【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態および経営成績の状況当第1四半期におきましては、さらなる進化と拡大を続けるグローバル市場に対応するため、デジタル販売の継続的な強化を主軸とした成長投資を積極的に推し進めました。また、安定的、持続的な成長のため、経営上の優先課題である人材投資戦略について、人事組織の強化や「クリエイティブスタジオ」の新設、パートナーシップ制度の導入、福利厚生制度の拡充など職場環境のさらなる改善等を実施し、企業価値の向上を図ってまいりました。このような経営戦略のもと、中核事業であるデジタルコンテンツ事業において、主力シリーズの大型タイトルの投入や、デジタル販売を通じたリピートタイトルの積極的な販売推進により、グローバルに販売本数の増加を図りました。これにより、当第1四半期におけるデジタルコンテンツ事業の販売本数は、1,350万本と前年同期1,170万本を上回り、当社コンテンツの価値向上に大きく寄与しました。さらに、これらの主力コンテンツと映像作品やライセンス商品、eスポーツとの連携によるIPの持つブランド力の向上に努めました。また、アミューズメント施設事業における効率的な店舗運営や新業態店舗の推進、アミューズメント機器事業における当社グループの人気IP活用等によるリピート販売などの施策により、収益の向上を図りました。この結果、当第1四半期の売上高は438億58百万円(前年同期比73.8%増)、営業利益は240億47百万円(前年同期比99.4%増)、経常利益は258億65百万円(前年同期比102.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は181億63百万円(前年同期比101.6%増)となりました。なお、当社はステークホルダーの皆様からのご支援等により、6月に創業40周年を迎えました。本周年記念の特設サイトとしてデジタル観光地「カプコンタウン」の開設に加え、引き続き様々な施策を講じてまいります。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① デジタルコンテンツ事業当事業におきましては、当社グループのeスポーツ展開をリードするシリーズ最新作『ストリートファイター6』(プレイステーション 5、プレイステーション 4、Xbox Series X|S、パソコン用)を6月に発売しました。本作は、シリーズを受け継いだ正統進化と対戦格闘ゲームの枠を超えた新たな「ストリートファイター」として、シングルプレイを強化した新モード「ワールドツアー」や全世界のプレイヤーとコミュニケーションやバトルが楽しめる「バトルハブ」、初心者から熟練者まで各々に合わせてプレイできる操作方法の導入など様々な施策を講じ、グローバルに幅広く支持されました。その結果、197万本を販売し好調な滑り出しを見せるとともに、業績向上に大きく貢献しました。また、4月に発売した『ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション Vol.1・Vol.2』(Nintendo Switch、プレイステーション 4、パソコン用)も、安定した人気により132万本を販売しました。さらに、リピートタイトルにおいては、3月発売の『バイオハザード RE:4』が累計販売本数495万本となり、リピート販売拡大に大きく寄与しました。加えて、積極的なプロモーションによるIPの認知拡大と新たなファン層の獲得を図るとともに価格施策等を行い、『モンスターハンターライズ』や『バイオハザード RE:2』など、シリーズタイトルを中心に販売しました。その結果、リピートタイトルの販売本数が980万本と前年同期900万本を上回り、収益を押し上げました。この結果、売上高は378億75百万円(前年同期比90.7%増)、営業利益は246億79百万円(前年同期比96.8%増)となりました。
② アミューズメント施設事業当事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の5類への移行による経済活動の正常化が進んだ状況下、既存店の効率的な店舗運営や新業態での出店効果などにより収益拡大を図りました。当第1四半期において、4月に子供向け遊具施設の「キッズバネット 静岡店」および6月に体験型施設の「クレイジーバネット イオンモール新居浜店」(愛媛県)をオープンしましたので、施設数は47店舗となっております。この結果、売上高は41億17百万円(前年同期比25.3%増)、営業利益は3億75百万円(前年同期比101.7%増)となりました。
③ アミューズメント機器事業当事業におきましては、市場がスマートパチスロのけん引により好調に転じた環境下、昨年8月発売の『新鬼武者2』および今年1月発売の『モンスターハンターワールド:アイスボーン』が、市場からの高評価による長期稼働を受け、リピート販売が好調に推移しました。この結果、売上高は8億98百万円(前年同期比38.2%増)、営業利益は6億78百万円(前年同期比150.5%増)となりました。
④ その他事業その他事業につきましては、当社タイトルのブランド価値向上に向け、引き続き主力IPを活用した映像化や新規タイトル等のキャラクターグッズ展開などに注力しました。また、eスポーツにおいては、グローバル規模でのユーザー層の裾野拡大に向けた施策を図り、6月にシンガポールで開催された「オリンピックeスポーツウィーク2023」において、『ストリートファイター6』のエキシビションマッチが実施されるなど、今後の展開に弾みをつけました。この結果、eスポーツ等への先行投資などにより、売上高は9億68百万円(前年同期比32.6%減)、営業利益は4億94百万円(前年同期比39.6%減)となりました。
資産につきましては、前連結会計年度末に比べ13億44百万円減少し、2,160億21百万円となりました。主な増加は、「現金及び預金」65億7百万円、「ゲームソフト仕掛品」13億8百万円、リース資産の増加等により「有形固定資産その他(純額)」12億50百万円および前払費用の増加等により「流動資産その他」12億46百万円であり、主な減少は、「売掛金」84億30百万円および繰延税金資産の減少等により「投資その他の資産その他」34億79百万円によるものであります。負債につきましては、前連結会計年度末に比べ143億92百万円減少し、418億44百万円となりました。主な減少は、「未払法人税等」80億48百万円、「繰延収益」38億53百万円および「賞与引当金」21億49百万円によるものであります。純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ130億47百万円増加し、1,741億76百万円となりました。主な増加は、「親会社株主に帰属する四半期純利益」181億63百万円および「為替換算調整勘定」31億96百万円であり、主な減少は、「剰余金の配当」85億24百万円によるものであります。
(2) キャッシュ・フローの状況当第1四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ52億70百万円増加し947億41百万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、129億79百万円の収入(前年同期は55億22百万円の支出)となりました。資金の主な増加は、「税金等調整前四半期純利益」258億66百万円(同128億5百万円)および「売上債権の減少額」84億33百万円(同101億78百万円の増加額)であり、主な減少は、「法人税等の支払額」113億71百万円(同51億77百万円)、「繰延収益の減少額」39億34百万円(同38億40百万円の増加額)、「賞与引当金の減少額」21億64百万円(同8億49百万円の減少額)、「仕入債務の減少額」18億30百万円(同11億10百万円の減少額)および「ゲームソフト仕掛品の増加額」12億93百万円(同46億93百万円の増加額)によるものであります。投資活動によるキャッシュ・フローは、18億33百万円の支出(前年同期は13億63百万円の支出)となりました。資金の主な減少は、「有形固定資産の取得による支出」16億44百万円(同12億81百万円)によるものであります。財務活動によるキャッシュ・フローは、87億78百万円の支出(前年同期は62億26百万円の支出)となりました。資金の主な減少は、「配当金の支払額」85億24百万円(同59億78百万円)によるものであります。
なお、当第1四半期連結累計期間における資本の財源および資金の流動性の重要な変更はありません。
(3) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題当第1四半期連結累計期間において重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(4) 財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針当第1四半期連結累計期間において重要な変更および新たに定めた基本方針はありません。
(5) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、92億56百万円であります。また、当第1四半期連結累計期間における研究開発活動の状況の重要な変更はありません。
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