【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の分折
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する行動制限が緩和されたことにより人流が回復し、経済活動は徐々に正常化に向かいました。一方で、資源・エネルギー価格の高騰などに伴う物価上昇や、為替相場の急激な変動などにより、依然として先行き不透明な状況が続いております。
外食産業におきましては、行動制限の緩和により店内飲食が回復傾向にある一方で、ウィズ・コロナ時代における外食利用シーンの変化や、原材料・エネルギー価格および物流費の高騰などにより、経営を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いております。
このような状況において、当社グループは、当社グループの目指す姿である「『食』と『おもてなしの心』で人やまちを笑顔に、元気に。」の下で、「食の安全・安心」、QSC(品質・サービス・清潔)を徹底するとともに、消費者のライフスタイルの変化に対応すべく、新業態として「そばと四季揚げ 八兆庵」と「野菜巻き串 八千屋」を開業いたしました。また、モバイルオーダーシステムの導入など、当社事業の未来を見据えた新たな取り組みを進めております。
店舗数は、国内では新規出店が4店舗(直営店)、閉店が4店舗、海外では新規出店が5店舗、閉店が3店舗あり、合計288店舗(前連結会計年度末比2店舗増)となっております。その内訳は、国内店舗では、らーめん店舗115店舗、和食店舗10店舗、その他外食6店舗、無人直売所2店舗(合計133店舗)、海外店舗は155店舗であります。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は4,897百万円(前年同期比19.8%増)、営業収益(売上高と営業収入の合計)は5,400百万円(同20.9%増)となりました。また、営業利益は164百万円(前年同期営業損失222百万円)、経常利益は217百万円(前年同期経常損失19百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は136百万円(前年同期親会社株主に帰属する四半期純損失60百万円)となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」等の適用による、四半期連結財務諸表に与える影響は軽微であります。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
①外食事業
8番らーめんフランチャイズチェーンの国内展開を主とするらーめん部門では、配膳ロボットやモバイルオーダーシステム、セミセルフレジシステムを導入した「8番らーめん松任駅北口店」をオープンし、従業員の働き方改革と調理に集中しやすい環境づくりを進めるとともに、人手不足問題の解決に取り組んでおります。さらに、「とんこつ白湯らーめん」など6種類の期間限定商品を販売し、来店客数の回復および新規顧客の獲得に努めております。また、テイクアウト販売の利便性向上として、冷凍自動販売機の設置を進めております。
和食料理店を展開する和食部門では、新業態「そばと四季揚げ 八兆庵」を開業して、アレンジそばと揚げ物、午後の甘味喫茶、夜のそばダイニングといった利用シーンの提案により、コアターゲットである女性への訴求に力を入れております。また、身近な人と近所で居酒屋を楽しみたいとのニーズの高まりを受け、住宅地から徒歩圏内の小型店舗として開発した新業態「野菜巻き串 八千屋」を開業いたしました。
その他の部門では、キッチンカー「おいもとレモネード」において期間限定商品「ハロウィンスウィート大学いも」や「ハロウィンスウィートいもぼう」などの商品を販売し、石川県内のイベントや商業施設、ポップアップショップに積極的に出店することで認知度を高めております。
以上の結果、外食事業の当第3四半期連結累計期間の営業収益は4,259百万円(前年同期比19.8%増)、セグメント利益は459百万円(同46.2%増)となりました。
②外販事業
外販事業では、「8番らーめん」ブランドを活用し、より付加価値のある商品の開発と提案を行っております。地元スーパーマーケット、国内各地の生活協同組合、量販店への卸販売、ネット通販のほか、8番らーめんで人気のある冷凍餃子等の新たな販売スタイルとして、無人直売所や冷凍自動販売機の展開を進めております。
以上の結果、外販事業の当第3四半期連結累計期間の売上高は509百万円(前年同期比0.6%減)、セグメント利益は3百万円(同78.5%減)となりました。
③海外事業
8番らーめんフランチャイズチェーンの海外展開は、タイでは150店舗、香港では4店舗、ベトナムでは1店舗の運営を行っております。一部では中国のゼロコロナ政策の影響はあるものの、新型コロナウイルス感染症に対する規制が緩和・解除されたことで、これら海外店舗の売上高は回復しております。また、ベトナムでは再開した1号店の営業指導強化とともに、2号店の開店に向けて準備を進めております。
タイでの液体調味料の製造・販売については、コロナ禍からの市況回復で売上が堅調に推移しております。
以上の結果、海外事業の当第3四半期連結累計期間の営業収益は631百万円(前年同期比58.4%増)、セグメント利益は216百万円(同98.3%増)となりました。
(2)財政状態の分析
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における資産の残高は、前連結会計年度末に比べ173百万円減少して4,915百万円(前連結会計年度末比3.4%減)となりました。これは主に、売掛金が205百万円、有形固定資産が60百万円増加したものの、現金及び預金が450百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債の残高は、前連結会計年度末に比べ290百万円減少して1,636百万円(前連結会計年度末比15.1%減)となりました。これは主に、買掛金が142百万円増加したものの、短期借入金が400百万円、長期借入金が82百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ116百万円増加して3,278百万円(前連結会計年度末比3.7%増)となりました。これは主に、利益剰余金が77百万円、為替換算調整勘定が27百万円増加したことによるものであります。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。