【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績当第1四半期連結累計期間(2023年4月1日から2023年6月30日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行により経済活動の正常化が進み、景気は緩やかに持ち直しの動きが見られた一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、資源価格の高騰や為替変動による物価上昇など、消費マインドの冷え込みが懸念され、依然として先行き不透明な状況が続いております。当社グループを取り巻く繊維・アパレル業界におきましては、商業施設等への人流の増加に加え、旅行やイベントなど外出需要が徐々に回復し、市場環境は回復基調にて推移いたしました。このような状況の下、当社グループは、3ヶ年の中期経営計画「CHALLENGE NEXT 100」の最終年度を迎えるにあたり、「アジア市場」「DX推進」「全社戦略」を中心とした基本戦略を推し進め、外部環境の変化を踏まえた積極的な事業投資を行い、着実な売上拡大、企業価値向上に取り組んでおります。以上の結果、当第1四半期連結累計期間の当社グループの売上高は前年同期比33.0%増の4,448百万円、営業利益は前年同期比125.9%増の582百万円、経常利益は前年同期比56.6%増の935百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比43.3%増の688百万円となりました。
セグメントの経営成績を示すと、次のとおりであります。
① ファッション関連事業基幹ブランド「DAKS」「LEONARD」を軸に、国内をはじめ、中国・香港・マカオ・台湾・韓国・タイなどのアジア市場において、ブランド価値向上を重視し、戦略的な店舗展開を推し進め、ブランドビジネスの拡大を図っております。国内事業は、「DAKS」「LEONARD」を百貨店などに販売する国内子会社では、プロパー販売を重視し、粗利率の向上に努めるなど、収益体質の強化策を推し進めております。外出機会が増加したことなどもあり、店頭販売が好調に推移し、増収増益となりました。海外事業は、「DAKS」「LEONARD」などを展開するアジア市場において、事業展開の拡大を推し進めております。香港では、中国との往来再開に伴う旅行客の増加などにより、店頭販売が好調に推移し、台湾においても、主力店舗を中心に好調に推移し、増収増益となりました。以上の結果、当事業全体の売上高は前年同期比37.2%増の2,195百万円、セグメント利益(営業利益)は前年同期比53.0%増の424百万円となりました。
② 繊維関連事業製品OEM事業は、依然として厳しい市況が続き、受注競争が加速する中、スポーツ、アウトドア、ライフスタイル分野などへの取り組みを強化し、安定した生産体制、商品供給網を構築すべく生産背景の拡充、強化に取り組んでおります。新規取引先の開拓や前倒し出荷などにより増収、前年同期は、急激な円安、コスト高などの影響を受けましたが、粗利率の改善に努めた結果、黒字に転じました。以上の結果、当事業全体の売上高は前年同期比34.6%増の1,767百万円、セグメント利益(営業利益)は68百万円(前年同期は68百万円のセグメント損失)となりました。
③ 不動産関連事業大阪の賃貸ビルをメインとして東京・横浜・神戸などの不動産に係る賃貸事業は、稼働率が安定的に推移し、内装工事事業も工事件数が増加したことにより、増収増益となりました。以上の結果、当事業全体の売上高は前年同期比16.4%増の580百万円、セグメント利益(営業利益)は前年同期比24.7%増の202百万円となりました。
(2) 財政状態① 流動資産当第1四半期連結会計期間末の流動資産は、前連結会計年度末に比べて3,077百万円(15.5%)減少し、16,767百万円となりました。これは、現金及び預金が2,910百万円減少したことなどによるものであります。
② 固定資産当第1四半期連結会計期間末の固定資産は、前連結会計年度末に比べて4,893百万円(14.8%)増加し、38,046百万円となりました。これは、投資有価証券が3,320百万円増加、商標権が435百万円増加したことなどによるものであります。
③ 流動負債当第1四半期連結会計期間末の流動負債は、前連結会計年度末に比べて471百万円(7.0%)減少し、6,223百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が250百万円減少、未払費用が248百万円減少したことなどによるものであります。
④ 固定負債当第1四半期連結会計期間末の固定負債は、前連結会計年度末に比べて1,014百万円(16.5%)増加し、7,167百万円となりました。これは、繰延税金負債が879百万円増加したことなどによるものであります。
⑤ 純資産当第1四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べて1,272百万円(3.2%)増加し、41,422百万円となりました。これは、その他有価証券評価差額金が1,889百万円増加、為替換算調整勘定が740百万円増加した一方で、利益剰余金が1,235百万円減少したことなどによるものであります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第1四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動該当事項はありません。