要に応じた一定の手許流動性を維持しながら、健全かつ効率的な財務活動を行っております。当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末比12億20百万円増加し、123億12百万円の残高となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当第1四半期連結累計期間において営業活動により得られた資金は、3億44百万円(前年同期比21億22百万円収入増)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益17億68百万円の計上と、売上債権の減少、並びに棚卸資産・仕入債務の増加によるネット資金の減少8億78百万円、その他の流動資産の減少による資金の増加12億93百万円、法人税等の支払16億88百万円によるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当第1四半期連結累計期間において投資活動により得られた資金は、2億74百万円(前年同期比8億39百万円収入増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出87百万円、無形固定資産の取得による支出80百万円、投資有価証券の取得による支出97百万円、有価証券の償還による収入1億66百万円、3ヶ月を超える定期預金の払戻による収入4億5百万円によるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当第1四半期連結累計期間において財務活動により得られた資金は、5億98百万円(前年同期比3億9百万円収入増)となりました。これは主に、配当金の支払8億59百万円、短期借入金の増加14億58百万円によるものです。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動該当事項はありません。