【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態および経営成績の状況当第2四半期連結累計期間におきましては、さらなる進化と拡大を続けるグローバル市場に対応するため、デジタル販売の継続的な強化を主軸とした成長投資を積極的に推し進めました。また、安定的、持続的な成長のため、経営上の優先課題である人材投資戦略について、人事組織の強化や「クリエイティブスタジオ」の新設、パートナーシップ制度の導入、福利厚生制度の拡充など職場環境のさらなる改善等を実施しました。加えて、開発力・技術力の持続的強化のため、コンシューマゲーム開発における3DCG制作技術を強みとする開発会社を完全子会社化するなど、企業価値の向上を図ってまいりました。このような経営戦略のもと、中核事業であるデジタルコンテンツ事業において、主力シリーズの大型タイトルの投入や、デジタル販売を通じたリピートタイトルの積極的な販売推進により、グローバルに販売本数の増加を図りました。これにより、当第2四半期連結累計期間におけるデジタルコンテンツ事業の販売本数は、2,260万本と前年同期2,130万本を上回り、当社グループのコンテンツ価値向上に大きく寄与しました。さらに、これらの主力コンテンツと映像作品やライセンス商品、eスポーツとの連携によるIPの持つブランド力の向上に努めました。また、アミューズメント施設事業における効率的な店舗運営や新業態店舗の推進、アミューズメント機器事業における当社グループの人気IP活用等によるリピート販売などの施策により、収益の向上を図りました。この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は749億34百万円(前年同期比52.7%増)、営業利益は338億35百万円(前年同期比54.5%増)、経常利益は361億64百万円(前年同期比57.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は252億87百万円(前年同期比56.7%増)となりました。なお、当社はステークホルダーの皆様からのご支援等により、6月に創業40周年を迎えました。本周年記念の特設サイトとしてデジタル観光地「カプコンタウン」の開設に加え、様々な施策を講じております。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。① デジタルコンテンツ事業当事業におきましては、当社グループのeスポーツ展開をリードするシリーズ最新作『ストリートファイター6』(プレイステーション 5、プレイステーション 4、Xbox Series X|S、パソコン用)を6月に発売し、グローバルに幅広く支持されました。その結果、247万本を販売し、業績向上に大きく貢献しました。また、4月に発売した『ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション Vol.1・Vol.2』(Nintendo Switch、プレイステーション 4、パソコン用)が、安定した人気により142万本を販売した一方、7月にオンラインチーム対戦の意欲作である完全新作タイトル『エグゾプライマル』(Xbox Series X|S、Xbox One、プレイステーション 5、プレイステーション 4、パソコン用)を発売し、100万ユーザーを突破するなど新規IPの創出に注力しました。さらに、リピートタイトルにおいては、3月発売の『バイオハザード RE:4』が、プレイステーションVR2対応の無料タイトルアップデートなどの継続的な施策により、累計545万本を販売し、リピート販売拡大に大きく寄与しました。加えて、積極的なプロモーションによるIPの認知拡大と新たなファン層の獲得を図るとともに価格施策等を行い、『モンスターハンターライズ』や『バイオハザード RE:2』など、シリーズタイトルを中心に販売しました。その結果、リピートタイトルの販売本数が1,760万本と前年同期1,605万本を上回り、収益を押し上げました。
モバイルコンテンツにおいては、「モンスターハンター」シリーズの最新モバイルゲーム『モンスターハンターナウ』(iOS、Android用)が9月に配信されました。同ゲームのグローバルダウンロード数は500万を突破し、IPの認知拡大に寄与しました。また、9月に開催された「東京ゲームショウ2023」において、今後発売予定のタイトル試遊などを中心とした当社出展ブースが活況を呈しました。加えて、同期間中に発表された「日本ゲーム大賞2023」において、『モンスターハンターライズ:サンブレイク』が年間作品部門で「大賞」、『バイオハザード RE:4』が「優秀賞」を受賞するとともに、フューチャー部門で『ドラゴンズドグマ 2』が選出され、今後のタイトル販売に弾みをつけました。この結果、売上高は612億75百万円(前年同期比69.9%増)、営業利益は345億3百万円(前年同期比58.1%増)となりました。
② アミューズメント施設事業当事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の5類への移行により経済活動が回復した状況下、既存店の効率的な店舗運営や新業態での出店効果などにより収益拡大を図りました。当第2四半期連結累計期間において、4月に子供向け遊具施設の「キッズバネット 静岡店」および6月に体験型施設の「クレイジーバネット イオンモール新居浜店」(愛媛県)をオープンしましたので、施設数は47店舗となっております。この結果、売上高は91億69百万円(前年同期比25.2%増)、営業利益は11億28百万円(前年同期比66.5%増)となりました。
③ アミューズメント機器事業当事業におきましては、パチスロ市場がスマートパチスロのけん引により好調を持続している環境下、当社グループのスマートパチスロ第一弾となる『戦国BASARA GIGA』を8月に発売し、15千台を販売しました。また、昨年8月発売の『新鬼武者2』および今年1月発売の『モンスターハンターワールド:アイスボーン』が、市場での高稼働を受け、リピート販売が順調に推移しました。この結果、売上高は25億98百万円(前年同期比14.0%減)、営業利益は17億81百万円(前年同期比3.5%増)となりました。
④ その他事業その他事業につきましては、当社グループのタイトルブランドの価値向上に向け、CG長編映画『バイオハザード:デスアイランド』が7月に全世界で公開されるなど、引き続き主力IPを活用した映像化やキャラクターグッズ展開などに注力しました。また、eスポーツについては、7月から開催の国内チームリーグ戦「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2023」において、シリーズ最新作の『ストリートファイター6』を投入しました。さらに、8月から世界各地で開催の「CAPCOM Pro Tour 2023」において、当社史上最高の賞金総額200万ドル以上に拡大して実施するほか、シンガポール等でのイベント実施によるeスポーツの振興など、グローバル規模でのユーザー層の裾野拡大に向けた施策を講じました。この結果、売上高は18億91百万円(前年同期比28.8%減)、営業利益は6億14百万円(前年同期比51.2%減)となりました。
資産につきましては、前連結会計年度末に比べ93億29百万円増加し、2,266億94百万円となりました。主な増加は、「現金及び預金」200億47百万円および「ゲームソフト仕掛品」21億38百万円であり、主な減少は、「売掛金」136億85百万円によるものであります。負債につきましては、前連結会計年度末に比べ119億14百万円減少し、443億22百万円となりました。主な減少は、「未払法人税等」51億23百万円、「繰延収益」43億25百万円および「賞与引当金」30億90百万円によるものであります。純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ212億43百万円増加し、1,823億72百万円となりました。主な増加は、「親会社株主に帰属する四半期純利益」252億87百万円および「為替換算調整勘定」42億16百万円であり、主な減少は、「剰余金の配当」85億24百万円によるものであります。
(2) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ183億80百万円増加し、1,078億51百万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、272億26百万円の収入(前年同期は145億15百万円の収入)となりました。資金の主な増加は、「税金等調整前四半期純利益」361億65百万円(同229億98百万円)および「売上債権の減少額」134億48百万円(同34億98百万円の増加額)によるものであり、主な減少は、「法人税等の支払額」116億1百万円(同52億84百万円)、「繰延収益の減少額」44億29百万円(同54億52百万円の増加額)および「ゲームソフト仕掛品の増加額」21億23百万円(同92億21百万円の増加額)によるものであります。投資活動によるキャッシュ・フローは、32億50百万円の支出(前年同期は19億31百万円の支出)となりました。資金の主な減少は、「有形固定資産の取得による支出」28億78百万円(同16億81百万円)によるものであります。財務活動によるキャッシュ・フローは、93億80百万円の支出(前年同期は204億31百万円の支出)となりました。資金の主な減少は、「配当金の支払額」85億16百万円(同59億71百万円)によるものであります。
なお、当第2四半期連結累計期間における資本の財源および資金の流動性の重要な変更はありません。
(3) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題当第2四半期連結累計期間において重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(4) 財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針当第2四半期連結累計期間において重要な変更および新たに定めた基本方針はありません。
(5) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、189億32百万円であります。また、当第2四半期連結累計期間における研究開発活動の状況の重要な変更はありません。
#C9697JP #カプコン #情報通信業セクター