【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。(1) 経営成績当第3四半期連結累計期間における世界経済は、需要と供給の両面でコロナ危機からの回復傾向にありましたが、長期化するウクライナ紛争に端を発したエネルギーショックがインフレ圧力に拍車をかけ、米欧主要国の金融引き締めにより回復ペースが鈍化しました。また中国では長引くロックダウンが経済活動に大きなダメージを与え、米欧中の景況感がそろって悪化し先行き不透明感がよりいっそう強くなりました。国内経済においては、供給制約の緩和と経済活動の正常化により内需を中心に持ち直しの傾向にありましたが、エネルギー価格の上昇や日米金利差の拡大を受けた円安による物価上昇圧力の高まりが消費者マインドを悪化させ、消費回復を抑制することになりました。また、原材料コストの増加が製造業の景況感を下押ししました。当社グループの取引に関する業界は、自動車生産は半導体不足や中国ロックダウンの影響がなお続き、メーカー各社が通期の販売台数の見通しを下方修正することになりました。電子部品・半導体は、スマホやパソコンなどのデジタル需要が失速しましたが、自動車や産業機器向けなど一部で逼迫感が続きました。産業・工作機械は省人化や脱炭素関連の投資が需要を下支えしました。このような状況下、当社グループの中期経営計画「ICHIGAN 2024」は中間年度となる3年目となり、当社は代理店、商社の枠を超えた事業創出会社として新たな価値の創造を目指しています。その結果、当社グループの当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高1,947億16百万円(前年同期比17.3%増)、営業利益69億91百万円(前年同期比51.8%増)、経常利益68億26百万円(前年同期比43.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益47億18百万円(前年同期比46.3%増)となりました。
当第3四半期連結累計期間におけるセグメントの業績は次のとおりです。なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの名称を変更しており、以下の前年同期比較については当該変更後の名称で比較しております。詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」をご参照ください。
(単位:百万円)
前第3四半期連結累計期間
当第3四半期連結累計期間
増減率(%)
FAシステム
売 上 高
31,590
33,611
6.4
営業利益
1,073
1,024
△4.6
冷熱ビルシステム
売 上 高
18,271
19,260
5.4
営業利益
650
508
△21.7
X-Tech(クロステック)
売 上 高
3,527
4,025
14.1
営業損失(△)
△192
△193
0.7
エレクトロニクス
売 上 高
112,666
137,880
22.4
営業利益
3,334
5,965
78.9
①FAシステム半導体不足や材料不足などのサプライチェーンの混乱が緩やかに回復する中、半導体製造装置や工作機械をはじめとする装置メーカー向けコントローラ等の需要が好調に推移し、また自動車関連や電気電子部品関連を中心とした製造業の設備投資案件も堅調に推移しました。その結果、FAシステムの売上高は336億11百万円、営業利益は10億24百万円となりました。
②冷熱ビルシステム冷熱分野は、暑熱対策のニーズやサービス業向けの設備投資需要が好調に推移し、店舗用エアコンや冷凍機器等の販売の回復に加え、商業ビル空調設備案件の受注などにより堅調に推移しました。ビルシステム分野は、ビルマネジメントシステム販売強化、昇降機やビル設備関連品の新規受注に取り組みましたが、建設市場における資材の高騰や納期長期化などの影響を受け、低調に推移しました。その結果、冷熱ビルシステムの売上高は192億60百万円、営業利益は5億8百万円となりました。
③X-Tech(クロステック)ヘルスケア分野では、病院内のITシステムを一つのパッケージとして提供するトータルパックITのサービスや大型検査装置・画像システム関連が堅調に推移しました。ICT分野では、IT関連機器の販売が堅調に推移し、また当社オリジナルソリューションであるビデオマネジメントシステム:FlaRevo(フラレボ)やRFID関連製品の販売が好調に推移しました。スマートアグリ分野では、2022年5月に竣工した次世代型植物工場「Block FARM」で閉鎖型人工光植物工場として世界初となるほうれん草の本格的な量産に向け引き続き取り組んでいます。以上の結果、X-Techの売上高は40億25百万円、営業損失は1億93百万円となりました。
④エレクトロニクス国内では、半導体不足や材料不足などのサプライチェーンの混乱が継続したことで一部顧客の生産調整が懸念されましたが、車載市場でのインフォテインメント機器向けSoC(System-on-Chip)やメモリ等の販売が好調に推移し、産業機器市場についても半導体製造装置・工作機械向けアナログ半導体や受動部品等の販売が堅調に推移しました。海外関係会社では、主に中国地域の産業機器関連向けアナログ半導体・パワー半導体の販売や北米地域の車載関連(インフォテインメント機器)用メモリの販売が堅調に推移しました。その結果、エレクトロニクスの売上高は1,378億80百万円、営業利益は59億65百万円となりました。
(2) 財政状態資産の部は、電子記録債権が15億70百万円減少しましたが、現金及び預金が18億25百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が72億円、商品及び製品が81億3百万円増加したこと等により、資産合計は前連結会計年度末比150億18百万円増加し、1,559億89百万円となりました。負債の部は、支払手形及び買掛金が17億91百万円、電子記録債務が45億58百万円、短期借入金が26億76百万円増加したこと等により、負債合計は前連結会計年度末比95億12百万円増加し、757億17百万円となりました。純資産の部は、親会社株主に帰属する四半期純利益を47億18百万円、配当金13億73百万円計上、為替換算調整勘定が20億73百万円増加したこと等により、純資産合計は前連結会計年度末比55億5百万円増加し、802億72百万円となりました。以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末比1.5ポイント減少し、51.4%となりました。
(3) キャッシュ・フロー当社グループは、経営成績の向上と財政状態の安定を図り、資金需要に応じた一定の手許流動性を維持しながら、健全かつ効率的な財務活動を行っております。当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末比13億45百万円増加し、129億22百万円の残高となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当第3四半期連結累計期間において営業活動に使用した資金は、5億93百万円(前年同期比25億45百万円収入増)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益69億61百万円の計上と、売上債権・棚卸資産、並びに仕入債務の増加によるネット資金の減少67億80百万円、法人税等の支払25億41百万円によるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当第3四半期連結累計期間において投資活動に使用した資金は、11億67百万円(前年同期比4億12百万円支出増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出23億10百万円、投資有価証券の売却による収入4億67百万円、3ヶ月を超える定期預金による支出5億79百万円、補助金の受取による収入14億35百万円によるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当第3四半期連結累計期間において財務活動により得られた資金は、17億11百万円(前年同期比30億96百万円収入増)となりました。これは主に、配当金の支払13億88百万円、短期借入金の増加25億70百万円、長期借入金の増加5億30百万円によるものです。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動該当事項はありません。